【岐阜県・県道317号線旧道 一谷坂旧道】
岐阜県郡上市白鳥町の東側にある「一谷坂(いったんざか)トンネル」。
その横にはかつての峠越えの旧道があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 地図上で見付けた小さな旧道。
 よくあるトンネル横に残った旧道です。
 たいして期待しないで行ったけど、
 いやいやどーして
 思わぬ収穫のあった旧道でした。

 その旧道の地図はこちら→■周辺図■

 「一谷坂トンネル」西側から
 旧道に行きましょう。
 最初は東側から行こうと思ったけど、
 旧道への分岐する道がわからず、
 こっちから探索する事にします。
 後でわかるけど、あんな道じゃあ
 わかりずらくて当たり前よね。
 え〜、それでは旧道の方を見てみましょう。
 でもその前に、現トンネルの事も
 少し触れておきましょうね。
 1986年9月完成。
 延長185mで、幅は8.75m高さ4.7mあります。
 
 いかにも旧道らしい道が
 山の中に延びて行きます。
 開けた所にあるので、
 今までに無い変わった風景。
 いや、別に変わってないのかもしれないけど。
 じゃ、取り敢えず歩いて行ってみましょう。
 いきなりガードレールで通行止めされてます。
 間違って車が入ったりしたら大変だから?
 そんなに酷い道には見えない様だけど、
 うかつに入ると進退極まる事に…
 なりかねません。
 
 まずは軽く崖崩れ。
 砂岩か凝灰岩の様です。
 そりゃ崩れやすいわ。
 でも法面は植物で覆われているので、
 崩落まではしていません。
 すっかり廃道になってますね。
 これなら「旧道」ではなく
 「廃道」とすればよかったんだけど、
 この道の途中から分かれている
 「旧々道」があるため、その兼ね合いで
 「旧道」として紹介してます。
 
 廃道化進行中といったところでしょうか。
 草とか生えてます。
 どんどん高度を上げて
 峠に向かって行きます。

 峠の手前に森の中に続く道がありました。
 林道か何かと思い、
 気にせず通り過ぎました。
 後にわかるのですが、
 これが「旧々道」です。
 でもどう見ても林道よね、これ。

 ◆旧々道のレポートはこちらから◆
 こちらは本格的な廃道になってます。

 とりあえず先に行きましょう。
 
 間もなく峠に到着です。
 切り通しになっていて、
 なだらか〜に越えて行けます。
 なぜだか丸太が立て掛けてある。
 どうもこの旧道、まだ使われてるみたい。
 それとも、いらない物が捨ててあったりして。
 路面はここまでは結構きれいですね。
 切り通しはなんとも無いように見えたけど、
 沢山の落石がたまってました。
 ネットのお陰で、事なきを得ています。

 下りに転じると
 段々荒れて来ました。
 でもまだ大丈夫。
 歩いて行くには問題ありません。
 バイクでもまあ大丈夫でしょう。
 車でも走れなくはないかも?
 
 峠から切り通しが続いてます。
 そこらじゅうで小崩落が起っていて、
 土砂が溜まってます。
 倒木も廃道らしさを演出する
 いいアクセントになってる。
 画面右側、つまり東の方向には、
 林越しに大間見の集落が見えます。
 
 こんな所に大きな亀裂が!
 単なるひび割れ程度じゃなく、
 完全にずれ落ちてますよ。
 白線を見てもそのずれ具合がよくわかります。
 こういう物があったら思わず
 乗ってみたいって思いません?
 私は思いました。
 で、そ〜っと
 崩れかけている路面の上に立ってみた。
 …まあ、別に何も起らないんだけどね。
 
 こんな大きな落石も転がっていた。
 高さが2m以上あった。
 旧道はさらにカーブしていて、
 山を廻り込んで行きます。
 ここまでは順調に来ました。
 別段変わった様子はありません。

 あ、そうそう。
 2mの落石はうそよ( ̄▽ ̄)
 でも崩れた土砂が流れ出して
 遠からず旧道を埋め尽くしてしまうでしょう。

 あれ?
 側溝が横切ってる?
 道はどうしたの?
 旧道はいきなり未舗装になり、
 ただの広場なってしまいました。
 それでも道の様な物が
 画面奥に向かって行きます。
 落石防止にも使われていたネットの下に
 現トンネルの「一谷坂トンネル」の
 坑門があります。
 って事は、トンネルのポータルの上を
 通っているの?旧道は。
 
 作業道の様なスペースになった訳は、
 一谷坂トンネルによって
 削られたからみたいですね。
 すでに車道じゃありません。

 ね。車で来たら進退極まるでしょ?

 でもそれなのに車の轍が付いてる!!
 車で通る人がいるの?
 信じられません。
 どう考えても、タイヤが側溝に落ちるでしょ。
 
 さらに進むと仏様が佇む空間となります。
 あ〜… いったい何て旧道なんでしょう。
 さっきまではちゃんとした「道」だったのに
 何か峠の雰囲気です。
 そうか。峠に居た石仏をここに持って来たのか。
 いえ、本当にそうなのかはわからないけど
 新トンネル開通の時に移転されたのでしょうか?
 正面には明治・大正に建立されたお地蔵様。
 左には救世観音大菩薩の石碑と小さなお地蔵様が。
 こんな所で「ぐぜかんのん」とは珍しい。
 でも本当に珍しいのはこれじゃありません。
 この奥には超狭い隧道が…
 ◆廃隧道のレポートはこちらから◆
 
 廃隧道のレポートも見てね♪
 さて、お地蔵様の前を通り、
 旧道は現道に向けて下って行きます。
 まだアスファルトが残っていて、
 何とか旧道らしさが残ってます。
 もうギリギリ旧道です。
 いや廃道?
 そう言えば、さっきのお地蔵様の台座に
 「右ハ山道」って彫ってあった。
 これって道しるべ?
 …すごいアバウト。

 現道に出て来て、
 一谷坂トンネルの東側に来ました。
 反対側の旧道の様子とはえらい違い。
 どう見てもただの山道よねこれは。
 わかりずらい。
 しかも地図を見ても違う所から
 道が分岐している様に描いてあって、
 最初この道に気付かなかった。
 っていうか気付けなかった。
 それとも、わざとアスファルトを剥がして
 山道っぽくしたんでしょうか?
[2005年4月現在]

最初はよくある廃道になった旧道かと思ったけど、ここはまれに見るとんでも無い所でした。
途中、現道のトンネルに削られてしまうのも変ですが、内部が不思議な状態になっている廃隧道は
さらに極め付きのとんでも無い物件です。
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