【長野県上松町-上松発電所の吊り橋】
長野県上松町を流れる木曽川に架かる、木造吊り橋。
昭和22年竣工の上松発電所の横にあります。名前はわかりません。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 木曽川にある木造吊り橋って、
 桃介物件ですか?
 う〜ん…どうも違うみたいです?
 まあ、取り敢えず行ってみよう。

 関連する周辺図はこちら→■周辺図■

 国道19号線沿いにある
 旅館廃墟の横の細い道を入ると
 問題の吊り橋が見えます。
 クリックで大きい画像が見えますよ。
 右上から左下に延びるケーブルは
 索道です。
 では、下におりてみましょう。
 ちなみに桃介物件とは、
 福沢桃介が造った物のことです。
 
 アスファルトで舗装されてるけど、
 1車線もない狭い道です。
 しかも急坂。
 それにヘアピンカーブ!
 注意看板に「四輪車の通行はできません」
 ってあった。
 2輪車だったらOK?
 いや、このカーブ
 スクーターでもキツそう。
 
 カーブを曲がって
 吊り橋を見ると・・・
 あれ?
 主塔が鉄製だ。
 今気が付いた。
 実は最初の写真撮った時は、
 気が付かなかった。
 コンクリートじゃないんだ。
 
 ここにもあったわ注意看板。
 1度に渡っていいのは三十人までだって。
 こんな所、
 30人もいっぺんに渡ることなんて
 そうそう無いでしょうがね。
 
 ここから見ると、
 対鶴橋村瀬橋にそっくり。
 この地方では、
 こういうスタイルがスタンダードなの?
 
 古いだけあって補修がしてあります。
 無骨な金属パーツが
 ガッチリはまってます。
 ・・・色ぐらい塗れば?
 
 横を見ると上松発電所とダム…
 って言うより堰?
 あら? 手前の石積みのモノって
 なんだか古そうだけど…
 ・・・
 これは上松発電所より古い
 大正時代に造られた物だそうです。
 おおっ これって桃介物件なんだ。
 ★★解説は番組の後半で★★
 
 渡りました。
 向こうに見えるのは変電施設?
 吊り橋を渡るとそこには・・・
 発電所しかないね?
 橋を渡ってもどこにも行けないみたい。
 こんなトコに30人もこないよね。
 

 発電所側からも撮ってみました。
 橋の上の方に索道の塔があります。
 先程の石積みの桃介物件は
 取水堰と魚道だそうで、
 この吊り橋って、
 それを建設するために造った
 橋なんだろうか?
 昭和になって発電所を造る時に、
 主塔を鉄製に造り直したのかも。
 っていうか、再利用?

 
 さて、吊り橋のレポートはお終い。
 最後に索道の写真をどうぞ。
 これも昭和22年の物かと思ったけど、
 新しい物でした。
 こんな物があるのは、
 他にトラックなんかが通れる
 道が無いと言う訳ですね。

[2009年3月現在]

上松発電所のある場所には、大正時代に造られた取水堰があります。
この取水堰は、下流にある桃山発電所に水を送るため、大正10年頃に建設されたものです。
造ったのは大同電力社長の福沢桃介で、トンネルを使って送水しています。
取水堰本体は土石流で破壊され、現在はコンクリで造り直されていますが、
石積みの魚道などは、当時の姿を残しています。
今回の吊り橋も、この取水堰建設の為に造られたのでしょう。

上松発電所は関西電力により昭和18年着工、昭和22年に竣工しました。
戦時中の建設なので、建設資材や労働者の不足で、廃止される発電所から資材の流用をし、
不足する労働力は、中国から強制連行して来た中国人を使ったそうです。
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