【岐阜県中津川市-村瀬橋】
中津川市を流れる落合川に架かる吊り橋「村瀬橋」。
大正15年建設の古い橋で、全長69.06m、木製の補鋼トラスを持つ、堂々たる橋です。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 桃介橋や対鶴橋と同じく、
 福沢桃介が社長を勤める大同電力が造った、
 “桃介物件”です。
 以前から、あるのは知ってたので、
 探し出して見て来ました。

 橋の地図はこちら→■周辺図■

 中津川市の市街地から県道6号線を北に行き、
 木曽川を渡った所を右折し、
 さらに細い県道6号線を東に行くと、
 木曽川に向って下って行く道があります。
 しばらく走って、神社の横を入ると…
 あった、ありました。
 「村瀬橋」です。
 なるほど、「対鶴橋」とソックリだ。
 でも、こちらの方が気軽に来れます。

 ちなみに別窓で少し大きな画像が開きます。
 
 では、渡ってみましょうかね。
 あら? 通行止?
 いや、通れないのは車だけみたい。
 歩行者は大丈夫ですね。
 さすがに大正時代の橋で車は無理なのね。
 でもこの橋って確か改修されたそうだけど…
 実際、木造部分は大丈夫そうに見えます。
 とは言えこの幅じゃ、車は無理か。
 
 ここに注意書きが貼ってありました。
 自動二輪と四輪車は通行禁止とあります。
 振動がまずいそうです。
 クリックで大きい画像が開くので、
 そちらで文字を見てください。
 じゃあ、原付きと自転車はOKなの?
 でも、どちらも「車両」なので、
 「車両通行禁止」とあれば通れません。
 まあ、自転車ぐらいなら構わないんじゃない?。
 
 木製の補鋼トラスはこんな様子です。
 改修された割には、古そうな感じ…
 手持ちの資料で調べてみましょう。

 昭和50年代に改修工事がされたそうです。
 30年ぐらい前ですね。
 あ。資料にはこんな事も書いてある。
 「トラス組の構造的な欠陥」・・・
 欠陥ですか?
 ←どうやらこの木の組み方に
 問題があるみたいです。
 これじゃあ、バイクは無理だよね。
 
 何事も無く渡りきりました。
 ここから左に行くと、
 中央本線の落合川駅があります。
 そこから落合発電所建設工事の資材を
 この橋を使って運んだのです。
 こんなに狭いのに!
 ・・・なんか、鉄骨とか鉄筋とかを
 沢山の人が担いで運んでる姿を
 想像しちゃうのですが・・・
 
 河原に下りて、下からも見てみましょう。
 こんな風です。
 建設された当時の姿を
 そのまま再現したそうです。

 裏側は風雨にさらされないためか、
 きれいに木の色が残ってる。
 
 昔もやっぱり
 こんな風景だった?
 
 反対側もかっこいい。
 この橋には“ウインドステー”と言うのが
 ありませんね。
 「耐風索」とも言われる、
 強風で橋がゆれないようにするための
 橋の左右に張られるケーブルの事です。
 
 
 最初の写真の場所を横からも写 してみました。
 横から橋桁を見ると、
 あんまり頑丈そうに見えないのは
 気のせい?

 ちなみに、左の森の向う側に
 落合ダムがあります。
 この村瀬橋の架かってる場所は、
 さしずめ「落合ダム湖」になるのかしら?
 
 最後に、少し離れた所からの1枚。
 今日は天気も良く、
 まさに“ちょっといい風景”ですね。
 この写真もクリックで
 大きな画像が別窓で開きます。

[2007年6月現在]

「村瀬橋」は、大同電力落合発電所建設の資材を運搬するために架けられた、
橋長69.06mの単径間の木製トラス補鋼吊り橋です。大正15年(1926年)に完成しました。
橋の名前の「村瀬」とは、建設当時の大同電力の常務取締役の村瀬末一から取られたものです。

参考文献:南木曽町教育委員会「桃介橋修復・復元工事報告書」
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