【旧飯田線-十方峡廃トンネル群】
飯田線は豊橋駅から辰野駅まで、都市部と山間部を縫うように走る長大ローカル線です。
そんな飯田線には、軌道の付け替えによって出来た、廃線があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 佐久間ダム建設による廃線以外にも、
 廃トンネルや廃鉄橋が多数存在します。
 中には国道として再利用されていた物もあります。
 しかし、今はそこも廃に・・・
 酷な道のトンネルだったこの場所は、
 どんな状態になってるのか?

 廃線の廃トンネルはここ→■周辺図■

 現在国道418号線は、
 左の新トンネル「十方峡トンネル」を
 通って行きます。
 かつての国道は、3つ並んだ真ん中
 旧十方峡トンネルでした。
 あまりの狭さに、
 信号で交互に車を通さなければならない、
 酷なトンネルでした。
 それも今や旧道。
 いえ、すでに廃道になってますね。
 
 信号は取り外され、
 路面にたまった泥もそのままです。
 お隣には現・飯田線が通ってます。
 お察しの通りこのトンネルは、
 飯田線の古いトンネルを
 国道に流用した物です。
 狭いのも当たり前。
 単線用の幅しかありませんしね。
 あ。今でも単線か…
 
 トンネルの中から見てみると、
 飯田線のトンネルが
 真っ正面にあるのがわかります。
 かつてはあそこに線路が繋がってました。
 用済みのトンネルは泥だらけ。
 ちょっと前まで現役なのが
 信じられないありさまです。
 
 さて、中はどんな様子でしょう?
 コンクリートかと思ったけど、
 モルタル?
 補強のためかもしれません。
 ここは300m以上の長さがあるので、
 先が見えません。
 微妙にカーブしてるのかも?
 

 鉄道のトンネルだけあって、
 途中には待避坑までありました。
 これはなに?
 鉄骨かレールを曲げて
 壁を補強してるみたいです。
 そう言えば、大嵐駅の南側の県道288号線の
 旧飯田線トンネルにも、
 同じ物がありましたねぇ。
 ギーガーのトンネルだ。

 
 やっと抜けました。
 しかし、塞がれてます。
 “A型バリケード”が並んで通せんぼ。
 ここから先の旧道は生きてるようです。
 左側へ行くと広場があり、
 土砂が置いてあります。

 左側の奥の方に見える橋は、
 「羽衣崎橋」です。
 長野県・県道1号線の橋です。
 どうでもいい豆知識。
 

 今来たトンネルはこんな感じ。
 反対側とあまり変わりません。
 こちらにも以前、信号があったのですが、
 取り外されてます。
 どうせなら見たかったな( ̄^ ̄)≡3

 
 あ。 この看板は向こうにもあった。
 ここは30km/h制限だったみたい。
 しかも「トンネル内歩行者に注意」?
 こんな所を歩くのって、
 勇気がいりそう。
 あんなに狭くて真っ暗なトンネルで
 横を車が通るのって
 マジ恐くね?
 おっと… お下品な言葉遣いで失礼。
 
 旧飯田線跡は国道の旧道から分かれて、
 橋を渡ります。
 右の緑のトラス橋は現在の物。
 旧線は左の吊り橋の所です。
 こんな所を通ってたんだ〜…
 そんな訳ないですね。
 この吊り橋は後から架けた物です。
 でも、なぜだか坂になってる。
 本来より高い位置に橋があります。 
 
 取り敢えず渡りましょう。
 やっぱり揺れますね〜。
 足を踏み出すたびに、
 ゆっさゆっさと弾む様に揺れる。
 歩くリズムに合わせて揺れるので、
 ちょっと楽しいかも?
 床板はメッシュのため、
 下の川が丸見え。
 そんなに高くないので恐くないです。
 
 途中で立ち止まって、
 現・飯田線の橋を写そうとしたら、
 揺れているので、手ぶれしそう。
 トラス橋の向こうには、
 国道418号線の新道が見えます。
 
 ここから先は廃線の軌道跡になります。
 さっそくトンネルのお出迎え。
 でも、坑口の形が何か変。
 それと言うのも、
 吊り橋が高い位置にあるので、
 道が坂になっていて、
 トンネルの中まで 坂が続いているからです。
 だから橋側の入口が、
 半分ぐらい埋まってるのです。
 
 トンネルの中には、
 使われていた痕跡が…
 林業関係の仕事で使っていた物?
 なんか、いつか見た水没トンネルみたい。
 
 中からも見てみました。
 トンネルの先にある吊り橋が
 なんとも奇妙な光景。
 鉄道跡だと知ってるので、なおさらです。
 それにトンネルのアーチの上の2箇所が欠けてる。
 上の写真にも欠けてるのがわかります。
 何だろう?
 車がぶつかったの。
 狭いトンネルの天井にはよく
 擦り傷が見られますしね。
 え? 車は吊り橋を渡れないって?
 ごもっとも。
 
 まあともかく、トンネル通 過。
 こちらより向こうのが低いのが
 よくわかります。
 そう言えばここの側にある「平岡ダム」建設のため
 平岡駅〜為栗駅の間の路線が
 変更されたそうだけど、
 そのためでしょうか?
 水位が上がるので、橋も高い位置になってるのは。

 あ! じゃあ他にも廃線跡があるって事?
 またこなくちゃね。
 
 でも今はこの廃線跡のレポートしなくちゃ。

 次のトンネルです。
 雰囲気ありまくりですね。
 自然の音しか聞こえません。
 国道の新道は離れた所にあるので、
 すごい静かです。
 まるで山奥にいるみたい。
 それに、鉄道だった痕跡も見当たりません。
 
 近付いてもいい雰囲気です。
 なんかシカとかいそうな感じ。
 トンネルの上には、
 あまり土が乗って無い感じ。
 切り通しでもよかった?
 
 こちらはちょっと長めのトンネルだった。
 中身はまったく普通だった。
 なので省略。
 かんべんね。
 こっちはすごい斜めになってる。
 山の斜面に合わせるためだろうか。
 路肩に切り株とか落ちてたけど、
 やっぱり林業関係者が使ってる?
 
 トンネルを抜けるとダム湖沿いを通ります。
 なごむ景色です。
 廃線・廃道に居ると言うより、
 どこか外国にでも来たみたい。
 ここは一度来てみるといいでしょう。
 吊り橋が平気ならば…

 景色を楽しみながら歩いていると、
 こんな所に小屋があります。
 しかも車? 軽トラックが停めてある。
 ええっ?? どこから来たの?
 あの吊り橋しか、道が無いのに。
 
 昔の鉄道の橋が、まだあった頃に
 入って来たのだろうか?
 さっきあった、トンネルのアーチの欠けって
 この軽トラックのせいかしらね。
 それにもう1台、草に埋もれてる。
 これはミニバンかワンボックスか。
 どちらにしても、もう
 この廃線跡から出す事は出来ませんがね。
 
 廃線跡は現・飯田線に合流してお終い。
 線路に向って道が付いてるけど、
 角度が微妙。
 本来は、左の薮の所が廃線跡
 みたいな。
 線路が付け替えられても、
 そんなに離れてはいないですね。

[2006年5月現在]

言われなきゃ鉄道の跡とは思えないぐらい、レールや枕木が取り払われています。
やはり廃線後に利用されたりすると、鉄道らしさが無くなるのでしょうか?
1951年(昭和26年)8月1日に、平岡駅から為栗駅までの間が、平岡ダム建設に伴い線路が付け替えられました。
その間にあった「遠山口駅」は廃止されました。
今回の廃線部分で、吊り橋から向こうはダム湖の水際に近すぎるために、廃線になったのでしょう。
まだまだ知られざる廃線跡があるかもしれません。
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