【愛知県・名鉄三河線-“山線”廃線-3】三河広瀬駅〜枝下駅
愛知県の真ん中を南北に横断している名鉄三河線。
豊田市の西中金駅から、吉良町の吉良吉田駅までを結んでいました。
この三河線は、途中の知立駅を境に、北を「山線」南を「海線」と言う事があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 三河広瀬駅は矢作川の傍ら、
 広瀬の町の中にあります。
 町と言ってものどか〜〜な
 ローカルな町です。
 ローカルって言っても、
 あのTOYOTAの豊田市なんですけどね。

 これが現役時代最後の
 三河広瀬駅の姿です。
 なんか、赤字ローカル線の末期って感じ。
 そんなうらぶれた状態ですね。
 木の板も色褪せてボロボロ。
 窓にはブルーのトタン板。
 なんでブルーなんだろう?
 プランターがかえって侘びしさを増してる。
 気分はブルー ってか?

[2004年3月現在]

三河広瀬駅

 今回レポートしてる時期よりも前に
 何度か廃線跡に行ってました。
 これと次の写真は、
 廃止後半年経ってから訪問した時のものです。

 廃止後は柵が作られていて立入禁止です。
 駅名の看板も無くて、
 なにもかも終わってしまった
 ってな感じです。

[2004年9月現在]
 
 駅の東側の踏切りからの写 真です。
 前回のレポートにもこの角度からの
 写真があったけど、
 廃止直後の方が、
 線路脇に竹がいっぱい生えてる。

[2004年9月現在]

 で、これが廃止3年後の姿。
 ああっ。なんかきれいだ。
 すでに廃墟化してるとばかり思ったら、
 予想に反して現役時代よりきれい。
 外の板も塗り直されてます。
 しかも駅名の看板まで復活してます!
 プランターも倍増!
 これはどういうワケ?
 

 窓を覆っていた、ブルーのトタンも外され、
 さらに内側もきれいに掃除されてます。
 どうやらこれらの事は、
 地元の「若花の会」と言う団体の活動でした。
 この三河広瀬駅や矢作川河畔の整備し
 市民の憩いの場を作る活動をしてるそうです。
 ちなみに豊田市の
 「NPOはじめの一歩助成金」獲得団体だそうな。
 つまり地域住民の手で
 今でも駅が生き続けているわけです。
 小さなコミュニティセンターですね。

 
 「五平餅 一本 一五○円」
 ごへいもち ですか。
 1本買わなきゃ( ̄▽ ̄)♪
 って、誰もいないし。
 ここでは色んな地元の物を販売してるみたい。
 残念ながら今日はやってませんでした。
 平日に行った際はぜひ食べてみて下さい。
 

 この三河広瀬駅は現在、
 線路が1本しかありませんが、
 かつてはもう1本線路がありました。
 今でも一部レールが残ってます。
 昔は貨物もあつかってたそうです。
 貨物?
 何を運んでたのだろう?
 陶器を運んでたそうです。
 ここって焼き物の産地でしたっけ?
 昔は窯元とかあったんだろうか。

 
 ホームです。
 片面しかありませんね。
 それにしても、ローカル線だというのに
 長いホームです。
 これも貨物列車が発着してたからでしょう。

 今にも列車が来そうなぐらい
 きれいなホームですね。
 やっぱり「若花の会」の人が
 掃除してるってコトですか。
 でも、白線の外側には小さくて可憐な花が
 一列に咲いてた。

 ホームのはじから写してみると
 長〜〜く見えます。
 カメラのレンズのせいじゃなくて、
 本当にこんなに長いです。
 で、先程の“かつてあった線路”は、
 ホームの右側の空いたスペースに
 通ってました。
 と、言うことは、
 このホームって“島式ホーム”ってやつ?
 
 駅を過ぎてすぐにこんな状態に・・・
 完全に薮に埋没してます。
 まあ、背丈が低いので
 歩くのに支障はないけど。
 え? 左側に道があるって?
 でも、道路なんて使ったら
 廃線探索にならないでしょう?
 だからあえて薮を進むのです。
 ・・・変な人?
 
 もう少し行くと畑でしょうか?
 緩やかな丘に出ました。
 気持ちいい風景です。

 あれ?
 レールが3本ある。
 
 上の写真の線路に板が置いてある所から
 振り返っての1枚。
 隣を通る県道から降りる道が
 手作りっぽくてステキ。
 剥き出しの崖が東海層でステキ(意味不明)
 どうやらこの板って、
 線路沿いに畑を持ってる人が
 勝手に置いたみたいです。
 それに変な看板が・・・
 >畑に入ったら○○万円もらう<
 みたいな事が書いてあった。
 …まあ、看板に書いたからって
 お金を取る事は出来ないんですが。
 
 線路は畑の下をぐる〜りと周り込んでいます。
 まだレールが3本だ。
 この辺りはバラストの砂利の間から
 植物が生えてる。
 これは山菜ですか?
 なんか、食べられそう。
 
 もうそろそろ鉄橋です。
 薮や竹林の向こうに黄と黒の縞々が…
 あの向うに鉄橋があるんだ。
 ここからだと植物に埋もれてるように見える。
 実際はこの先は川なのですが。

 あれ? レールが4本に見える。
 
 気のせいではないですね。
 本当に4本のレールがある。
 内側の2本のレールは一回り小さいレールです。
 鉄道に詳しい人なら簡単にわかるんだろうけど、
 残念ながらそこまで詳しく知らない私では、
 もうコメントが思い付きません。
 ちなみにこの写真は、
 橋の上から猿投駅方向を撮った写真です。
矢作川に架かるプレートガーダ橋

 これが鉄橋、プレートガーダ橋の全景。
 ここから見て、
 橋の左端が上の写真を撮った所です。
 実はこれは廃止1ヶ月前に撮った、
 現役時代のものです。
 現役時代だけど、
 森の中に鉄橋が突っ込んでるように見えますね。
 橋脚に線路の影が落ちていて、
 面白い模様になってる。

[2004年3月現在]

 あんな長い鉄橋は渡れないので
 いったん反対側に来てから
 鉄橋に向って歩きます。
 線路は県道のすぐ横を通っていて、
 簡単に見付かります。

[2007年5月現在]
 
 景色がいきなり茶色になってしまいました。
 これも以前撮った写真です。
 1年と1ヶ月前の様子。
 上の写真と同じ季節なのに
 今年の方が雑草が多いです。
 やっぱ、2007年の冬が暖冬だから?

[2006年4月現在]
 
 トラ柵の向こうまで行ってみました。           ちょっとローアングルで撮影。
 雑草が枕木の間から侵入して来ます。
 今はもっと酷い状態になってることでしょう。
[2006年4月現在]

 お次は、2番目の駅「枝下駅」に向います。
 “しだれ”と読みます。
 えだした ではありません。

思いもよらない「三河広瀬駅」の復活でした。
地元の人達のおかげで、現役時代よりきれいな状態になっていました。
あれで瓦屋根だったら、完璧だった事でしょうが。

ホームに咲く小さく、可憐な花。名前は「マツバウンラン(松葉海蘭)」 といいます。
北アメリカ原産の帰化植物です。 “海蘭”の文字通り、海辺に生える植物です。
それなのに、なぜかこんな内陸部に咲いていました。
「海線」からの列車に、種がくっついて来たのでしょうか?

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