【岐阜県・中津川市-中央本線 旧上鐘山トンネル】廃墟編
中央本線坂下駅から田立駅の間にある古い線路跡。そこの旧トンネル、上鐘山トンネルには
「坂下宇宙線観測所」があります。その現状やいかに?トンネル最奥まで探索して来ました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 ふと思い出した。
 以前見たあの観測所はどうなったろう?
 なんかすごい廃墟っぽかったけど、
 本当に廃墟なんだろうか?
 で、再び行ってみました。
 さあ、鬼が出るか蛇が出るか…

 まずは坑門前から。
 ここへ来るのも3年ぶりです。
 前回は1月で、枯れた景色だったけど、
 今回は5月、緑の景色です。
 暖かくさわやかな季節です。
 見た所、3年前とあまり変わってませんね。
 観測所の看板もそのままです。
 
 前は気付かなかった配電盤です。
 今回はここにも注目。
 …あいてるし…
 扉も開いてて落ち葉が積もってる。
 よく見ると空っぽのボックスもあって、
 電気が来てないような感じ?
 やはりこれは・・・
 では、トンネルに入りましょう。
 
 まだありました
 「ムデンアンテナ」トラック。
 もうボロボロ。
 崩壊寸前。
 ビニールよりも金属の方が脆いのですね。
 あと5〜6年で完全に潰れそう。
 
 途中の廃トンネル部分は省略。
 一気に観測所入口に進みます。
 相変わらず“シーーン…”としてます。
 聞こえるのは水滴の音ぐらい。

 では、ちょっとお邪魔しますよ…
 
 中にはもう1枚の扉がありました。
 こっちも開いてるし…

 取り敢えず、
 手前の部屋から見てみましょう。
 
 制御盤とそこに繋がる何かの機械。
 大量のバッテリー。
 何故か置いてあるプレイステーション。
 (大学生が遊んでた?)
 全てが汚れてます。
 どこにも動いてる機械はありません。
 これで、廃墟だというのが確定ですね。
 この様子じゃ、3年前の時点で
 すでに廃墟だったって訳です。
 
 トンネルの壁をそのまま使ってるので、
 待避坑もこんな所にあります。
 この写真を見ていて、
 何か違和感があったのだけど、
 よく見たら壁がきれい。
 古いトンネルなのに、蒸気機関車の煤が
 付いないのがおかしな感じなんだ。
 ちゃんと掃除したんですね。
 でも、床が煤でドロドロになってた。
 くつ汚れちゃったよ・・・
 
 2枚目の扉の向こうがこの施設のメイン。
 観測機器が置いてある部屋になります。
 扉が上下2枚あって、二層構造になってる。
 まずは下の部屋には・・・
 何も無い??
 じゃあ階段を上がって
 上の部屋を見てみましょう。
 踏み抜かないようにそ〜〜っと歩いて…
 暗闇の向こうをライトで照らしてみると…
 
 なにも無い。
 もぬけの殻!
 プラスチックシンチレーターとやらが
 ずらりと並んでるのを想像してたのに、
 からっぽです。
 成る程…高価な機械だけを回収したのか。
 …そりゃそうだ。
 奥の方は壁で塞がれていて、
 これより向こうには行けないようです。
 
 そう言えば、漏水対策のためか、
 天井のアーチを覆う様に
 プラスチックのなみ板が貼ってあったね。
 最後は階段の上から。
 左側のテーブルの上には、
 光電管のような物が置いてあった。
 これがプラスチックシンチレーター?
 まあなんにせよ、トンネル内廃墟という
 珍しい状態になってるわけですよ。
[2010年5月現在]


太陽系の大規模磁場構造を観測するための施設、坂下宇宙線観測所はすでに廃墟でした。
よく考えたら、昭和52年から「20年以上」観測したって事は、
逆に言えば、20数年しか観測していなかったとも言えます。
平成15年前後に観測が終わり、観測機器を回収して以来、放置状態だったのでしょう。
しかし、なぜ施設を撤去しないのかは不思議なところです。

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