【美浜町-内海トンネル】続編
愛知県にある廃隧道で最も強烈で危険な物件・内海トンネル。
あまりの危険さゆえ、ついに封鎖されてしまいましたが、再び探索して来ました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 2006年に行った時には、
 すでに封鎖されてましたが、
 気になる所があったので、
 2010年の1月にまたまた行って来ました。
 寒かった…(((  ̄▽ ̄;)))

 今回の探索の目的は、
 トンネルから海岸までの道を探す事です。
 なのでレポートは海岸側を走る
 国道247号線からスタートします。
 内海トンネルは、
 中央のへこんでる所のちょっと右側です。

 目の前の広場の薮は無いけど、
 山には木がびっしり生えていて
 これ… 入れるの?

 
 密生してる木の隙き間から入ってみました。
 びっしりと木が生えていて
 歩るく事も出来ない…って思ってたけど、
 以外にもスカスカな状態だった。
 で、肝心の道はどこ?
 あ! これは何?
 こんな所に文明の痕跡が・・・
 建物の跡だろうか?
 それとも道の跡?
 なんにしても、何かの施設があったようだ。
 

 “石垣”の他には何もなかったので、
 取り敢えずトンネルに向かいます。
 さて、問題のトンネルへの道はいずこ?
 完全に森になっていて、
 道なんてどこにも・・・
 あ。なんとなく道のような場所を発見。
 でも、道って言うか、
 踏み跡のような感じです。
 とにかくそこを行ってみましょう。

 
 いやまあ、ゼッタイ道じゃないよね?
 ってくらいの急斜面を
 よじ登って来ました。
 木が少なくて登りやすそうに見えるけど、
 掴まる所が無くて逆に大変です。
 どうもショートカットしてるみたいだけど、
 ここら辺しか通るとこがありません。
 20mぐらい上がって来たところで
 平になってる場所を発見。
 これはもしや・・・
 
 
 ようやく見付けた。
 
トンネルに繋がる道の跡です。
 こんな誰も来なさそうな場所なのに、
 なぜかゴミが落ちてます。
 白い発泡スチロールの箱だけど、
 これって魚を入れるやつですかね?
 不法投棄にしては変な物だ。
 さて、周りを見回しても
 道や階段の跡はありません。
 
 まあ、とにかく
 内海トンネルに行ってみましょう。
 記憶を頼りに左の方に歩くと・・・
 あ! あった。
 
 相変わらず土砂を吐き出してます。
 崩れて塞がってるかと心配したけど、
 まだ大丈夫のようです。

 そうだ、以前は金属のネットのおかげで
 中の撮影が出来なかったので、
 この機会に一眼デジで撮っちゃいましょう。
 
 シルトの土砂をよじ上って
 中を覗き込むと
 まだ入れる隙き間がありました。
 真ん中の小さな光が
 旧道側の坑口です。
 では、頭上に注意して入ります。
 ゴツンとやったら
 ドサッと崩れて来そうです。
 右側を見ると天井に穴が開いてて
 外が見えますしね。・・・おおコワ
 
 で、振り返ってみるとこの有様。
 坑口の位置から考えても、
 今居る所って
 本来はトンネルの外の土の中ですよ。
 いやもう、どこが壁なのか天井なのか…
 すっかり変形してます。
 崩落が怖いので、
 ゆっくり歩きます。そ〜っと…ね。
 
 床に積もった土砂を滑り降りて
 トンネル内部に降り立ちました。
 有り得ない広さですね。
 これ全部崩れたんですよ。
 おっと、写真が斜めだ。
 じゃなくて、天井が斜めなんです。
 この山の地層が斜めになっていて、
 はがれるように崩れたため、
 こんなになってるのです。
 
 さっき入って来た坑口の方を見ると
 もう見えません。
 崩れた土砂に隠されてしまってます。
 まるで閉塞してるみたい。
 真っ暗でけっこう不気味。
 これじゃ心霊スポットなんて言われるのも
 しかたないかも。
 
 外を見ると目の前に国道の旧道が見えます。
 無論その間には金属のネットが・・・
 入って来た坑口が塞がったら
 閉じ込められてしまいますね。
 ・・・おおコワ。
 
 海岸までの道は発見できなかったけど、
 トンネルの中の写真が撮れたので
 まあ、よしとしましょう。
 さっきはトンネルの右から来たけど、
 さらにトンネルの左側はどうなってるの?
 で、行ってみた。
 こちらにも道の跡のような場所があったが、
 やっぱり途中で途切れてた…
 もしかして、道なんて最初から無かった?

[2010年1月現在]

今回は海岸側から接近してみた訳ですが、相変わらずの状態でした。
山の斜面には道らしきものは無く、ここには最初から道など無かったのかもしれません。
とあるブログで、内海トンネルは開通する前に 工事を中断したらしい…
 という記事を見付けました。それが真実かどうかの確認は取れてないのですが、
未完成だとすると、内部をコンクリートなどで巻いて補強していないのも、
海岸に下りるための道がないのも納得がいきます。
ではなぜ、トンネル建設が中止になったのでしょう?
内海では明治末期から海水浴場がありましたが、あまり注目されていなかったそうです。
そこで内海より北にある、お吉ヶ浜海岸を海水浴場として開発するべく
国道(現在の旧道)から海岸に行く為のトンネルが計画されたのでしょう。
このお吉ヶ浜海岸の南側と北側は、山が海岸までせり出していて、
簡単には通行出来なかったため、トンネルを造ろうとしたと考えられます。
それが、昭和6年に海岸側を通る県道(現在の国道247号線)が出来たため、
逆に山の上からアクセスしなければならないトンネルの方が不便になり、
建設が途中で中止されたものと思われます。


現在のお吉ヶ浜海岸。これは南の方向を見ています。
山が海岸の近くまで迫っている様子が分かります。

内海トンネルの正体が分かりました。…解決編
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