【長野県・松本市-上沢橋】
長野県松本市の梓川に架かる家の向橋。その向こうに廃吊り橋があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 稲核ダムと水殿ダムの間に架かる
 「家の向橋」からも見えていた短い吊り橋。
 遠目にも怪しい状態なのが見て取れます。
 家の向橋に行ったついでに
 この橋も見て来ました!

 レポートはまず、
 家の向橋の上から始めましょう。
 130mもの橋を渡って来て
 対岸に着きました。
 渡った先にある道を右に行けば稲核ダム、
 左に行けば、今回の廃吊り橋に行けます。
 見ての通り、両方とも薮に埋もれてます。
 
 まあ、道はあるんだし、
 なんとかなるでしょ。
 画面の真ん中に道があるけど、
 写真じゃよく分かりませんね。

 この段階ですでに廃道状態ですが…
 大丈夫なんでしょうか?
 
 大丈夫じゃなかった。
 道が土砂に埋められてます。
 どう見ても、ただの斜面です。
 その斜面にトタン板が落ちてますが、
 そこが道です。
 気を付けないと滑って滑落します。
 斜面には木が生えてるので
 危険性は少ないみたいですが、
 ちょっと緊張する場面です。
 

 ちょっと危険な斜面を越えると
 問題の廃吊り橋
 「上沢橋」があります。
 主塔が無い橋ですね。
 もちろん銘板の類いも無いのですが、
 なぜ橋の名前が分かるかと言えば、
 家の向橋を造った会社のサイトに
 この橋の名前が載ってました。
 梓川の支流・上沢に架かってるので、
 「上沢橋」なのでしょう。

 
 なんという怪しい景色でしょう。
 板がボロボロで、補修だらけです。
 橋桁の真ん中に、板が縦に並んでますが
 ここを歩けと言う事なんでしょう。
 梓川に架かる吊り橋では、
 これが一番酷い状態ですよ。
 

 それでも補修されてるおかげで
 なんとか渡れます。
 今来た方向を振り返って撮影。
 主塔がありませんねぇ。
 こんなスタイルでも、
 あんがい揺れが少ないです。

 
 揺れても、下の川まで低いので
 そんなに恐くありません。
 落ちりゃあイタイですが・・・
 この川が上沢です。
 「うえさわ」かと思ったら、
 「うわざわ」だそうです。
 地形図にそう書いてあった。
 

 渡った先は、いきなり岩だけど、
 左側に道が続いてるようです。
 これは「中山橋」と同じですね。
 ここから先が危険な箇所なワケです。
 床板の上も、足を下ろす所を間違うと
 踏み抜いてしまいそうで危険です。
 だから縦に置かれた板の上を
 そろりと歩こう。

 
 こっちは崖に近いからなのか、
 酷い事になってます。
 ケーブルを繋いでるポールが
 岩に直撃されてます。
 それに、大量の木屑が積もってます。
 なんだか廃墟のようだ。
 
 アンカレージはと言うと、
 岩の間にはまって…
 って言うか、岩に同化してます。
 こういうのって、
 岩盤に直接アンカーを打ち込む
 グラウンドアンカーなんだろうか?
 地形の改変を最小限にとどめるとかで
 環境に配慮してるとか?
 確かに、自然に優しそうであります。
 
 まあ、自然の方は
 橋に優しく無いみたいですが…
 頑丈そうなポールが傾いてるなんて、
 どれだけの衝撃があったんだろうか?
 さて、下からも見てみたいけど
 どうやって行こうかしら?
 ちょっと降りれそうにないよ。
 
 でも、なんとか橋の下に行けました。
 ここでも鉄骨を×に組んで
 トラス構造になってます。
 これならまあ、安心して渡れますね。
 それと、橋桁が傾いてるように見えますが、
 傾いてるのはカメラの方です。
 
 最後に、危険な巡視路を見てみましょう。
 画面右下の土の部分が巡視路です。
 そこから左下に向かって
 細く危険な道が延びてます。
 とてもじゃないけど歩けません。
 足を滑らせたら、
 下の上沢まで落ちてしまいます。
 行く用事がナイので、行かないけど。
 

 廃道探索みたいで、
 なかなかに面白かったです。
 上沢橋の上からは、
 家の向橋がよく見えます。
 ここに来なければ見る事の出来ない
 お宝映像ですよ!
  大したお宝じゃありませんが…

[2012年6月現在]


この橋には、国道から細い道を入って行くのですが、
その途中、ダム湖が見渡せる場所から見る事が出来ます。
木々に囲まれたその姿は、到達不可能な秘境の橋のようであります。

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