【岐阜県・白川郷-せせらぎ橋】隧道編
前回は、合掌造り集落で有名な白川郷に架かる廃吊り橋をレポートしましたが、
せせらぎ駐車場から橋までの間に隧道が存在する事が分かり・・・
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 そう。まさかの隧道ですよ。
 じゃあすぐに探しに行かなきゃ
 しかし、雪が積もって行けずじまい。
 4月になり、ようやく雪も消えたので、
 再び探索に行って来ました。
 そこには、予想を超える光景が・・・

 4月は桜の季節です。
 岐阜県の南側では見頃が過ぎてますが、
 北上するにつれて、
 満開〜咲き始め〜つぼみと、
 桜前線を巻き戻して来ました。
 渋滞も無く白川郷に到着。
 せせらぎ駐車場の北側にあるダートを歩くと
 怪しい道が・・・
 
 雪解け直後なので、
 いい具合に雑草がつぶれてます。
 おかげで歩き易い。
 ロードマップには通行止めとあったので
 フェンスでもあるかと思えば…
 なんですかこれ?
 扉だけ。
 まあ、この時期以外は雑草で覆われていて
 簡単には近付けないだろうから
 これでもいいのかも?
 
 ロードマップによると、
 山の斜面に隧道が口を開けているように
 描かれてましたが、
 実際にはロックシェードがあった。
 どうやらマップには、
 間違って描いてあったみたい。
 
 これがけっこう華奢なシェードです。
 この屋根の上に落石が乗ってたけど、
 取り敢えず大丈夫みたい。
 いや、隙き間から
 石がなだれ込んでるよ。
 あ… あぶないなぁ…
 

 隧道の前にこんな物があった。
 「白川郷の民謡」
 この隧道って
 観光客が通ってたのかな?
 汚れちゃって歌詞が見えませんが、
 いちばん右のタイトルは
 「こだいじん」とあります。
 「古大神」と書くそうです。

 

 隧道は岩に直接開いてます。
 素堀りです。
 って、石が落ちてきてる?
 いや、崩れてる?
 下も落石で埋まってるし、
 これ大丈夫なもんなの?
 まさに「第一関門」。
 目の前の石をつついてみたけど
 落ちなさそうなので
 下からすり抜けてみました。

 
 落石の山を滑り落ちるように
 隧道の中に入りました。
 振り返ってみると
 さっきの石はネットにくっついてた。
 これは落石避けネットですね。
 隧道内部をビッシリ覆ってる。
 照明も下がってますよ。
 やはり観光客用?
 
 隧道の中にパイプがあるけど、
 これは例の吊り橋の上を通ってる
 パイプに繋がってるのですね。
 おや、もう外に出るの?
 
 隧道は短くてもうお終いですが、
 すぐに次の隧道があります。
 その間にもロックシェードが…
 あるけど、盛大に土砂が積もってる。
 
 また短い隧道を抜けると、
 ロックシェードです。
 パイプに何かの装置が付いてる。
 ここは下にパネルが張ってあって、
 さっきほど土砂は入ってきてない。
 土砂の代わりに
 落ち葉が大量に積もってました。
 
 お次は、さっきよりも長い
 ロックシェードです。
 下の土砂は、
 左側の崖が崩れたみたいです。
 人が通らなくなって
 そうとう放置されてるっぽいです。

 ロックシェードの屋根が凄い斜めですが、
 落石を受け止めるより
 受け流す方向のようです。
 その方がダメージが少ないからですね。
 
 ロードマップには、
 一本の隧道として描いてあったけど、
 隧道とロックシェードの繰り返しです。
 これって、崖から近い所に
 隧道を掘ってるわけですよ。
 おかげでライトなしでも歩けます。
 
 あれから2ヵ所のロックシェードを
 くぐったので、
 ロックシェードは5ヵ所でした。
 これが最後のロックシェード。
 ここは三角屋根だ。
 そして前方には・・・
 

 廃吊り橋・せせらぎ橋が。
 こんなに近くに出ました。
 思った通り、
 こちら側には
 
通行止めフェンスがありませんね。
 まあ、大抵の人は
 あの「第一関門」を通れないので、
 必要無いわけですが…

 
 雑草まみれのフェンスが無いので、
 橋の様子がよ〜〜く見えます。
 対岸は白川郷の合掌造り集落です。

 前回はこちら【白川郷-せせらぎ橋
 
 隧道の出口は
 やっぱり影になってました。
 ここも考えてたのと違う形でした。
 コンクリートのポータルが
 あると思ってたのに、
 実物はもっと面白いカッコウだった。
 岩場に屋根が乗っかってるだけ。
 すんごい手作り感満点です。
 
 さて、橋はと言うと…
 穴あいちゃってます。
 でも、このくらいは大丈夫。
 ちょっと渡ってみましょう。
 床板は怪しい状態なので、
 慎重に歩きます。
 それでも板が割れそうです。
 
 真ん中あたりまで来ました。
 ここにも何かの装置が。
 対岸まで行けるけど、
 世界的に有名な観光地にして
 世界遺産なので
 ここまでとします。
 背景の山には、まだ雪が残ってます。
 
 橋の上から今来た方を見ると
 こんな感じです。
 雑草が枯れていて隧道がよく見えます。
 それにしても、見るからに落石地帯。
 こんな所を観光客が
 通っていたらしいのは驚きだ。
 
 これにて隧道探索は終了。
 でも、隧道の先、
 上の写真の橋の右側の方にも
 道が続いてます。
 何気に見に行ってみたら・・・
 もういっこ隧道発見!
 まじっすか?
 
 岩の割れ目みたいだけど、
 ちゃんと貫通してる。
 何か崩れそう…
 いや、もう崩れてるけど、
 行ってみましょう。
 中は問題なく通れましたが、
 出る時に木に引っ掛かって、
 無理に突っ切ったら
 上から石が落ちて来た。
 
 その先は・・・
 細い道が続いてたよ!
 これ、どこに行くの?
 道の上は小さな木が沢山生えてます。
 夏は通れないでしょうね。
 いや、今でも無理そうだけど。
 道の行く先が気になる所ですが、
 それはテーマから外れるので、
 本日の探索はここまで。
 
 では撤収します。
 さっきの道は、古い遊歩道なんだろうか?
 反対側から見ると、
 表情が違います。
 こっちの方が
 岩が安定してるように見える。
 
 帰る前に隧道群を
 外から見てみましょう。
 崖の途中に穴が開いてるように見える。
 黒くなってる所が
 ロックシェードのある部分です。
 去年の秋に写した写真では
 植物に隠れて見えませんでした。
 冬にしか見る事の出来ない景色なのです。

[2014年4月現在]


駐車場からせせらぎ橋に至る隧道は、良い意味で予想を全て裏切られました。
このあたりは、花崗岩などで出来ており、崖の崩落の原因となっています。
今回の隧道も、崩れ易い崖を避ける為のものだったのでしょう。
崖の凹んでいる部分がロックシェードになっていて、
国道156号線旧道の平瀬隧道と似たような構造になっています。

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