【岐阜県・県道58号線-袋坂峠旧道】前編
岐阜県金山町と七宗町にある袋坂峠。江戸時代までは飛騨街道と呼ばれていた道ですが、
明治10年9月に県道2等として新たに等級づけがなされました。
その後の大正9年には県道認定第1号となり、袋坂峠はその県道1号線の南の要衝として栄えました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 現道は、2つのトンネルで難無く通っています。
 
おかげで、あまり印象に残らない道です。
 しかし、ひとたび旧道に入ってみれば、
 そこは旧街道の面影を残す
 歴史の道です。
 周辺図を見るとよくわかります。

 別窓で開くよ→■周辺図■

 まずは現道の、
 杉トンネルと袋坂トンネルを通って
 金山町側の分岐点に来ました。
 一見、何でも無い風景ですが、
 ここを右折して間もなく
 かつての街道の難所がその姿をあらわします。

 この辺の雰囲気に安心して、
 うかつに旧道に入ると、
 後悔するかも?です。
 
 路傍の草が道幅を狭めています。
 一瞬、道幅が半分になったみたいです。
 こんな草の生え方は、
 車の通行が少ない証拠です。
 この付近は、畑でもあったのでしょうか?
 何となく生活感て言うか、
 人の手が入っている感じがします。
 この峠道には茶屋が3軒あったといいますが、
 案外こんな所にあったのかも。
 
 段々と路面が怪しくなって来ました。
 旧道にお約束な、苔が生えています。
 ゴミの不法投棄禁止を呼び掛ける
 看板がありますが、
 むしろ、自然に散った枯葉の方が
 道路を汚していますね。

 いや、汚すって言うより埋め尽くす?
 枯葉で埋め尽くして、道路を元の自然に
 還そうとするみたいです。
 自然の自己修復能力ってところでしょうか?
 

 このカーブを曲がると、
 いよいよ袋坂峠に着きます。
 カーブミラーが雰囲気を盛り上げます。
 数年前までは、倒木が道を塞いでいて
 通行不能だった時期もありました。
 はたして、現在はどんな姿をしているのか?

 

 月並みな表現かもしれませんが、
 昔にタイムスリップみたいです。
 竹や杉の木が頭上を覆っています。
 さっきまでとは、空気感が違います。
 21世紀の今日まで残っていたのが
 奇跡に思えます。
 (っておおげさ?)
 枯葉が路面に積もっていますが、
 くっきりと2本、車の轍があります。
 倒木も片付けられているし、
 ちゃんと管理されているようです。

 
 峠は切り通しで越えています。
 けっこうな高さがありますね。
 斜面からも木が生えていて、
 峠の歴史が実感できます。

 それにしても、高〜い。
 見上げる程ですね。
 

 石垣を間近で見てみました。
 いい具合に苔むしてます。
 この石垣は何だか、すごい古そうですが、
 昭和の始めぐらいに造られた物だそうな。
 しばし見とれてしまいます。

 
 峠にある町名表示の看板2種。
 七宗町の物は、この峠にふさわしく
 汚れ放題です。
 それに比べて、金山町の物は
 つい最近立て替えられたのでしょうか?
 新品同様でさわやかなデザインです。
 でもこの峠に似つかわしく無いってゆうか
 ある意味場違い?

 今や通る人も少ない旧道の峠ですが、
 人々の記憶から消える事なく、
 今でも大事にされているのでしょう。
 

 七宗町側に出ました。
 警戒標識があっち向いてます。
 いくら車が通らないからって、
 仕事放棄はよくないです。
 この先さらに、険道の度合いを増してきます。


最初は表舞台から消えた道という印象でしたが、実際に走ってみると、
今でも、地元の人々に大切にされている様子が伺えました。
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