【長野県・木曽森林鉄道-柿其線】前編
木曽の森林鉄道。正式には、野尻森林鉄道柿其(かきぞれ)線というそうです。
読書ダムの横を通っていますが、これもダム建設のおかげで造られた物でしょうか?
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 木曽森林鉄道は
 路線がありすぎて全部は大変です。
 まずは「柿其線」のレポートをどうぞ。
 それに「この先はどうなってるの?」
 って言いたくなるレポートですが、
 作者がへたれなのでしょうがないのよ〜〜。
 それと地図を見ないと
 場所がよくわからないかも? →■周辺図■

 このレポートは読書ダムからスタートです。
 でも、柿其線の始まりはここではありません。
 中途半端さはこのサイトの仕様です( ̄ω ̄)
 さて、森林鉄道は壁ぎわのここを
 通っていたと思われます。
 なんか緩い通行止ですが、
 この道路自体本来は
 関係者以外立入禁止な場所なわけです。
 この左側には大きなコンクリートの
 ダム本体がどーんとあります。
 さっそく探索開始です。
【1】読書ダム側から

 少し歩くと
 いかにも森林鉄道が通っていたって
 風景になって来ました。
 まさに“廃鉄”って感じ。
 正面の丸い看板には、
 かわいいリスの絵が描いてあって
 山火事の注意を呼び掛けていた。
 まあ、この辺は楽勝に歩けますね。

 でも、それも・・・
 
 楽勝すぐに終了。
 路盤の跡が無くなっています。
 4mあまりの間がごそっと崩れています。
 しかも下は…
 けっこうな高さがあります。
 いや、けっこうどころじゃ無いよ。
 ここはダムの下流側なので、
 下の木曽川までは、ダムの高さそのままです。
 コンクリートの板のような物が
 橋みたいに架かってるけど、
 渡るのは無理。
 渡れてもすぐ土の斜面で、突破できません。
 
 探索開始数分にして終了です。
 目の前には最初のトンネルがあるのに…
 無念の敗退です。
 せめて写真でも撮っておこう( ̄Д ̄)=3

 し…しかし、こんな難関を突破した人が!
 なんと、山側から崖を登って、
 崩落した路盤を突破したのです。
 “高巻き”って方法ですね。
 すごいなぁ・・・

 いつかチャレンジしてみようかな?
【2】十二兼の吊り橋を北側へ

 さて、どうしたものかと考えてたら
 森林鉄道跡に行けそうな道を発見。
 十二兼駅のそばにある吊り橋を渡ればよさそう。
 ちょっと危なそうな橋を渡り、
 山の中に入って来ると・・・
 ありました。森林鉄道跡。
 切り通しと少し広い場所と
 何かの廃墟がありました。
 これは駅の跡なんでしょうか?

 
 これなんか駅舎っぽいよね?
 何か手掛かりがないかと探してみたけど、
 駅だった事を証明するような物は
 何もありませんでした。
 わけのわからないゴミばっかだった。
 でも、見事に潰れてますね。
 廃墟と言うより瓦礫ですね。
 これ自体大きなゴミですね。
 ここの下の方にも、
 建物の土台が沢山あったので、
 やはり森林鉄道関係の施設があったのは
 間違い無いように思います。
 

 まずは北に向います。
 読書ダムの例の崩落した所に
 反対側からアタックするわけです。
 上の崩れた建物がある所から
 しばらくは林のような植林された場所を通り、
 こんな切り通しのある所に出ました。

 いいねぇ〜〜(´▽`)
 この雰囲気。

 
 切り通しの石垣が
 雰囲気満点。
 途中に小さな水路もあります。
 水が流れていて
 今でもちゃんと機能を果たしてます。
 すごいことに路盤が
 落ち葉に埋もれてます。
 
 むろん、どっかりと崩れています。
 切り通しの中は完全に土砂に埋まっていて、
 乗り越えて行かなければなりません。
 さいわい大した事ないので
 簡単に越えて行けます。
 
 見たことろ、乾燥してそうな場所だけど、
 いやいやどーして、
 積もった落ち葉の下は
 湿地のようになっていて、
 どろどろのぐちゃぐちゃですよ。
 まいったね(≧▽≦)

 しょうがないので
 壁ぎわの濡れてない所を歩きます。
 
 ここは橋があった跡です。
 橋桁はすでに無く、
 橋台も壊れています。
 ここは谷川なのでしょうか?
 大きな岩がたくさん転がってます。
 現役時代は土石流の発生する
 危険地帯のひとつだったのでしょう。
 右側は木曽川に向って急斜面になってます。
 橋が無くなっても
 ここなら楽に通れます。
 
 こういう木って
 意図的に植えたものなの?
 
 土砂だけじゃなく、
 こんな大きな岩も落ちてます。

 こんな程度の荒れ具合なら、
 読書ダムまで楽に行けるかも?
 
 ・・・なんて考えてたら、
 だんだん薮が酷くなってきて、
 ついには廃線跡が
 笹薮に埋もれてしまい・・・
 先が見えません。
 通れる場所は無いかと
 しゃがんでみたけど、
 もう…びっしりと lllll( ̄△ ̄) lllll
 …動けません。
 残念ながらここで撤収。
【3】十二兼の吊り橋を南側へ

 さて、今度は「何かの廃墟」から
 南に行ってみます。
 少し歩くといきなり谷が…!
 でも大丈夫。
 ここも簡単に越せます。
 写真はその谷の対岸を写したものです。
 こちら側には橋台が残ってました。
 
 このような切り通しもあります。
 森林鉄道ならではの景色ですね。
 
 そしてお約束の崩落。
 (いや、誰も約束してないけど)
 崩れてから何年たってるのか、
 すっかり風景になじんでます。
 でも大丈夫。
 まだまだ大丈夫。
 
 いや、大丈夫じゃなくなった。
 “大丈夫”終了。

 また橋の跡がありましたが、
 今度は様子が違います。
 橋台はけっこう立派な作りです。
 近付いて下を覗き込んでみたら…

 高っ!
 
 その高さがどんなものかと言えば、
 対岸の橋台を見ればよくわかります。
 7〜8mぐらいありそう。
 しかも谷底はさらに下にある。
 う〜〜〜〜〜ん・・・ 無理。
 何とか先に進めないかと
 ルートを探してみたけど、
 私には無理です(≧Д≦)
 少なくとも今の装備ではムリ。
 しょうがないので、
 もっと南の方からチャレンジです。
【4】柿其水路橋の西側から

 上の場所から、ずーっと南下して来ました。
 ここは読書ダムから読書発電所に水を送る
 水路にある「柿其水路橋」の西側の、
 集落の外れにある営林署関係の建物のそばです。
 目の前には森林鉄道の橋脚が見えます。
 ここには“停車場”があったそうです。
 さて、それでは森林鉄道跡に行ってみよう。
 この写真からすると、
 左側に続いてる方に行く事になりますね。
 ちなみに停車場跡は写真には写っていません。
 
 適当な道を歩いて来たので、
 途中、薮を突っ切らねばならなかった。
 水路橋を過ぎて、
 森の中に続く廃線跡を辿って来ました。
 落石とかで荒れてるけど、
 だいたい予想通り。
 この先には、
 水路橋からも見えるトンネルがあります。
 はたから見ると接近すら無理に思えるけど、
 ここからなら行けるかもです。
 
 木が少なくなってきて、
 周りの景色がよく見えるようになってきた。
 対岸の道も見えます。
 でも、落石もさらに酷くなってきた。

 ・・・ちょっとヤバイ雰囲気よね?

 かなり土砂に埋もれた所も突破して、
 さあ、いよいよトンネルだぁ〜
 って思ったら・・・
 
 
 ついに道が… っていうか路盤が
 完全に埋まってしまいました。
 もう、ただの斜面になってます。
 山側の崖がごそっと崩れたみたいです。
 岩がたくさん混じっていて、
 なんだか簡単に崩れそうです。
 無理に乗って崩れでもしたら、
 下の川に、何十メートルも落下しますよ!
 せめてトンネルの姿だけでも見ようと
 崖のぎりぎりの所から覗き込んだけど、
 見えなかった・・・ これにて終了。
 そんな訳にいかないので、後編に続く。
[2007年3月現在]

崖崩れや薮などに阻まれて、廃線跡を辿る事が困難な場所です。
木曽森林鉄道の跡は、どこも自然に帰っている所が多いのですが、
この「柿其線」はその中でも、探索困難な危険な場所が多いみたいです。
後編では新しい装備を使い、何とか水路橋近くのトンネルに接近をこころみます。

それと柿其水路橋では、ニホンザルの群れと遭遇しています。
廃線跡を戻って来る途中、目の前に十数匹の猿が居ました。
猿は人間の姿を見れば逃げていくので危険は無いのですが、問題は熊も居るという事です。
木曽の山には確実に熊が生息しているので、熊避けの対策は忘れないでください。
道ネタ「鉄道」TOPへ… 木曽森林鉄道後編へ…