【長野県・木曽森林鉄道-柿其線】後編
木曽の森林鉄道。正式には、野尻森林鉄道柿其(かきぞれ)線というそうです。
読書ダムの横を通っていますが、これもダム建設のおかげで造られた物でしょうか?
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 なにもかもが、
 あとちょっと…の、前編はいかがでした?
 さすがに、あんなレポートじゃ
 納得できないので、
 ちゃんとトンネルを見て来た
 レポートをどうぞ(≧▽≦)
 やっぱり地図を見ないと
 場所がよくわからないので →■周辺図■

 今度は柿其水路橋の東側にある
 神社の横の道を北に入って行きます。
 橋を渡った先には採石場への入口があって、
 ちょっとした広場になってます。
 その西側の山の斜面を登ると
 森林鉄道跡に行けます。
 でも、この斜面がくせものなんです。
 柔らかい土の斜面で、
 手掛かりになる木も少なくて登れません。
 で、新たな装備の出番です。
 靴に「アイゼン」を付けて登ってみました。
 本来は雪道や氷壁で使う物ですが、
 うそのように楽に登っていけます♪
 そして待望のトンネルに到着( ̄▽ ̄)
【5】採石場入口側から西へ

 これが森林鉄道のトンネルです。
 石造りです。
 森林鉄道なだけあって小さいです。
 “遺構”と言うのがふさわしい、
 おもむきのある姿ですね。

 ネットで調べたところによると、
 このトンネルは読書ダムから数えて、
 6番目のトンネルだそうです。
 
 中は石とコンクリート。
 短いトンネルなので、
 中はけっこう明るいです。
 この写真はフラッシュ無しで撮ったので、
 明るく加工してあるけど、
 だいたいこんな感じ。
 
 外に出ました。
 ここが柿其水路橋から見えていた
 トンネルの出口です。
 とうとうやって来ました。
 崩れてますねぇ。
 でも、あと20〜30年ぐらいは持ちそう。

 それでは、前編最後に
 撤収した場所まで行ってみましょう。
 

 ちょっと進んで、トンネルを見てみると、
 植物に埋もれてるように見えますね。
 しかも大きな落石が・・・

 
 ここかな?
 土砂で線路の跡が埋まってます。
 向う側の景色からすると、
 ここが前回探索を断念したポイントです。
 ・・・なんか、こっちからだと
 行けそうなんですが?
 そんなに大した事なさそう。
 勢いで突破してしまえるかもです。
 それだけ向う側はキビシイって訳ですね。
 ここは目的を果たしたので、
 引き返してトンネルの北側に行きましょう。
【6】採石場入口側から北へ

 なんか、おなじみになった景色です。
 石積みの法面が続いてます。
 落ち葉もいっぱいです。
 この山の斜面にも落ち葉が大量に積もっていて
 下から登って来る時、
 ずるずる滑る原因になってます。
 遠目には楽に上がれる斜面に見えても
 実は大変手間の掛かる場所なのです。

 
 それと、植林された路盤跡。
 ここなんか歩きやすいけど、
 切り株がたくさん捨ててある所もあった。
 どうやら、今でも人が入ってるみたいです。
 営林署の人だろうか?

 ・・・営林署の人は
 どこからここに来るのか?
 ささやかな疑問ですね。
 
 なんて、まったり歩いてたら
 前方にはかつて無い落石が…!
 これはでかい。
 ミニバン1台分ぐらいありそう。
 いやいや、トラックぐらい?
 …どうしよう?
 新装備を使えば山側から越えて行けるけど、
 もうこの先には、トンネルとか無さそうだし、
 ここで終了としますか。

[2007年3月現在]
5月に再訪問

 だけど例の巨大落石の先に、
 トンネルが2ケ所ある事が判明。
 え〜〜〜っ(´Д`)そりゃないよ。
 もう一回行かなきゃダメ?
 と、言う訳で、またまた行ってきました。
 すぐには行けなかったので、
 2ヶ月後の5月になりました。
 ―って、景色が“ミドリ”だぁ。
 ちょっと前まで枯れた景色だったのに、
 この変わりよう。
 まあ、2ヶ月も経ってるし、
 暖冬だったし、しょうがないですね。
 
 それにこの季節になれば、
 クマにも注意しなければなりません。
 チリンチリ〜ンと鈴を鳴らして行きます。

 あ。トンネルだ。
 って、違います。
 これは斜面の下にある排水管ですね。
 これも森林鉄道時代の遺構だろうか?
 
 しばらく歩くと、
 あった、ありました、トンネル。
 これは5番目のトンネルになりますね。
 横を見ると、広場があって
 トラックとかが停まっていた。
 どうやらここが採石場のようです。
 川砂でも採ってるんでしょうか?
 
 中は真っ暗です。
 途中でカーブしてるのか、
 向う側は見えません。
 しかも、トンネルの中には
 木切れだとか木の板が捨ててある。
 
 トンネルの中も外も石造りです。
 6番目のトンネルと違って、
 総石造りですね。
 ・・・よく見るとこのトンネル、
 なんか歪んでませんか?
 微妙に左に曲がってるような・・・

 あ。下に石が落ちてる。
 
 抜けてるし…!
 下に落ちてた石って、
 ここから外れた物だったんだ。
 ちょうど8個分抜けてます。
 しかも、周りの石もヤバイです!
 ずれて隙間が開いて、
 今にも崩れそうだ。
 あと何年かすれば、確実に閉塞しますね。
 穴の中を覗いてみたら、
 土が見えた。
 
 と、言う訳なので
 さっさと通り抜けてしまいましょう。
 他の部分はなんともなってないようです。
 鉄道のトンネルらしく
 壁に碍子がくっついてます。
 
 おおっと、
 次のトンネルがすぐそこにィ(≧▽≦)
 これは絵になる景色です。
 落石も演出に一役かってる。

 これは4番目のトンネルですね。
 
 トンネルを抜けて、
 5番トンネルをもう一度撮ってみた。
 真四角ですね。
 
 さらに4番トンネルに
 入ってみましょう。
 短いのでこれだかしかありません。
 どこもトンネルの中はきれいなもんです。
 人がゴミや土砂を捨てない限り、
 荒れる事はないのでしょう。
 
 こっちも真四角ですね。
 トンネルって、山の斜面に合わせて
 壁を斜めにカットするもんだと思ってたけど、
 違うのかな?
 それと、写真にはちらっとしか写ってないけど、
 左側の斜面には、
 大きな岩が今にも落ちそうになってます。
 トンネルの前には土砂崩れがあるし、
 本当に崖崩れ地帯なんですね。
 
 4番トンネルの先も崖崩れ。
 完全に路盤跡が埋まってます。
 もう、どこが森林鉄道が通ってたのか
 わかりませんね。
 こんな風にすべての鉄道跡が
 埋まってしまえば、
 二度と発見できなくなるかも?
 いや、トンネルや石積みの法面があるから
 わからなくなる事はないか。
 
 上の斜面は横切るだけなので、
 見た目より簡単に突破出来ます。
 橋が架かっていた跡が出てきましたが、
 その前にも障害が・・・
 足元にある大きな岩が越せません。
 岩と言うよりは、その手前にある溝です。
 ちょっと深い溝があって、向う側に行けません。
 と、言っても右の斜面を下りて行けば
 橋桁が無くなった橋の跡は攻略出来るけどね。
 でも、この先に行っても、
 前編の橋の跡に出るだけなので、ここで終了。
 ちなみに写真の真ん中あたりにある
 四角い物が橋脚跡です。
 
 戻る前になにげに上を見上げていたら、
 こんな物を発見。
 ちょっとわかりづらいけど、
 切り立った斜面に、石積みのような模様がある。
 あれは人工の物だろうか?
 自然に出来た岩の割れ目だろうか?
 実に微妙よね?
 ず〜〜っと見てると崩れて来そうなので、
 これにて撤収。
[2007年5月現在]

実は今回の森林鉄道のレポートは、数回に分けて訪れたものをまとめた物です。
一度に攻略した人もいるので、危険をものともしなければ、1日で探索する事も可能です。
場所もわかりやすく、容易に接近出来ますが、それだけに危険地帯に簡単に入り込むリスクもあります。
今回のレポートで、前進を諦めた箇所は特に危険な場所が多いので、
安易な訪問はおすすめ出来ません。
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