【国道153号線-横旗旧道-1】
長野県は南信州にある根羽(ねば)村。
長い長〜い坂道の横には、昭和の香りの残る旧道があります。これは行かねば。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 広くて快適な国道を走ってると
 思わずスピード出しすぎに・・・
 じゃなくて、
 旧道を探してしまいます。
 やはりありました、
 集落を通る旧道。

 まずは地図で位置を確認→■周辺図■

 国道153号線は愛知県豊田市から
 長野県塩尻市を結ぶ国道です。
 古くは「飯田街道」または「三州街道」と
 呼ばれてました。
 現道は左側の広い道です。
 あまりに快適国道なので、
 皆さん制限速度を忘れて走ってます( ̄▽ ̄)
 (―って、それはダメでしょ・・・)
 旧道は右に分かれて行く方です。
 画面左側にも旧道があるのですが、
 まずはここからスタートします。
 現道には何やら看板が立ってるけど、
 「信玄塚」って書いてあります。
 
 “信玄”ってあの「武田信玄」?
 どうやらその“信玄”のようです。
 国道の法面には騎馬武者の絵が描いてあります。
 それに「風林火山」の旗が。
 信玄で村おこしでしょうか?
 さて、「信玄塚」の解説は
 別のレポートにゆずるとして、
 旧道の方を見てみましょう。
 旧道がカーブしてる所に
 パーキングスペースが出来てます。
 信玄塚見学の際はここに車を置けば
 便利かも?
 
 う〜〜ん・・・
 無味乾燥な景色。
 遠くに見える山々はきれいなのに、
 旧道の横はずっとコンクリート。

 ここって本当に旧道?
 実は下を見下ろすと
 川沿いに民家が立ち並び、
 細い道が通っているのが見えます。
 ・・・旧道っぽい。
 でも、この道もけっこう古そうだし、
 下の道はたぶん旧々道なのかも?
 
 高架橋の下に何か怪しいお家が…
 庭におおげさな灯ろうがいっぱいあるし、
 門の上には、しゃちほこまで乗ってます。
 って、「信玄民宿」って看板があった。
 民宿ですか?
 まあ、景色もいいし、隠れ家的な感じで
 これはこれでイイかも?
 そう言えば、旧道の入口に看板があったっけ。
 後から写真を見てみたら
 「岩風呂・五平餅」 「休憩所」とあった。
 なんか五平餅って、どこ行ってもあるね。
 

 民宿のすぐ近くには、
 いい感じの古い橋がありました。
 なにげに手の掛かるデザインです。
 国道19号線の旧々道にあった
 「菅橋」の親柱に似てます。
 こっちの銘板は無くなってるけど、
 「不動橋」と言います。
 竣功年は不明です。
 ちなみに、地形図を見ると、
 橋を渡った先で、旧々道が合流してます。
 しかし実際は、途中で立入禁止になっていて、
 下の道からここまでは来れないようです。

 
 不動橋を上流側からも見てみました。
 橋台はいまいちだけど、
 欄干はいい感じ。
 下を流れるのは「不動澤」と言います。

 あ。それと「信玄民宿」について調べてみたら
 40人も泊れるようです。
 しかも素泊まり3,500円 って安っ!
 1泊2食付きでも6,500円だそうで。

 あ。なんか宣伝っぽくなった。
 

 この辺りは高架橋で現道が架かってます。
 橋脚の形が変わってる。
 “Y字”型をしてる。
 Y字バランスってか?
 ああ、残念。“Y字”型じゃなかった。
 “N”の形をしてます。
 こっちから見ると裏返ってるけど。

 
 ここからはまた、集落の中を通 ります。
 この旧道には、すごく荒れたり
 すごく危険な所など無く、
 全体的にのんびりムードが漂ってます。
 ここはその中でも一番です。
 何て言うか、
 昭和30年代のふるさとの雰囲気が残っていて、
 懐かしくなります。
 なので、一気に通り過ぎるのも勿体無いので、
 ゆっくり歩いてみます。
 
 いなかでは案外
 人に出会わないものです。
 
 カーブの途中から
 信玄塚の方を見てみました。
 昔ながらの風景が広がってます。
 田んぼには水が張ってあって
 これから田植えだろうか?
 ネギには花が咲いてます。
 現道を通ると、
 見る事の出来ない風景です。
 ここに来てよかった〜
 って思えますね。
 
 カーブを抜けると細い道が交差します。
 これも旧々道のようです。
 
 集落を過ぎると現道まであとわずか。
 
 こんなトコロに
 汚れた“おにぎり” が!
 この辺りの旧道はおにぎり率が高いです。

 いや、ほんと
 ここに来てよかった〜〜。
 
 また古そうな橋がありました。
 残念ながら名前はわかりません。
 でも、親柱のデザインといい、
 さっきあった「不動橋」と
 同じぐらいの時代でしょう。
 昭和初期だろうか?
 なんにしても、もうボロボロ。
 
 さあて、これが最後のヘアピンカーブです。
 これを曲がって、坂を上がれば
 もう現道に着きます。
 カーブの内側の地面には、
 黒いビニールシートが張られてるけど、
 何かの畑?
 
 一気に世界が変わりますね。
 平成です、21世紀の風景です。
 右側からの道が
 いま通って来た旧道です。
 現道をはさんだ向い側にも旧道は続いてます。

 それにしても、21世紀って言葉に
 未来的なニュアンスを感じるのって
 古い人の感覚なのか?

[2007年5月現在]

日本のふる里、原風景の中を通る旧道でした。
南信州をツーリングの際は、寄り道してみるのもいいかもしれません。
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