【岐阜県・県道352号線-深沢峡廃道】後編
岐阜県の有名国道と言えば国道418号線が思い浮かびますが、その418号線のすぐ側にはもうひとつ、
けっこう知られた道があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 いろんなサイトで見て知っていた険道。
 山の上から、木曽川のダム湖に向かって
 一気に下って行く道です。
 道と言っても、車が通れない
 登山道みたいな道です。

 さて後編はあの小さな謎の建物から。

 ブロックで造られた建物ですが、
 正体はなんと「トイレ」です。
 古き良き汲取り式です。
 なんか臭いそう…
 え? 中の写真は無いのかって?
 壊れた便器なんて見たいの?
 私はいや。
 なので外観のみです。
 それにしても道端に公衆便所なんて
 激しく違和感がありますね。
 そう言えば、どこぞに
 便所国道なんてのがあったような。
 
 公衆便所から少し行くと、
 国道418号線からも見える廃墟「いさまつ」。
 元は料理屋だったそうです。
 80年代までは営業してたそうな。
 美人女将が切盛りしていたらしいです。
 当時はどんな料理を出してたんでしょう?
 やっぱ山菜や川魚の料理でしょうね。
 
 これは病院の看板ですね。
 瑞浪市で開業してる玉田医院ってあるけど、
 今でもやってるのでしょうか?
 それに、料理屋なのにこのトタンは変じゃない?
 外観もただの民家に見えるけど、
 空家になる前から店をやめていたのかな?
 そんな感じですね。

 ちょっと入ってみましょう。
 この散らかり具合が廃墟らしいです。
 こんな山の中までは良からぬ連中が来ないのか、
 まったく荒らされてません。
 空家となって、
 時間が止まったままの姿ですね。
 でも、
 他所のサイトで「いさまつ」の事を調べた時、
 この部屋で写された写真を見たんです。
 その写真には何も無い部屋が写ってました…
 じゃあこのテーブルとか花瓶は何?
 誰かがセッティングしたの?
 
 今考えると不思議な事ですが、
 県道探索している時は、
 そんな事わからないので呑気に見物してます。
 ここは建物の横の階段を降りて来た所。
 2階の入り口になります。
 「いさまつ」は3階建てで、2・3階が客室
 1階が厨房なんでしょうか?
 この時は全部を見て無いので、
 こまかい事はわかりません。
 昔は、ここをさらに降りた所から
 遊覧船が出ていたそうです。
 今でも下に降りる階段や、
 途中にある東屋が残ってます。

 取り敢えず2階も見てみましょう。
 最初の部屋は食器セットがありました。
 御中元か御歳暮ですか?
 それにしても、物が沢山残ってますね。
 引っ越し現場みたい。

 ああ…廃墟系サイトの
 いい感じのコメントとは大違いで
 雰囲気ぶち壊してるような…
 私のキャラクターじゃ無理だわね。
 
 まだ人が住めそうな雰囲気です。
 でも、テーブル上の物の配置がちょっと
 わざとらしい感じがする。
 置き時計がありますね。
 帰ってから写真のチェックをしていて
 気が付いたのだけど、
 この時計の指し示す時刻が、
 ちょうどこの写真を撮った時刻と同じだった。
 …時計、動いてるの?
 偶然よね??
 やはり廃墟には廃道や廃隧道には無い
 独特な雰囲気があります。
 
 廃道の方に戻りましょう。
 相変わらずの山道県道です。
 現代の4WDなら、強引に走破出来そうですが、
 昔の車では無理そうな道です。
 いや、そもそもここを車道だなんて考えるのが
 どうかしてます。
 山道、登山道だと思えば、
 余計な事を考えなくて、いっそ気が楽かと。
 まあどのみち、いかなる車も
 通れませんけどね。
 でも、これって本当に県道?
 今まで県道って書いてるけど、実は自信無し。
 
 何かの杭がありました。
 それに、落ちている岩が花崗岩じゃありません。
 このスレートの様な劈開面は砂岩です。
 いつの間にか路面には砂岩が敷き詰められて、
 ますます歩き辛くなってます。
 これは対岸の国道側から持って来た物?
 ここより北側を通っている国道の周りの山は、
 黒っぽい砂岩で出来てます。

 路肩の下側が見れる所があったので、
 ちょっと覗いてみた。
 自然石を積んだ様な法面です。
 谷側に石を積んでおいて、
 斜面との隙間に石を詰めたんでしょうか?
 …違うよね?
 そう言えば崖が低くなってます。
 ダム湖の湖面近くまで下がって来ました。
 崖の下にも道らしきスペースが見えますが、
 こちらも木曽川まで降りて行ける道らしいです。
 さて、
 もうそろそろ五月橋に着く頃です。
 
 ようやく一番下まで降りて来ました。
 赤い物体は五月橋を支えているワイヤーです。
 その傍らには三角柱のキロポストがあります。
 (ほら、やっぱり県道だった。)
 ここにも「注意」の看板が立ってました。
 けっこう新しそうに見えます。
 山側は露頭になってるけど、
 ここはもう花崗岩では無く、砂岩になってます。
 どうやら花崗岩があるのは、山頂方面
 つまり廃道のスタート地点の事ですが、
 標高の高い場所にあるようです。
 
 三角柱のキロポストをアップで見てみましょう。
 「大西瑞浪 線」
 黄色に赤いラインがよく目立ちます。
 しかしこれを、キロポストって言っていいの?
 あらためて見ると、距離数が書いてありません。
 って事は「キロ」ポストじゃない?
 じゃあ何て呼ぼうか。
 いえ、それより橋を渡る方が先です。
 ここのところは「キロポスト」って事で
 誤魔化しておきます。
 …何ていい加減な自分(´Д`)
 
 これがあの噂の「五月橋」。
 他所のサイトの写真は沢山見たけど、
 ついに自らこの地に立ちました。
 こんな人も通わぬ場所に
 何て立派な金属製の吊り橋。
 さ・さあ〜、渡るぞ〜
 どきどき
 高ぁ〜…
 足元はメッシュの金属板なので、下が丸見え。
 まるで空中に投げ出されたようです。
 しかも足元の金属板は大丈夫なの?
 なんか、のっかると外れそうに思えて、
 高い事より、そっちの方が恐いです。

 昔は木の板がはめられていて、
 車さえ通れる幅があったそうですが、
 現在は歩行者しか通れない様になってます。
 それにしてもマジ恐いんだけど…
 向こうに渡ってしまったら、戻れないかもだし。
 以前も同じ様な下が透けて見える吊り橋を
 渡った事があったけど、まったく平気だった。
 でも、その時の橋は新しかったからねぇ。
 五月橋ってけっこう古いんでしょう?
 しかも整備とかされていなさそうで、
 恐さ倍増です。
 もう、ここらで撤収します(≧ω≦)
 この先はまたの機会に。
[2005年1月現在]

時期が良かったのか、割合あっさり五月橋まで到達しました。
しかし、あの橋はさすがに… とは言え、すぐに壊れてしまう危険性はないので
また冬になったら、橋の向こう側の、国道までの道を見て来ます。

2007年12月に、ようやく五月橋を渡って来ました。それでは続編でどうぞ。
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