【岐阜県・県道352号線-深沢峡廃道】前編
岐阜県の有名国道と言えば国道418号線が思い浮かびますが、その418号線のすぐ側にはもうひとつ、
けっこう知られた道があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 いろんなサイトで見て知っていた険道。
 山の上から、木曽川のダム湖に向かって
 一気に下って行く道です。
 道と言っても、車が通れない
 登山道みたいな道です。

 地図はこちら→■周辺図■

 県道352号線を北上して来ました。
 途中も車のすれ違い困難な所や、
 激坂でヘアピンカーブの連続する所がある、
 立派な険道です。
 こんな立派さはやだなぁ…
 お〜っと、道系サイトの案内人らしからぬ
 セリフでしたね。
 …イラストサイトじゃなかった? ここ?
 まあ、取り敢えず廃道入り口に到着です。
 ここはちょっとした広場になっていて、
 車も駐車出来ます。
 
 ガードレール三段がさねのバリケードです。
 でも脇が甘い。
 バイクなら楽勝で通れます。
 でも私は歩きで行きますけど。
 いくらここが通れても、この先
 バイクどころか自転車でも
 地獄を見る事必至です。
 たとえ無事通過できても、
 再びここへ戻って来るなんてのは、
 プロライダーでもなけりゃ無理っぽいです。
 徒歩で行くのが無難でしょう。
 県道の横には川が流れていて、流れは急です。
 
 中に入ってすぐに何か変な物が。
 工事現場ですか?
 「頭上注意」って赤いビニールが
 いっぱいぶらさがってます。
 この上に何かあるのかと思って
 上を見ても、木しかありません。
 いったい何に注意?
 高圧線じゃないよね。
 そもそも、そんな物はありませんし、
 それに「頭上注意」なんて注意、
 通行人が通る事前提なんですよね。
 この廃道、意外に利用者が居るのかも。
 
 これが最後?のアスファルト。
 いかにも質が悪そうで、石だらけです。
 それと右側に岩が覗いてますが、
 これは、この山に沢山ある花崗岩です。
 面白い事に、
 この下を流れる木曽川を境にして、
 南北で岩の種類が変わってます。

 写真を見ると、
 奥の白い物体はさっきもあった
 あの…

 ガードレール・バリケード。
 今度は2段がさね。
 念の入った事ですね。

 この辺りまでは、
 幾分県道らしさがありますが、
 先を見ると、
 すっかり山道になってます。
 
 ガードレール・バリケードから少し行くと、
 今度は「注意」の立て札が道のど真ん中に
 堂々と立ってます。
 「この先落石及び道路狭小の為
 通行は出来ません」って書いてある。
 徒歩でなら通行出来そうですが、
 でも安全とは言い切れません。
 この先、断崖絶壁に刻まれた
 狭い道が続きます。

 いきなり路肩が崩壊してます。
 わかりづらいけど、
 2本立ってるデリネーターの間の路面が、
 半分以上落ちてます。
 しかも左側は、10m以上の崖になってる。
 ほら。安全じゃなかった。
 一見のどかな山道だけど、
 つねに危険と隣り合わせです。
 
 薮や崖崩れがなければ、
 車が通れそうな幅があります。
 ここが車道だった姿が想像出来ません。
 それより「県道」だったっていうのが、
 信じられませんよ。
 信じる者は救われるって言うけど、
 県道なんだと信じた所で
 何が救われるのだろう?
 
 しばらく行くと石碑がありました。
 何て彫ってあるんでしょう?
 よくわかりませんね。
 文字がかすれちゃってます。
 でも大丈夫。
 事前に何て書いてあるのかは調べてあります。
 「深澤峡記念」
 この付近は「深沢峡」と言う観光地でしたが、
 一体、深沢峡の何の記念?
 観光客がこの前で記念撮影するため?
 写メールとかで( ̄ω ̄)Д
 …誰かつっこんで下さい。
 この石碑は張り出した岩の上に立ってます。
 
 さて、先を急ぎましょう。
 太い木が斜めにはえてます。
 今は1月なので道はすっきりしてますが、
 これが夏になると、すっかり薮になってしまい
 往生こいてまうでかんわ(>▽<)ノシ
(名古屋弁ですよ)
 つまり、すごく大変だって事。
 他所のサイトで夏の様子を見たけど、
 とてもまともに歩けそうにありません。

 途中、見晴し台の様な場所があって、
 木曽川の湖面が見渡せます。
 おお。あれに見えるは「五月橋」では。
 グリーンの湖面に赤い橋が映えます。
 観光地だったと言うのが納得できます。

 でも、遠いなぁ…
 あの山道をあと何km歩かなければならないの?
 すぐそこに見えているのに
 すごく遠そう。
 に見えるだけで、実際は600m程しかないです。
 あれ?
 
 「見晴し台」はちょうど道がカーブする所の
 外側にあります。
 写真を見てもわかる通り、
 左から急坂を下って来て、
 ヘアピンカーブで180度向きを変え、
 なおも下って行ってしまいます。
 こんな所、軽自動車でも無理そう。
 やっぱりこの県道は、
 自動車のための道じゃ無くて
 歩行者のための道なんでしょうか?
 
 こんな岩が無造作に道を塞いでます。
 転がって来たと言うより、
 元からここにあったみたいです。
 っていうか、山の一部?
 これもこの地域を構成している花崗岩です。
 県道には、そこらじゅうに顔を覗かせてます。
 っていうか、瑞浪市から恵那市一帯は
 これの数十倍はある巨大な岩が至る所にあって
 独特な景観を作ってます。
 まあ、遠くから眺める分にはいいけど、
 目の前にあると邪魔。
 

 坂の途中から下の道を見ると、
 何か小さな建物が…
 これはもしや例のあれですか?
 この建物の正体は後編で。

 わざとらしく引いてますが、
 有名な物件なので、
 すでにネタバレしてると思うけどね。
 ( ̄ω ̄)=3
 「この続きはCMの後で」って言うのはお約束。


 坂を下って、さらに右にカーブ。
 そのカーブの所に2本の木が立ってます。
 何かの囲いでもあったの?
 いえ、これは鳥居の成れの果てです。
 この奥には神社があるみたいです。
 さらにその向こうには「霧ヶ滝」と言う
 滝があります。
 それにしてもこの鳥居、
 自然に壊れたんでしょうか?
 やっぱり雪の重さに耐えかねて潰れたって事かも?
 ここにきて廃なテンションが一気にアップ。
 あの伝説の廃墟まであと少しです。
[2005年1月現在]

他の旧・廃道のレポートと違い、何だか登山道のレポートみたいに成って来ました。
後編は例の小さな建物と、廃料理屋「いさまつ」もレポートします。
道ネタ「廃道」TOPへ… 後編へ続く…