【国道418号線-二股隧道の謎】続編(改訂)
岐阜県八百津町にある「二股隧道」の謎は、ほぼ解明できたと思っていました・・・
そんな時、旧隧道に関する新たな情報を見付けてしまいました。しかし、真実は意外な方向に…
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 「県域統合型GISぎふ」と言う
 地図サイトを見付けたので、
 試しに二股隧道の所を見てみました。
 しかし、何やら違和感が…
 隧道の形が… 違ってる?
 ちょっと下の画像を見て下さいな↓


 「二股トンネル」の文字がある所が、
 なんかすごく曲がってるんですけど?
 …こ、これはもしかして、旧隧道?
 で、他の地図と重ねてみると、
 ルートが完全に違ってます!
 旧隧道で間違いなさそうです。
 まさか、旧隧道の情報が存在してようとは!
 周辺図にも反映してみました→■周辺図■
 
 GISぎふの地図を見てわかった事は、
 旧隧道は現在の東側の坑口より
 少し高い位置にあると言う事です。
 つまり、以前見た所より
 上に行かねばならないという事です。
 で、2年ぶりに二股の旧道跡に来ました。
 相変わらずの激薮ぶりです。
 写真は前通った所より
 4〜5mぐらい上がった所です。
 そこから上を見ると・・・石積みの壁が!
 

 さらに2mばかりよじ上って来ると、
 旧道の擁壁がありました。
 ここが本来の路面な訳ですね。
 ここを真っすぐ行ければ
 旧隧道があるはずですが、
 薮が酷過ぎて真っすぐ進めません。
 しょうがないので、一旦下に下ります。
 そして、薮の薄い場所から
 再び旧道の路面まで上がって来るのです。

 
 言うは易し。
 た…たいへんだ…
 思いのほか掴まる木が少なくて、
 細い竹や、倒木に掴まって登ります。
 おや? この斜面は雰囲気が違いますね。
 石がいっぱい転がってます。
 ここは崩れてから
 そんなに時間が経ってないみたいです。
 これは怪しい。
 ちょうど旧隧道はこのあたりにあるはず。
 
 さらに上に登って来ました。
 あった、ありました。擁壁。
 「谷積み」って言う積み方です。
 それに画面右側のは、境界杭だろうか?
 一気に道路アイテムが出て来ました。
 それにしてもこんなに高い位置だったんだ。
 2年前に来た時は、
 旧道のずっと下の方を通ってたなんて…
 それって無駄足?
 
 さらに視線を左にやると、
 明るくひらけた場所が・・・
 竹がまばらに生えた斜面です。
 旧道の路面が全部崩れ落ちた跡です。
 最初の地図の◯に十マークの所のようです。
 と言う事は、さっきの石の転がる斜面が
 旧隧道の埋まってる場所ですね。※
 ・・・で、結局坑口発見ならず、と…
 ああ、せっかく500ルーメンの
 強力ライトを持って来たのに〜〜。
 まあ、これもひとつの成果と言う事で…
おまけ

 山の中にある崩れた隧道を想像してたのに、
 まったくの空振りでした。
 そう言えば、これが例のにせ二股隧道です。
 ちょっと見て行きましょう。
 と、ここで強力ライトの出番ですね。
 
 話に聞いていた通り狭いですね。
 ごつごつの素堀りで、まるで洞窟。
 やはりこれは試し堀の跡だよね?
 以前行った一谷坂隧道みたいだ。
 頭つっかえそう。
 ここには誰か住んでいたそうで、
 前に見えるビニールシートがそのお家。
 そこらに生活用品が散らばってます。
 隧道は左に向かってカーブしてます。
 
 30mぐらいで終点です。
 土を詰め込んで塞いであります。
 この先を掘っても、二股隧道の壁に
 突き当たるだけでしょうね。
 それに、この“あな”が
 正式な二股隧道にならなかったのって、
 東側の坑口を出た所が、急カーブになるのを
 避けるためだったのでしょうかね?
[2011年3月現在]
 ちょっと待って。何やら話が変わってきた。
 それは最後の解説で↓

今度こそ旧隧道発見なるか?と思いましたが、残念ながらすでに土砂の下に埋もれていました。
旧隧道の線形が判明したのが、今回の成果でしょうか。・・・と、思っていたところ、
十二屋の人から「GISぎふの地図の方が正しいのでは?」と指摘をいただきました。
それが本当ならば、国土地理院の地図が間違いで、旧隧道も存在しない事になります。
さっそく現地にて、隧道の形・距離や、隧道東側の道筋を検証したところ、
GISぎふの地図の通りである事が確認できました。
と言う事は、今まで正しいと信じて来た国土地理院の地図が間違っていた訳です。
その地図を元にした、各社の地図も当然間違っていた訳です。
これで、旧隧道の存在は完全に否定されました。
“二股に分かれている隧道”なんていうのも、最初から有り得ない話だったのです。
前レポートの航空写真に写った坑口は、単に二股隧道の坑口でしかなかったのです。
これじゃいくら旧道跡を探しても、隧道なんて見付かるはずもありません。
坑口に掲げられた竣工銘板が「改築」でない時点で疑うべきでした。(^^;)
※ちなみに、上のレポートで旧隧道が埋まってる斜面は、周辺図の“崩落”の場所でした。

地図の間違いとなると、横に掘られた素堀りトンネルは、二股隧道と交わらなくまります。
むしろ離れていき、再び旧道に向かってカーブする様な線形が予想されます。
もしかしたら、反対側の坑口は貫通していて、どこかに口を開けているかもしれません。
またひとつ、謎のタネが出来てしまいましたね。( ̄▽ ̄)
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