【国道417号線-徳山の橋】2006年10月編
徳山ダムへの試験湛水が始まって、はや1ヶ月が経ちました。
水量はまだ少ないですが、すでに国道の一部が水没し始めています。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 前回から1ヶ月たって
 かなり水没しているそうで、
 新聞でも紹介されてました。
 という訳で、
 様子を見に行って来ました。

 リンクのある画像は、大きな物が別窓で開きます。
 ちょっと大きなデータです。

 徳之山八徳橋の手前から左側に入り、
 しばらく走るとあるのが「徳山会館」。
 一般の人が入れるのはここまでです。
 そこから先の道は関係者以外立入禁止。
 まあ、しょうがないですね。
 会館の建物とか、すでに出来てるけど、
 なぜか中に入れません。
 それに下にある広場も立ち入り禁止になってる。
 ちょっとヤナ感じよねぇ( ̄△ ̄)
 それはおいといて・・・
 結構人が来てますよ。
 皆さん徳山村との別れを惜しんでるのでしょう。
 
 展望台からは沈みゆく徳山の姿が
 一望できます。
 古い国道の橋も、
 工事用の道も、
 カーブミラーも、
 みんなが車やバイクを停めていた広場も、
 吊り橋の跡も、
 すべて水の中です。
 ここからでも水の流れが見える。
 ダムに沈むと言うと
 一気に水が流れ込むようなイメージがあるけど、
 実に穏やかな川の流れです。
 
 もうすでに小学校に行くすべはありません。
 学校は高台にあるので、
 一番最後まで残りそうです。
 最後と言えば、学校の周りには沢山
 土砂が積んであるけど、
 これはあちこちで出た土砂が捨ててあるんです。
 徳山村の最後が、土砂捨て場だなんて
 なんだかなぁ…ですよ。
 そんな事を考えてる間も
 水は静かに、そして容赦なく流れて来ます。
 
 徳之山八徳橋の下を通 っている
 県道270号線もすでに没してます。
 ほんの数カ月前までは通れたのが
 うそのようです。

 もしかしたらうそだったのかも?
 元から県道なんか無かったのかも?
 …なんて思いたくなる景色だよね。
 
 この前見て来た時には何ともなかった
 「漆谷橋」はご覧のありさま。
 橋桁のすぐ下まで水が来てます。
 よく見ると、旧道の上にも水が来てる。
 そういえば、山に生えてる木は
 そのまま沈められるみたいだけど、
 渇水期に湖底から出て来る時は
 全て枯れているんだろうか?
 今下流にある横山ダムの水がほとんど無くて、
 湖底がよく見えるけど、
 植物なんかは、まったく無くなってます。
 ここもそうなってしまうのでしょう。
【県道270号線旧道】

 今回はもうひとつ気になっていたコト、
 県道270号線の旧道部分の探索です。
 いやまあ、探索ってほどじゃないけど、
 ちょっと見て来ました。
 前来た時には、
 まだ工事中で近寄れなかった所に、
 旧道への分岐点があります。
 真新しいゲートがあるけど、
 ダムの管理用道路として、
 再利用されるのでしょうか?
 
 ゲートで車はシャットアウトできても、
 私はガードレールをまたげるので、
 こっそり侵入させてもらいます。
 旧道になったといっても、
 まだ最近なので、
 以前来た時とあんまり変わってません。
 上にあるガードレールは、
 現道の物です。
 この先は馬坂峠をへて、
 「淡墨桜」で有名な根尾谷に出ます。
 根尾谷と言えば「根尾谷断層」でも有名ですね。
 
 振り返ってみると、
 「五平能舞橋」が見えます。
 一番最初のレポートには、
 ここから写した写真があります。

 この辺りにガードレールが無いのは、
 雪の重みなんかで破損した物を
 外したからなんだろうか?
 そのままなのは、
 どうせ車なんか通らないからなんだろうか?
 
 確かに車は通って無いようです。
 落ち葉が沢山落ちてます。
 それに、すでに落石もちらほら…
 この先どんどん荒れていくのでしょう。
 ちょっと来ただけなのに、
 もう人の気配が無い。

 ・・・そう言えば、この下の橋の所に
 熊に注意って看板があったっけ。
 だ・大丈夫なのかな…( ̄▽ ̄)
 取り敢えず注意しておこう。
 
 しばらく歩いて来ましたが、
 以前来た時とあまり変化はありませんでした。
 まあ、当たり前なんですが。
 このまま進むと、旧道は谷を降りて行き、
 川に沿って水没地区まで延びて行きます。
 今回はここで撤収します。
 あ。
 ちょっと待って、この道を下って行くと
 水際まで行けるの?
 でも、色々まずい事がありそうなので、
 行くのはやめた方がよろしいでしょう。

[2006年10月現在]

村がダムに沈むという現実を、目の当たりにしたのは、初めての経験でした。
徳山村には何千年にも渡り、人々の暮らしの歴史がありました。
村としてはすでに消えた「徳山村」ですが、
当分の間は、人々の記憶から消える事はないでしょう。・・・でもそれはいつまで?
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