【岐阜県・中津川市-上ろうヶ滝橋】
岐阜県中津川市の中津川に架かる古いコンクリ主塔の吊り橋です。
橋の名前の“ろう”は草かんむりに「月」と「曷」です。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 中津川に架かる発電所関連の橋です。
 っていうか、もろ発電所の橋だ。
 しかも、いい感じに
 ボロっちくなってます。
 主塔も長い歴史を感じる?

 こんな所に思わぬコンクリ主塔です。
 この汚れ具合…
 相当に古いのかな?
 も…もしかして大正時代…とか?
 アンカレージは地面の下のようです。
 
 正面に廻って
 もっとよく鑑賞しましょう。
 主塔のデザインは直線的で
 新しそうだ。
 昭和初期…とか?
 
 さて、橋の名前は・・・
 お? あるじゃない。
 「上(ナントカ)ヶ滝橋」
 2番目の文字が読めない。
 それに、フォントにあっても
 ここに文字が表示されません。
 まあ、タイトルに読みが書いてあるけど…
 「じょうろうがたきばし」ですね。
 
 主塔の上を見ると、
 何かの電線が引いてあります。
 主塔に載ってるスピーカーや
 街灯に電気を送る為の物のようです。
 スピーカーって、サイレンだろうか?
 ダムの放流で水が急に増える時に
 下流に居る人に知らせる物だけど、
 これは上流を向いてる。
 
 じゃあ渡りましょう。
 看板がたくさんあります。
 よくある関係者以外立入禁止と
 制限荷重の物です。
 かと思えば、発電所の見学は
 許可を得れば可能なようです。
 …私は発電所に用はないのですが。
 あ。ここって中部電力じゃないんだ。
 王子エフテックスってあります。
 
 定員5名だけあって
 揺れませんねぇ。
 しっかりとした作りです。
 
 これが王子エフテックスの発電所、
 川上発電所です。
 下から水が出てるので発電中みたいです。
 建物の大きさから見て
 発電機は1つしかなさそう。
 調べてみたら、
 自社の工場で使う為の発電所らしいです。
 
 ホームセンターで売ってそうな
 物置きがあるあたり、
 ちょっと所帯染みてるよ。
 いや、この会社自体は大企業なんですが。
 アンカレージは
 背面の壁と一体化してます。
 
 こちらの制限荷重には
 ちゃんと数字が残ってる。
 500kgまで大丈夫だそうです。
 それに横には…
 「昭和六十二年五月二十三日施工」
 昭和後期に出来た橋なわけですか?
 でも、“施工”なんて言い方だと、
 橋桁の板とか高欄なんかの
 改修工事の日付なんでしょう。
 だってあの主塔が
 20年ぐらい前に出来たワケなさそうだし。
 
 平仮名はここにあったんです。
 さすがにあの漢字は難読でしたしね。
 読めない人続出でこの看板を掛けたの?
 ならば、ここじゃなくて
 向こう側に付けるべきだね。
 

 川上発電所は結構古いようだけど、
 この橋も竣功当時は、
 オール木造橋桁だったんだろうか?
 ちなみに、この発電所に水を送る
 取水堰にも吊り橋があります。
 その名も「奥の橋」

[2012年11月現在]


王子エフテックス株式会社の中津工場は、1908年5月に中央製紙により操業が始まり、
のちに樺太工業と合併。1933年5月には王子製紙に合併されました。
はたして川上発電所はどの時代に造られたのか?
水力発電所データベース」によると、1926年12月運転開始だそうです。
1926年12月と言えば、大正から昭和へと、元号が変わった時です。
主塔は、昭和元年に造られたままの姿なのでしょう。
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