【国道21号線旧道-自害谷橋】
岐阜県御嵩町を通る国道21号線は現在快適に走れますが、昔は細くて険しい道が続く酷な道でした。
そんな道の片隅に、おかしな角度で架かる小さな橋があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 そう言えばいつも通る国道に
 変な橋があったけど、
 いったい何でしょ?
 国道21号線の旧・廃道を探索したついでに
 気になっていた小さな橋を
 じっくり調べて来ました。

 小さき橋の地図はこちら→■周辺図■

 岐阜県土岐市から国道21号線で北上し、
 次月(しづき)峠を越えて坂を下って来ると、
 左側に道が別れる所があります。
 そこを左に入ると、
 「ホテル鬼岩城」へ行きます。
 問題の小さな橋は、
 この分かれ道の少し先にあります。
 

 分かれ道を過ぎてすぐに
 「ホテル了山」の看板が立ってます。
 その看板の下に例の橋があるけど、
 国道に垂直に交わるような角度で、
 しかも少し高い位置に架かってます。
 それに国道によって築堤部分が
 削られてます。
 ちょっと奇妙な景色です。

 
 いつもはちらっと見るだけなので
 じっくり眺めた事はなかったけど、
 近くで見れば、
 結構しっかり造ってある。
 

 さっそく上にあがってみましょう。
 この橋、両端が道に削られています。
 坂を上がって行くと、
 橋の上に出ます。
 あ。思ったより幅がある。
 車1台なら楽に通れそう。
 でも、土が盛ってあって
 欄干が埋もれてます。
 今は看板の土台になってますね。

 

 簡素な作りの親柱ですが、
 銘板がありません。
 これじゃ橋の名前がわからないよ。

 

 橋の横から河原におりてみました。
 こうやって見ると、
 川の水面からかなりの高さに
 橋があるのがわかります。
 まあ、高いと言っても
 橋全体のスケールに対してだけどね。
 それに、この橋は建設に手間が掛かってそう。
 橋台は石を積んでせり出していますが、
 こんな手間のかけかたは
 もしかして国道の旧道なんですか?
 う〜ん…
 でも、確証がないなぁ…
 単なる脇道の古い橋なのかも?

 
 上の場所から川の方を見てみると、
 山の奥の渓流みたいです。
 国道からじゃあ、
 こんな景色があるなんて
 絶対わかりませんね。
 
 こんな看板があったので、
 ちょっと見てみた。
 砂防指定地に関する物です。
 川から10m以内の土地で
 家を建てたり土を採ったりするには、
 岐阜県知事の許可必要だって書いてある。
 それに、ここの地名も書いてあるけど、
 「自害谷」・・・!
 “自害”ですか?
 とんでもない地名だわね。
 
 その看板には国道21号線の旧ルートも
 描いてあります。
 あ!これは!
 川を渡る国道の姿が!
 旧道決定ですね。これは。
 と言う訳でこの橋は、
 「国道21号線旧道-自害谷橋」です。
 橋の正式名称は不明ですが、
 無難にここの地名を使っておきます。
 インパクトあるしね。

 [2006年2月現在]

この小さな橋がある旧道部分を含めて、国道21号線の酷道区間は、昭和39年から改修されました。
土岐市や御嵩町の周辺は花崗岩地帯で、大きく硬い花崗岩が沢山露出している所や、
逆にもろい地質の場所があったりして、工事は難航したと言います。
現在は、次月峠をはさんだ南側の土岐美濃焼卸商業団地では、5月になると土岐美濃焼祭が開催され、
北側には鬼岩公園と言う観光地があり、多くの観光客を集めています。
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