【岐阜県中津川市-和田川橋(仮)】
大正13年に完成した、大井ダムと日本最初のダム式発電所の大井発電所。
その大井発電所の西側に、2つのアーチが並んだ瀟洒な橋があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 今回の橋も「桃介橋」と同じく
 「桃介物件」です。
 でも、名前がわからない!
 図書館で色々調べたけどわからない。
 なので(仮)という事でレポートします。

 橋とダムの周辺図はこちら→■周辺図■

 ■和田川橋(仮)-側面図■
 
クリックすると原寸サイズの物が
 別窓で開きます。

 今回は豪華カラー版( ̄▽ ̄)
 例によって、正式な図面から
 描き起こした物ではありません。

 場所は岐阜県の中津川市と恵那市の境目
 和田川が木曽川に合流する手前に
 この橋は架かってます。
 向こうにあるのが大井発電所。
 ダム好きさんにはお馴染みの場所ですね。
 さて、橋はといえば・・・
 地味ですねぇ。
 親柱も小さいし、装飾もないし、
 銘板もない。
 
 アーチとアーチの真ん中にも
 親柱と同じ物があります。
 アールデコっぽいデザインですね。
 欄干は付け替えたモノらしいです。
 古い絵はがきを見ると
 出来た当時はもっとアッサリした物が
 ついてました。
 それに、かつて親柱には
 大きなランプがついてたみたいです。
 今はありませんが・・・
 
 橋を渡って振り返って見ても
 アッサリな景色ですね。
 古い橋だけあって
 コンクリは黒く汚れてますが、
 外側が白い?
 どうやら最近塗られたようです。
 
 今回は発電所やダムのすぐ近くで、
 河原には下りられないので、
 こんな斜めの写真しか撮れませんでした。

 …白いねぇ。
 これはオリジナルの姿じゃないけど
 きれいだから、これはこれでいいか。
 そういえば「桃介物件」なのに
 吊り橋じゃないのね?
 
 対岸からだとこんな感じ。
 ここから見てふと気が付いたんだけど、
 何だか中世ヨーロッパのお城みたいだ。
 郊外のお城ってこんな風に
 アーチ橋があったりしますよね?
 まあ、なんにしても
 ヨーロッパ風を意識したのでしょう。
 ちなみにこれと次の写真は
 7月に撮影したものです。
 
 前日に降った大雨のせいで
 ダムが放流してます。思わぬ収穫です。
 う〜ん…絵になる。

 大井ダム&発電所が大正13年完成なので
 和田川橋(仮)も大正時代の橋ですね。
 と、最後に言ってみる。

 [2009年1・7月現在]

木曽川に数々のダムを造った「日本の電力王」福沢桃介が、
八百津発電所に続いて、大井ダムと大井発電所を建設しました。
福沢桃介が建設したダムや発電所では、工事用の吊り橋を架けてましたが、
大井ダムでは専用鉄道を敷いて、ダム建設資材を運んでいました。
そのために建設用の橋は造られなかったと思われます。
大井発電所建設の様子を写した絵はがきには、レールが敷かれた和田川橋(仮)が写っており、
発電所建設のための重量物を通せるように、頑丈なアーチ橋を造ったのでしょう。
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