【中央本線-古虎渓旧線跡…10・11号トンネル】
愛知県と岐阜県の県境を通る、中央本線の高蔵寺駅から多治見駅の間には、
中央本線開通時の旧線跡が、13ものトンネルと共に薮に埋もれています。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 以前「天ヶ橋」を見に行った時、
 川沿いの斜面の上のから写真を撮っていました。
 もしかしたらここから
 旧線のトンネルに行けるかも?って考えたけど、
 その時はやめておきました。
 でも、後から調べてみたら、
 やはりあそこからトンネルに行けることが判明。
 …薮が酷いらしいですが・・・
 まずは地図で位置を確認→■周辺図■

 天ヶ橋を渡って線路沿いまで来ました。
 斜面の上の狭い場所を歩いて・・・
 って、通路が出来てる!
 パイプと踏み板で作った、工事用の足場だ。
 それに「モノレール」が!!
 なんかすごいコトになってる。
 何かの工事だろうか?
 今日は作業は休みなので、
 ちょっと通らせてもらいましょう。
 でもこの通路、川の上に張り出していて
 ちょっと恐いぞ。
 これは2006年12月の話なので、
 今はもう作業が終わっていて、
 解体されてる事でしょう。
 
 仮設通路を渡り、線路の横に出ました。
 前に見えるのは「諏訪トンネル」です。
 モノレールはずっと奥の方まで延びてます。
 トンネルの上の山の中での作業に
 使ってるようです。
 おかげで薮が刈り払われて、
 歩きやすくなってる( ̄▽ ̄)
 中央本線の旧・線路跡はちょうど、
 モノレールが通ってるあたりにあります。
 
 さらにモノレールのレールを辿って来ると、
 二股に分かれていて、
 1本は山の斜面を上がって行き、
 もう1本は線路跡をこんな所まで来てた。
 この崖崩れの土砂を片付けるため?
 ああ。なんかレポートの趣旨が違うような…
 それで、線路跡はレールの右側の薮の中です。
 
 どこに路盤があるの?
 しかも目の前に川があるよ。
 どこから渡ろう?
 よく見たら薮の中に橋が見える…
 ガーター橋が残ってるんだろうか。
 でも、普通に渡れた。
 よかった、これで旧トンネルに行ける。
 ・・・いや、何で普通に歩けるの?
 鉄橋かと思ったら、路面があった。
 道路として使っていた時期があったのだろうか?
 写真では何が何やらわからないけど、
 真ん中よりちょっと右寄りに橋があります。
10号トンネル

 薮を掻き分けて行くと、
 間もなく「10号トンネル」が…
 よく見えないけど、
 木の向こうにトンネルの姿が…
 何だか、近付けない感じだけど、
 この季節なら問題なく行けます。
 しかし夏には・・・
 さっきの橋の手前で激薮に遮られて
 ここまで来る事さえ出来ないでしょう。

 
 これが「10号トンネル」です。
 今日は天気が良くて、
 煉瓦が“とんじゃって”います。
 中央の暗い部分に露出があってるからですね。
 それで、トンネルの中を見ると、
 向こう側の出口が見えます。
 50〜60mぐらいかしら?
 

 トンネルに入って写した外の写真。
 並の廃隧道より、大変な事になってるのが
 よくわかります。

 
 50〜60mぐらいかもって思ったけど、
 もうちょっと長いかも?
 80mぐらい?
 それにしても整然としてます。
 外の賑やかな薮とは大違い。
 待避坑もあり、
 その両脇には、白い磁器の板が貼ってあります。
 これは、長野県の旧トンネルでも見られた物です。
 いったい何のための物だろう?
 反射板なんだろうか?
 でも、それなら金属板を使うか。
 謎ですね。
 
 反対側の坑口に来ました。
 こちらも相変わらずの薮です。
 トンネルの壁の煉瓦が剥がれて、
 本来の煉瓦の赤色が出てます。
 でも、剥がれてない所も赤いけど…
 よく見たら、涌き出した地下水に洗われて、
 煤が落ちたみたいです。
 
 こちら側はちゃんと煉瓦の色が写 ります。
 ちょっと変なアングルから撮ってるのは、
 これ以上離れると植物が邪魔で
 ポータルが見えなくなるからです。
 っていうか、すでに邪魔だけど。
 
 まだまだ薮は続きます。
 薮漕ぎはもちろんのこと、
 ふんずけたり、
 くぐったりしながら進むと、
 間もなく次の「11号トンネル」に着きます。
 ああそれと、この辺りから
 県道15号線にあるラブホが見えます。
11号トンネル

 来ました「11号トンネル」。
 ポータルはさっきと同じデザインです。
 
 中に入ればモノクロの世界。
 こちらは「10号トンネル」より
 長そうです。
 ちなみに真っ暗なので、
 写真を撮る時はノーファインダーで撮ってます。
 だからトンネルの真ん中が
 中心からずれている写真が撮れたりします。
 
 こんな風にね( ̄ω ̄)

 ここからはコンクリートで
 天井が補修されてます。
 地下水とかを防ぐためだろうか?
 
 さて、出口です。
 薮はさらに酷くなってます。
 もう、隙間なく雑草が茂ってます。
 人が通った痕跡はまったくありません。
 大変そうだけど、大丈夫かしら?
 

 外に出て、ポータルを写そうにも
 薮が邪魔でご覧のありさま。
 ここもですね。
 でも夏になれば、
この枯れた雑草達が
 青々と茂るので
 この位置からでも見えなくなるかも?

 
 薮が本当に酷くなるのはここから。
 前に進もうにも、“つた”などの植物が
 体に絡み付いて前進もままなりません。
 通れる所をさがして、
 右に左に蛇行して歩きます。
 しかも、トゲのある草が沢山あって、
 なおさら大変です。
 
 しばらく薮の中を歩くと、
 ひらけた場所に出ました。
 ああ、これでもう大丈夫…
 ではないんですよね。
 ここからの薮は、地面に押しつぶされていて、
 見た目以上に大変になってます。
 上に乗るとずぶりと沈んで、
 トゲにひっかかれます。
 かといって、通りやすそうな川沿いを行くと、
 斜面から足を踏み外しそうになります!
 いや、踏み外しかけた。
 こ・こわ〜〜…
12号トンネル

 でも、橋の無くなった川に遮られて
 この探索も終了。
 遠くに次の「12号トンネル」が見えます。
 写真の真ん中に薮に隠れたポータルが
 わかりますか?
 ここであっさり諦めるのは、
 先に「12号トンネル」の方を見て来たからです。
 なので本日はここまで。

[2006年12月現在]

路盤跡は、ほぼ自然に帰っていました。
廃道に多い“笹”なんかと違い、“つた”や“シダ”や低木が多く、
それに少し薮の中を歩くだけで、細かい種が服に付いて大変です。
それと、現役の線路の側を通らないと行けないので、注意が必要です。特に線路内への立ち入りは厳禁です。
ここも気軽に立ち寄る事はやめた方がいい場所のひとつですね。
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