【岐阜県関市-多賀坂トンネル】
岐阜県の南部、愛知県との県境に近い関市と各務原市の、関市寄りの山の上に、
何とも変わったトンネルがあります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 ロードマップに頼り無く描かれた
 小さなトンネル。
 何気な〜く行ってみたら、
 なんとまあ!
 思わぬ上物物件が…

 周辺図はこちら→■周辺図■


 各務原市を南北に分ける
 国道22号線から脇に入り、
 山の斜面に張り付く様に建っている
 新興住宅地を抜けてしばらく行きます。
 町境を過ぎて、広かった道が狭くなると
 間もなく多賀坂トンネルが現われます。

 よくある普通のトンネルだろうと
 初めは思っていました。
 しかし、目の前に現われた光景は
 そんな予想を裏切る
 とんでもないモノでした。
 

 だっていきなり穴ですよ、
 大抵のトンネルに備わっている物はありません。
 扁額とか銘板のたぐいの物がありません。
 普通法面は、
 ブロックとかで補強されているけど、
 ここは全てコンクリート吹き付けです。
 内も外も素堀にコンクリです。
 その姿はけっこう異様な雰囲気。
 さらにその異様さを増大させているのが、
 このトンネルの高さ。
 不自然なまでのこの高さは何!?
 こんなの初めて見ました。

 
 中はごつごつの素堀のままです。
 ここの山全体が硬い岩盤で出来ているので、
 これで充分なのかも。
 さらに照明設備がありません。
 道幅も微妙な狭さです。
 軽自動車なら何とかすれ違える幅ですが、
 3ナンバーの車ではまず無理でしょう。
 
 反対側の坑口に出ました。
 出てすぐ急カーブです。
 このトンネルは両端が急カーブになってます。
 おかげで、いきなり車が横から現れるなんて
 ことが起ってしまいます。
 そんな時でも大丈夫。
 トンネルの前は少し広くなっていて、
 トンネルの中に車が居る場合は
 後から来た車は、
 外でちゃんと待っていてくれます。
 ここではそれが暗黙のルールみたいです。
 
 北側からトンネルを見た所です。
 ちょうど通り掛かった車のおかげで、
 トンネルの高さの程がわかります。
 大体6メートルぐらいでしょうか?
 3〜4メートルが標準の高さだとすれば、
 これは不必要な程の高さですね。
 2階建てバスですら楽々通れそう。
 こういうのって、
 トンネル前後の急坂を解消するために、
 床を掘り下げるそうな。
 
 坑口の周りを、金属の板で囲ってあります。
 これは補強してあるのでしょうか?
 それにしても、複雑なカーブに曲げてますね。
 全体的にコストを掛けてなさそうなのに、
 変なとこに手間を掛けてます。
 (変は言い過ぎ?)
 このトンネルの南側の前には、
 「トンネルのみち」と言う細い山道があります。
 1枚目の写真のカーブミラーの左側の所です。
 崖っぷちの山道ですが、これが旧道、
 つまり古い多賀坂越えの道の可能性があります。
 まあ、実際に見てみると「うそだぁ」って
 言いたくなる事受け合いですが…
 
 トンネルを抜けた先は、
 多賀坂の坂が続きます。
 このまま下ると
 ふもとの県道367号線まで出て行けます。

 こんな何でも無い風景の中に
 あんな素晴らしい?トンネルがあろうとは
 うれしい誤算ってとこです。

 やっぱり縦長で素堀はポイント高し。

 [2004年8月現在]

これは国道や県道のトンネルではないのですが、見た事も無いタイプのトンネルと言う事で、
レポートを作ってみました。ここは一見の価値がある所です。
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