【可児市-砂ヶ洞トンネル】
岐阜県可児市の素堀りトンネル。粘土の地層に掘られています。「二野トンネル」と呼ばれる事も。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 またまた行って来ました
 素堀り隧道。
 新興住宅地のそばにある隧道
 ではなく、トンネルはどんな姿か?
 昭和11年の地形図には載っている
 古いトンネルです。

 隧道周辺図はこちら→■周辺図■

 田園地帯を走る道から横道に入り、
 低い山に向かって行くと、
 間もなく「砂ヶ洞トンネル」が現れます。
 手前のカーブを曲がり
 山の斜面にぽっかりと口を開けたそれは
 それは…
 おお! 素堀り隧道!
 じゃなく素堀りトンネル!
 法面の玉石も雰囲気あります。
 
 正面から見た所です。
 ここもポータルなどの構造物はありません。
 質素な感じながら、
 トンネルのサイズは結構大きい物です。
 路面水が溜まっているけど、
 坑門の上から水漏れしてるみたいです。
 扁額が無いのでトンネルの名前がわかりません。
 ネット上で調べてみると
 「二野トンネル」と言う名前が出て来ました。
 でもロードマップには
 「砂ヶ洞トンネル」とあります。
 私的には「砂ヶ洞」の方が好みなので
 「砂ヶ洞トンネル」を採用しました。
 
 トンネル横の地層が剥き出しになった所を見ると
 しみ出した水に濡れて、何だか粘土みたいです。
 さわってみるときめ細かい手触りは
 まさに粘土であります。
 ってゆうか、粘土の山にトンネル?
 しかもコンクリートを吹き付けただけの?
 よく今まで崩れなかったもんです。
 知多半島の謎トンネル・内海トンネルは
 ひどい事になっているってのに・・・
 あ、それと左側には
 そのコンクリートの境が見えてるけど、
 手でパキっと剥がれちゃいそう。
 
 今来た道を振り返ってみた。
 カーブの向こうにJAの施設が見えます。
 昔は何も無い寂しい場所だったのでしょう。
 しかし今は北側に新興住宅地があるためか、
 県道なみに広い道になってます。
 広いだけあって、沢山車が通ります。
 気を付けねば( ̄ω ̄)≡3
 
 トンネルの中は真っ白。
 ちょっと無気味?
 壁はでこぼこと言うより、ざらついた感じです。
 短いトンネルなのに、
 途中に照明が付いてます。
 よく見るとこのトンネル、
 断面が丸くなくて、四角に近い形をしてます。
 スペースを稼ぐためでしょうか。
 確かに広々としてます。
 
 北側に抜けて来ました。
 坑門側面が地層の形に沿ってへこんでます。
 こちらにも粘土が顔を出してます。
 でもこれ、粘土とは少し違うようです。
 ちょっと調べてみましょう。

 …しばらくお待ち下さい…

 わかりました。
 これは凝灰岩と言う物だそうです。
 あと、砂岩や泥岩とかもあるそうです。
 まさに「砂ヶ洞」と言う名前がぴったり。
 
 北側の坑門の様子です。
 南側と同じような姿ですね。
 よ〜く見ると地層の傾きが
 トンネルの中に見えます。
 こちらも水漏れしてます。
 本当に大丈夫?
 何か大きな地震が来たらゴソッと崩れそう。
 
 トンネルの少し先には、
 山の地肌むき出しの法面があります。
 崩落を防ぐためのネットが被せてあるけど、
 ここの方が地層の様子がよくわかりますね。
 上の部分には不整合面があります。
 地層の堆積する角度が、途中で変わってます。
 この辺り一帯は「平牧累層」と呼ばれる地域で、
 約1700万年前に出来た地層です。
 その平牧累層からは植物やほ乳類の化石が出ます。
 このトンネル周辺でも化石が採れるそうですが、
 残念ながら見つける事が出来ませんでした。
 今度は根気よく探してみよう…
 
 でもね、
 貴重な化石が出る所でもあるので、
 化石採集が禁止されている場所や、
 私有地だったりする場所があるので
 注意が必要です。
 このトンネルの廻りは大丈夫みたいですが。

 さて、最後に砂ヶ洞トンネルの遠景の写真です。
 何だか鉄道模型のジオラマみたい。

[2004年11月現在]

砂岩とか泥岩などと言う、脆い地質の所に通すトンネルにしては、随分と簡素な造りになっています。
「内海トンネル」も、化石を産出する地層に造られているという共通点がありますが、
こちらは酷く崩れていて、入るのさえ危険な状態です。
それと雨が降った後は、雨水がだだ漏れになるので、うっかりすると濡れます。
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