【静岡県・佐久間ダム観光道路廃道(仮】後編
愛知県と静岡県に股がって建設された佐久間ダム。
県道1号線や県道288号線ばかり有名ですが、ダム南側にも忘れられた廃道と廃隧道があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 ダム建設のために使われたであろう隧道は、
 侵入不可能でした。
 想像していたのと違い、厳しい場所にありました。
 横を廻って反対側に行けないかと思ったけど、
 こちらも川岸の断崖絶壁を通らなくちゃならない
 大変危険な所でした。
 今回の探索のメインなのに、すごく残念。
 でも後半部分も何かありそうです。

 対岸から見た県道の下には、
 隧道の出口が顔を出してました。
 画面中央に坑門が見えますね。
 ここも河原から20mぐらいの高さにあります。
 坑門から左側を見て行くと、
 道が続いてるのがわかりました。
 (写真には写ってないよ)
 それにしても、ここは
 上からも下からも接近できない、
 まさに難攻不落の隧道です。
 
 さて、隧道の事は置いといて、
 先を急ぎましょう。

 路面には落石だけじゃなく、
 草も茂って来ました。
 轍がはっきりしなくなってきたので、
 長い事、車は入って来てないのでしょう。
 そして道を横切る物があらわれます。
 路上河川って言われるものです。
 コンクリートで固めてあって、
 谷からの水を、天竜川の河原に流してます。
 水の中を見たら、丸い透明な物が沢山あったけど、
 これってカエルの卵?
 踏まない様に、またいで行きました。
 
 ここで河原の様子も見てみましょう。
 さすがに広いです。
 でも水が無い。
 大小の岩が無数に転がってて、
 荒涼たる景色になってます。
 そんな河原には、
 所々にコンクリートの構造物が
 ころがっていたり、埋もれていたりしてる。
 この写真にも、左下から右上に向って
 あきらかな人工物が、
 斜めに横切っているのが見えます。
 これもダム関連の物でしょうか?
 
 さらには、こんな階段まであります。
 降りれるのかな?
 大丈夫。ちゃんと河原まで続いてますよ。
 でも、階段の先は河原に溜まった水たまりです。
 浅いので、何とかなりそうですが。
 ただし、この情報は2005年9月のものです。
 時間が経つほど、正確さは失われていきます。
 まあ、現地に行ったら、
 現場の判断を優先して下さいね。
 特にダム放水後に降りるのは危険です。
■後日、再訪問した時調べてみたら、
この階段の下の数段がありませんでした。
ここから河原へ下りるには、危険が伴います。

 佐久間ダムに到着です。
 めったに見れない角度からの撮影です。
 ここにも大きなコンクリートの構造物の
 破片が転がってます。
 ここに限らず、ダムの側には、
 謎の物体が転がっていたりしますね。
 ダム建設当時の写真を見ると、
 この辺りに水路隧道が2箇所あったようです。
 今はもう無いようです…か?
 いまいち歯切れが悪いのは、
 探索当日には知らなかったので
 思い出しながら書いてるからです。
 事前調査は大切ですね。
 
 これは推測になりますが、
 ここにあった2つの水路隧道は、
 ダム建設中に天竜川の水を
 迂回させてた物かもしれません。
 ころがってる構造物はそれの破片かも?
 
 目の前には、例の「トイレ展望台」のある山が
 そびえ立ってます。
 あの上に見えている穴がその「トイレ展望台」。
 高い。高すぎです。
 上から見た時はそんな高いとは思わなかったけど
 こんなに高い所にあったとは…
 かつては、あんな所で作業していたのですね。
 すごいなぁ。

 ようやくこの廃道の終点まで来ました。
 昔はここまでバスが往復していて、
 観光客を運んでました。
 写真の場所は、当時の駐車場跡になります。
 ここには売店とかの観光施設が
 あったんでしょうね…

 今はダム関係者しか来ないであろう
 寂しい場所です。

 建設当時の写真がここのサイトで見れます。
 『ダム・エンサイクロペディア』
 
 振り返って飛龍橋方向を見ると、
 今来た道が見えます。
 道は二股に分かれていて、手前に延びる道と
 上に上がって行く道があります。
 地図や地形図には、
 上に上がって行く道の方が描かれてます。
 そちらの道はとりあえず置いといて、
 下の道をさらに進んでみましょう。
 実はこの先に橋があるのが見えてて、
 どんな姿なのか気になってます。
 
 橋が… って
 また隧道が!
 なんて事でしょう。
 こんな所に隧道があります!
 ダム管理のための物でしょうか?
 よく見ると草地の上に轍が付いてます。
 車が通っていたの?

 ちなみにこの写真は、
 上に行く道の上から撮影したものです。
 そして、さっきから言ってる橋は、
 隧道の手前を流れる水路上に架かってます。
 
 さすがに管理用の隧道なんか塞がってるよね。
 って、開いてるし〜。
 なんですか?
 ウエルカム状態っていうの?
 入っちゃうよ?

 なんて冗談はさておき、
 とりあえずライトを準備しましょう。
 途中にあった廃隧道のために持って来たのが
 役に立つ事になろうとは…
 さて、マグライトを持って
 侵入開始です。

 ポータルはコンクリートで
 しっかり造ってあります。
 工事のために造られた物なのか、
 けっこう大きな断面です。

 隧道の中はひんやりしてます。
 出口の光が見えないので、
 塞がれてるかもです。
 
 フラッシュ無しで撮ったので、
 カメラが勝手に補正して、
 必要以上に明るく写ってるけど、中は真っ暗。
 路面には砂利が敷いてあるのか、
 じゃりじゃりします。
 ライトで照らしてみると、
 ここにも轍があるのが見えます。
 写真にもはっきり写ってるけど、
 タイヤというより、
 何だかキャタピラーの跡の様に見えます。
 ブルドーザーでも通ったの?
 ちなみにキャタピラーは商標名なので、
 本当はクローラーと言わないといけませんね。
 
 思った通り、“ふた”がされてます。
 この時は真っ暗でよく見えなかったけど、
 あとで写真を見て、こんな頑丈な物で
 塞がれていた事を知りました。
 この先は間違い無く、ダムの真下に出る筈です。
 このサイズの写真じゃよくわからないけど、
 右下に扉が付いてます。
 ここで人が出入りするみたいです。
 さすがにこの扉は開かないでしょう。
 たぶん向こう側から鍵が掛けられてる筈。

 こんな暗い所に、
 これ以上居てもしょうがないので、
 これにて撤収。
 

 さて、上に行く道の先はどうなってるか?
 分岐から急坂を上がって来ると
 ちょっとした広場になってます。
 道はそこで行き止りですが、
 頭上にはトラス橋が架かってます。
 こんな所にまた道が?
 って思ったけど、これは水路のための物みたい。

 取り敢えず今回のレポートは、
 現時点で知り得た情報で作成しました。
 これってあれです。見切り発車って言うの?

[2005年9月現在]


目的の隧道には入れませんでしたが、思わぬ所に隧道があったり、ダムの風景を一人占めしたり、
色んな楽しみを見付けられる道でした。あまり、おおっぴらには言えませんが…
※このレポートは暫定公開です。今後の取材によって、内容の変更がある事をあらかじめご了承下さい。

後日、再チャレンジして来ました。例の廃隧道への道は開けるのか?
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