【静岡県・県道1号線-隧道群】後編
静岡県と愛知県とに股がり、電力を供給している佐久間ダム。
その佐久間ダムを通る県道には、素堀の隧道群があります。途中から展望台へ行ける穴も…
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 その昔は観光地として賑わった佐久間ダム。
 今は、日曜日に行っても
 訪れる人はまばらです。
 昔は年間20万人の観光客が来たと言います。
 当時の写真を見ると、
 駐車場が観光バスでいっぱいです。
 それに、ダム下流の通行止になった道も
 観光バスが通っていたようです。
 それでは、後半のレポートをどうぞ。


 レポートの前半で書いた、
 完全閉鎖展望台がこれです。
 ブロックで塞がれてます。
 何もここまでしなくてもって位、完璧です。
 左の穴が展望台と公衆便所への入り口。
 さて、この小さなトンネルにも
 気になるうわさが…
 公衆便所へ降りる急な階段の手摺で
 首吊り自殺した人がいたとか・・・

 真相はブロックの向こうに封印されています。
 でも、封印される前の様子を
 よそのサイトで見ましたが、
 首吊り出来そうもない階段でした。
 
 残念ながら今となっては、
 どんな所か見る事は出来ませんが、
 公衆便所の下に展望台があるという
 変わった構造だったみたいです。
 やっぱり、建設工事に使われた
 プラントのトンネルなんでしょうか?
 次は、途中から分岐するトンネルです。
 ここは車が通れる程の広さがあります。
 でも真っ暗。
 床には落石があって、歩きづらいです。
 写真は出口付近から、
 県道のトンネル側を撮影したものですが、
 すごい無気味。
 
 足元を確かめつつ、ようやく出口に到着。
 目の前には、県道288号線が見えます。
 (車が走っている方の道)
 何だかこのトンネルからの方が、
 真直ぐに繋がって、
 道筋も自然なように感じます。
 そう言えば岐阜県の丸山ダムにも
 こんなトンネル内分岐があったっけ。
 丸山ダムの場合は、建設時に敷かれていた、
 鉄道のトンネルでしたが、
 ここはどうなんでしょうか?
 いずれにしても、
 トンネル内分岐は危険と言う事で、
 封鎖されたものと思われます。
 

 外へ出て来ました。
 こうして見ても、いたって普通です。
 中があんな素堀だとは
 まったくわかりませんね。
 観光客の皆さんはここを見て、
 一体、何だと思っているのでしょう?
 こういう正体不明な物があると、
 人はその欠落した情報を
 うわさや憶測などで埋めようとします。
 まあ「心霊スポット」なんてのは
 こんな具合に出来るのでしょうね。
 右側のスペースが県道288号線です。

 

 ここは佐久間ダムの展望台のある所の
 次のトンネルです。
 相変わらずの荒い素堀ですね。
 写真で見るときれいな路面に思えますが、
 実際はけっこう荒れていて、
 バイクなんかじゃきついです。
 それに、トンネル内は坂になっていて、
 真ん中あたりを境に下っているので、
 向こう側の坑口が見えません。
 中は明るいので、
 そんなに恐くはないです。

 
 やっぱりこっちも、
 あっさり目の坑門。
 都合上、佐久間2号トンネルって事に。

 トンネル工事用に造られただけに、
 業務用って雰囲気です。
 武骨な感じが、まさに男のトンネル ね。
 平日にはダンプが通るそうです。
 
 佐久間2号トンネルと3号トンネルの間に
 短い線形改良廃道があります。
 橋でもって、カーブを緩和しています。
 でも、奥にある施設のおかげで
 完全廃道には出来ないみたい。
 でも、向こう側は塞がれてます。
 そう言えばこの途中に
 工事中の所がありました。
 路肩の崩落箇所の修復みたいです。


 佐久間3号トンネル内部です。
 何か、どこも同じ様な景色ですので、
 写真見てても区別がつきません。
 ここのトンネル群には、
 途中に広い所があって、
 車が駐車できる程の幅があります。
 だからって本当に停めちゃダメよ。
 素堀の荒々しさが印象的なトンネルでした。
 日本の戦後の復興をになって来たダムだけに
 さすがに歴史の重みを感じさせる道です。

 [2004年8月現在]

佐久間ダムの周辺は、聞きしにまさる所でした。
もうちょっと早くに行っていればよかったと後悔しています。例の公衆便所は見てみたかったです。

2007年4月に訪れた時、上の3つのトンネルのうち、ダム側の2つのトンネルは、
路面が舗装されていて走りやすくなっていました。
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