【塩尻市-中央本線 旧大岨トンネル】
中央本線贄川駅の南北につづく廃線の遺構。国道のすぐ傍らにあるトンネルは危機的状況に…
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 贄川駅から北上すること約3.3km。
 旧トンネルが今でも
 口を開けている場所があります。
 外から写した画像は見た事があるけど、
 中はいったいどんな状態なのでしょう?
 そのトンネルはここ→■周辺図■

 国道19号線沿いの、
 民家が立ち並んでる場所の目の前に、
 山に入るような細い道があり、
 そこを上るとちょっとした広場があります。
 村外れの“辻”のような雰囲気です。
 小さなお堂に入った馬頭観音がいます。
 すでにトンネルが見えていて、
 いい雰囲気です。
 トンネルのポータルが写ってるけど、
 木が邪魔でよくわかりませんね。
 
 正面から見ると、
 廃トンネルの雰囲気満点です。
 トンネル自体のデザインは、
 他の明治の煉瓦トンネルと変わりありません。
 一般的なスタイルです。
 まあ、ここは雰囲気そのものを
 堪能しましょう。
 

 近くで見ると
 なんともボロイです。
 しかも土砂が詰めてあって、閉塞されてます。
 全長が300m以上もあるそうだけど、
 トンネル内の探索、早くも断念です。
 残念。でも、しょうがないか。
 ならせめて、入れる範囲だけでも
 見ておきましょう。

 
 崩れてますねぇ。
 なんだかこの付近の廃トンネルは、
 みんな煉瓦が崩れてます。
 積み方が甘いのだろうか?
 それとも地盤が弱いから?
 ひょっとして、煉瓦自体の重みで
 壁全体が沈んでいってるんじゃない?
 それで煉瓦の隙間が広がって
 崩れ落ちてしまったのかも。
 
 天井を見上げてみれば、
 煉瓦が一層分剥がれてます。
 隙間が広がれば、アーチ構造を維持出来ないので
 こんな風になってしまったのでしょう。
 最初はすごい圧力が掛かってるって思ったけど、
 ここのトンネルの、この上には
 ほとんど山がありません。
 それにしても、煉瓦が今にも落ちそう。
 左下の所の煉瓦など、垂れ下がってますよ。
 かろうじてモルタルでくっついてます。
 でも、そのうち落ちて来ますね。
 この画像はクリックで大きいサイズが見れます。
 
 10mぐらいで土砂がギッチリ。
 これは外から詰めたみたいです。
 さすがにここに登るのはやめました。
 天井の煉瓦がやばいですし。
 
 今度はトンネルの中から外を見てみよう。
 すごくイイ雰囲気だ。
 これだけでも来た甲斐があるってもんです。

 さて、頭上から煉瓦が落ちて来る前に
 さっさと退散します。
 
 トンネルの前から贄川駅の方に
 軌道跡が続いています。
 ガードレールがあるって事は、
 かつては車道だったの?
 この先は国道の頭上に残る、
 旧小岨陸橋跡があります。

 こちら側はこれぐらいにして、
 反対側の出口を見に行きましょう。
 
 国道19号線をさらに北上すると
 橋が架かっていて、
 その東側にトンネルがあります。
 でも、橋から離れていて、
 ほとんど見えません。
 なので思い切って、川から接近します。
 ちょっと国道から離れると
 このような渓流の雰囲気です。
 トンネルは右端の山の斜面の黒い部分です。
 滝でもあるのか、水が落ちる音が響いてます。
 さらに接近してみましょう。
 
 なんたる事でしょう!
 トンネルの中から水が流れ出ていて、
 滝になってますよ!
 ええっ? これ本当に鉄道のトンネル?
 水路隧道じゃないの?
 でも位置的にはさっきの大岨トンネルだよね。
 ちゃんと煉瓦で出来てるし。
 水路に改造されたのでしょうか?
 ここには橋が架かってたんだろうけど、
 対面の山の斜面には、
 橋台などの遺構は見当たりません。
 地形自体も変わってるようです。
 
 アップにしてみると、
 ポータルの煉瓦がよくわかる。
 削り取られたのか、
 がたがたになってます。
 でもアーチはきれいに残ってる。
 石積みは廃線後に
 造り直されたのだろうか。
 それにこのトンネルは間違い無く水没してるね。
 とは言え、さすがに確認は出来ません。

[2006年6月現在]

旧権現トンネルや旧鳥居トンネルと違い、ここはがっちり封鎖されています。
水路として利用されているからでしょうか?
どちらにしても、北側から出たらいきなり崖なので、どうしようもないですけどね。

「大岨トンネル」レポートはこれにて完了、と思ってました。しかし、
水の流れるトンネルは「大岨トンネル」ではない事が判明!( ̄□ ̄)
2008年8月に再び現地に行って、真の「大岨トンネル」を見て来ました。

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