【旧飯田線-大崩隧道・金比羅隧道】
飯田線は豊橋駅から辰野駅まで、都市部と山間部を縫うように走る長大ローカル線です。
そんな飯田線には、軌道の付け替えによって出来た、廃線があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 佐久間ダム建設による廃線以外にも、
 廃トンネルや廃鉄橋が多数存在します。
 ここにも新しく出来たトンネルのために
 捨てられた線路がありました。
 ネット上では見た事ある場所ですが、
 実際はどんな所なんでしょう?
 まずは地図で位置を確認→■周辺図■

 鶯巣駅側から北上して来て、
 鉄橋を3つほど見てきて
 「精進隧道」に辿り着きました。
 でも、そこから先は鉄橋に阻まれ、
 行く事が出来ないので、
 国道から次のトンネルに行きます。
 精進隧道の外を廻って、
 見えて来ました、次のトンネル
 「大崩隧道」

 あ。散歩の人が写ってる。
戸面沢橋梁

 これが目の前に立ち塞がって
 進路を阻んだ鉄橋です。
 低い位置に橋桁があるようだけど、
 下にはちょっと深い谷があって、
 なにげに危険です。
 ここにも国道の旧道があります。
 向こうの煙は精進隧道から見えた
 作業場の煙です。
 実は上の写真に写っていた人は
 ここの持ち主でした。
 
 まずは、国道の旧道の方から。
 路面はダートになってるけど、
 本来はアスファルトなんだろうか?
 高さ制限バーも残ってますね。
 タイヤの跡があるので、
 今でも使われているみたいです。
 
 で、上を見上げてみると
 精進隧道の東側の出口。
 先ほど出てきた所です。
 その内木に隠されそうな感じ。
 では、次のトンネル…
 じゃなくて隧道、
 「大崩隧道」に行きます。
 

 大崩隧道側の鉄橋の橋脚を
 真下から撮影。
 実はこの場所、私有地の中なのですが、
 さっき会った所有者の人の好意で
 敷地内に入れてもらって写したものです。
 でも、貴重な写真ってほどじゃあないか…

 普段は扉が閉まってるので、
 こっそり入っちゃだめよ。

 
 さて、それではいよいよ
 大崩隧道の探索にまいりましょう。
 国道から斜面を上がって
 隧道前まで来ました。
 下には高さ制限バーと国道が…
 けっこう高い。
 それにしても、
 いい感じに廃な雰囲気になってる。
大崩隧道

 これが「大崩隧道」だ!
 …普通ですが。
 ここも扁額が無いけど、
 ポータルの右の壁に
 小さな銘板があります。
 それでは線路を辿って行きましょう。

 
 中はのっぺりとした
 コンクリート巻きです。
 ここまではよく見る風景。
 しかし、前方には何やら
 明かりが見えます。

 あれは…
 
 なんと、窓が並んでいます。
 これは不思議な光景。
 飯田線の廃線の中でも有名な場所です。
 廃墟系サイトでも見かける所です。

 どうやらここは、
 ロックシェードの中みたいです。
 外から見るとよくわかります。
 
 今来た方向を見てみましょう。
 何故だか線路が途切れてる。
 窓には型枠の跡がくっきり残ってます。
 これで煉瓦で造られていたら
 どれ程幻想的なんだろう?
 時代が違いますがね。
 ここは1936年、昭和11年に開通した、
 もと三信鉄道の路線です。
 実は飯田線って、
 いろんな鉄道会社の寄せ集めなんですよ。
 
 窓から外に出てみました。
 外側は苔だらけです。
 面白い事に、きれいな所と汚れた所の境が
 はっきりしています。
 
 さらに国道上からだとこんな感じ。
 遺跡の様な雰囲気です。
 苔と汚れのせいで 森に溶け込んでます。
 大崩隧道の、まさにここがハイライト。
 ここさえ見ればOKでしょう。
 とは言え、最後まで隧道を
 探索しなければなりませんね。
 ちなみにこの写真は、
 隧道探索後に撮った物です。
 窓から下の国道に下りたら、
 隧道内に戻るのは大変そうですよ。
 一番奥の窓には階段があるけど、
 扉に鍵がかかってます。
金比羅隧道

 隧道の中の探索を続けます。
 内部は微妙に荒れ始めて来ました。
 すでにレールもありません。
 そ…それに
 コウモリだ!
 まるで洞窟のよう…
 ちょっとドキドキ。
 さらに進むと、 路面、じゃなくて
 路盤がでこぼこになって来て
 大きな溝まで出来てます。
 そして…
 
 水没してる…
 いきなり終了だ Σ( ̄□ ̄)
 さすがにこれでは行けません。
 しかも、先を見ても
 ず〜〜〜〜〜〜〜っと真っ暗。
 まだ半分以上ありそうですが、
 閉塞してるのかわかりません。
 それに隧道内には動物の糞があったので
 何かの動物が入り込んでるようです。
 そう言えばここらは イノシシが居るそうで、
 隧道の前にもイノシシの
 えさを探した跡がありました。
 
 イノシシ情報は、
 現地の人の目撃談なので確実です。
 気を付けましょう。
 さて、隧道は抜けられないので、
 国道を通って反対側に来ました。
 鉄橋は現役の飯田線の物です。箱桁橋です。
 旧線の物は中央に写ってる物、
 民家の隣に立ってるのが古い橋脚です。
 隧道のポータルは、
 わかりづらくなってるそうですし、
 民家の裏なので、ちょっと行くのは無理そう。
[2006年5月現在]

ここはネット上でも有名な場所なので、解説の必要は無いでしょう。
しかし、レポートにも書いた通り、冬になればこの近辺にもイノシシが下りて来ます。
山に食べ物が少なくなるので、人里にまで来て、えさを探す訳です。
大崩隧道の前の斜面にも、沢山の掘り返した跡があり、
隧道の中まで入り込んでいる事が考えられます。
冬だからと言って油断していると、隧道内でイノシシに遭遇しかねません。

2009年になって、ようやく平岡駅側の坑口を見て来ました
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