【長野県大桑村-旧野尻向橋】
長野県大桑村の野尻駅近くには、木曽森林鉄道の廃鉄橋があります。
しかし、そんな有名な物件のそばにもちょっと面白い物がありました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 木曽森林鉄道の鉄橋がまだ残ってるそうで、
 見に行って来ました。
 その時にいっしょに見付けた古い橋の跡。
 まあ、別に珍しくもないかな?
 って思ったけど、
 なかなかどーして、
 ちょっと変わった橋みたいです。
 取り敢えず地図ですよ→■周辺図■

 岐阜の中津川市から南木曽あたりの吊り橋や、
 木曽の森林鉄道跡を探していて
 気が付いたのですが、
 このあたりは橋があった跡がたくさんあります。
 私が見ただけでも6ケ所見付けた。
 その内の2つがこれ、野尻向橋の旧橋と
 その向うに見える、さらに古い吊り橋跡の主塔。
 そして木曽川を下って行った先に見える
 赤い構造物は、新たな橋の建設現場。
 木曽川をひとまたぎする
 ニールセンローゼ橋が建設中です。
 造られる橋と捨てられた橋が、
 この画面の中で同居してます。
 
 上の写真は現・野尻向橋から撮ったものだけど、
 旧・野尻向橋って個性的な形をしてる。
 旧道を木曽川に向って歩いて来ると、
 グランドのような広場があります。
 その先には川岸に残された橋脚と橋桁が…
 
 
 なんなんでしょうね? これは。
 橋台の下に階段ですよ。
 段の幅や高さはまさに“階段”。
 こんなのは初めて見ました。
 ・・・船着き場なんだろうか?
 それと橋桁は単純なコンクリートの固まりです。
 裏から見ると、縦にミゾが彫ってありました。
 こんな単純な構造で、
 車が通れたんだろうか?
 ちなみに、橋の反対側に行っても
 別になにも無かった。
 
 じゃあ橋を渡ってみましょう。
 と、言っても15m程しかありませんが。
 橋は親柱の前で閉鎖されてます。
 しかもけっこう古い柵です。
 錆びてるし、一部壊れてるよ。

 それに右側になんか立ってる。
 何かと思ったらテレビのアンテナ。
 こんな所にアンテナが立ってますよ。
 写真にもちらっと写ってます。
 
 親柱には当然のように
 銘板はありません。
 平べったい形です。
 ここにもミゾが彫ってある。
 これってデザインのモチーフなの?
 
 橋の上は・・・狭い!
 両端の穴はガードレールが付いてたのだろうか?
 これでガードレールがあったりしたら
 車なんか通れないんじゃない?
 それともこの橋って歩行者用?
 軽自動車ならギリギリ通れそう。

 対岸には何も残ってないようですが、
 川岸の壁が高くなってる所が
 橋が架かっていた場所です。
 
 最後にもうひとつの橋の跡も見てみましょう。
 わりあい小さな主塔です。
 銘板が無いので名前はわかりません。
 これは昭和初期の建設でしょうか?
 この周辺の発電所建設のための吊り橋とは
 少し雰囲気が違います。
 残念ながら薮に邪魔されて
 これ以上の接近は無理でした。
 昔はこの吊り橋に行くための
 道があったようですが、
 今は広場になっていて、
 まったく道の痕跡は無くなってます。

[2007年3月現在]

中途半端に残された廃橋梁ですが、ユニークな形や吊り橋跡など、
村の歴史が垣間見えて、ちょっと楽しい?物件です。
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