【長野県・松本市-中山橋】後編
長野県松本市を流れる梓川には、3つのダムが連続している場所があります。
そのなかの1つ、水殿ダムのダム湖に架かる吊り橋を見て来ました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 水殿ダムのダム湖に架かる「中山橋」
 遠目にはしっかりした
 問題の無い橋に見えたけど、
 その実態は…!
 まさかの、半壊物件だった。

 マジですか?
 遠くから見た時は、
 あんなにきれいに見えてたのに…
 こ…これは…
 素晴らしい!
 この壊れっぷり、この危うさ。
 古い吊り橋としての萌え度満点ですYO!

 
 これ、あきらかに誰か踏み抜いたよね?
 40年前に出来た時から使われてる
 オリジナルの部材なのでしょう。
 もうそろそろ限界が近いのかな?
 応急処置で板が縦に置いてあります。
 ありがたく使わせてもらいましょう。
 
 上に置かれた板は丈夫ですが、
 ゆっくり、そっと歩きます。
 でも、フラフラ揺れるよ。
 上下の単純な揺れじゃなくて、
 左右に揺れます。
 これで勢い良く歩いたら
 大変な事になりそうだ。
 
 ちょっと橋から見える景色も
 見てみましょう。
 左側を見ると水殿ダムが見えます。
 この角度からの眺めは、
 吊り橋の上からじゃなきゃ
 見る事の出来ない眺めです。
 ちょっと得した気分です。
 
 フラフラ揺れる橋を歩いて来ると…
 さらに酷い状態になってますよ!
 いったいいくつ板が落ちてるの?
 これ大丈夫なの?
 板の無い隙き間から、
 恐ろしい程の緑色の水面が見えます。
 落ちたら死は免れません。
 だからこそ渡る価値があるってもんです。
 慎重に足を踏み出しましょう…
 とか思いつつ、スタスタ通過。
 

 盛り上がってまいりました。
 正直こんなに面白いとは思わなかった。
 でも、誤解しないで下さい。
 面白いと言っても、
 板を踏み抜かないよう、慎重に歩いてます。
 まあ、危なそうな所には
 板が置いてあるので安心ですが…

 そろそろ対岸です。

 
 最後まで気が抜けないよね。
 こんな所も板が抜けてる。
 補修が古そうなので、
 けっこう前に抜けたんでしょう。

 …板を張り替えると言う
 発想は無かったんだろうか?
 …東電だからですか。そうですか…
 
 ああ、そう言えば、
 アンカレージはどんな様子なんでしょう。
 …よく分かりませんね。
 どうやらコンクリの固まりに
 メインケーブルが単純に
 繋がってるだけみたいです。
 
 渡った先はガケの中腹って感じ。
 なので、道も細いです。
 ここが一番ましな部分です。
 画面真ん中のパイプは、
 転落防止の柵です。
 雑な作りです。
 
 こちら側には銘板が無いですが、
 代りにこんな物が付いてた。
 橋を造った会社の物ですね。
 あ。これって銘板だ。
 無補剛吊橋って言うんだ。
 「群集荷重100KG/M2」
 1平方メートルに100キロが載っても
 大丈夫って訳ですか?
 人間2人分ぐらいかしら?
 
 では、橋を横から見た写真を、
 しかも下から見たものを
 撮影しましょう。
 おおっと、こんな所に階段が!
 これで降りれば、バッチリ写せますね。
 …って、急階段すぎるだろ!
 しかも、手作り感満点だし!
 大丈夫? これ大丈夫なの?
 乗ったとたん、階段ごと滑り落ちる…
 なんてコトは無いよね?
 
 取り敢えず大丈夫でした。
 横からの写真もバッチリ撮れた。
 橋桁の裏は、
 鉄材が××××の形に並んでます。
 
 これで中山橋のレポートはお終いですが、
 あの急階段の先が気になりますよね?
 察しのいい方ならお気づきでしょうが、
 あれが巡視路です。
 で、あの先がどうなってるかと言うと…
 崖に階段とパイプがへばり付いてる!!
 キケン! これは危険です。
 キケンな箇所です!
 看板に偽り無しです。
[2012年5月現在]

「中山橋」は昭和44年8月竣工の無補剛吊り橋です。
全長(支間)74m、幅1m。東綱橋梁株式会社が施工しました。施工主は東綱商事。
この会社は他に、愛知県の香嵐橋や岐阜県のアカンダナ吊橋などを施工しました。
メンテナンス業務も行なっているようですが、
この中山橋のメンテナンスも、早いとこ依頼した方が良いと思いますよ、東電さん。
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