【愛知県・新城市-名号橋】
愛知県の吊り橋を調べてみようと、地図や空中写真で探したところ、怪しい橋を発見。
現地でようやく探し出したその橋は、もうすでに・・・
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 愛知の新城市に流れる宇連川には、
 いくつか吊り橋があります。
 歩行者用の遊歩道みたいな物だけど、
 このレポートの橋は、
 空中写真で見ると、吊り橋みたいなので
 他の橋を見に行くついでに行って来ました。
 しかしそれは、予想を上回る姿で・・・

 地図ではわかりやすくても、
 現地ではわからないものです。
 特に歩道みたいな道はね。
 あっち行ったり、こっち行ったり、
 ようやく探し出したのがここ。
 飯田線沿いの細い道から、
 怪しい小道が分かれてます。
 下の方を見ると、木の隙き間から
 吊り橋の姿が…
 
 やっと見付けたぁ…!
 じゃあ、さっさと渡ってしまおう。
 なんて思ったけど、
 なんか、人が通った雰囲気がナイ。
 雑草だらけで、廃な雰囲気です。
 これは、忘れられた橋なんだろうか?

 うわ。これは完全な廃橋梁だ!
 主塔が森に飲み込まれてる。
 
 おお〜… これはこれは…
 こんな素晴しい廃物件だったなんて。
 現役の吊り橋だとばかり思ってたので、
 いい方に予想が裏切られた?
 ロープが張られて通行止めされてます。
 その向こうに見えるのは、
 壊れて歪んだ橋の姿ですよ・・・
 え? あれ? 渡れない?
 
 まあ、取り敢えず
 周りをよく観察してみよう。
 橋の名前は・・・
 ばっちり書いてあります。
 「みょうごうばし」
 ここの地名が「名号」なので、
 そこから付けた名前ですね。
 現役の橋でも、銘板が無い物が多いのに、
 廃物件で残ってるのは珍しいかも?
 しかもプラスチックの板みたいだし…
 
 主塔は金属製で、
 さびさびですが、
 なかなかに丁寧な作りです。
 どこを向いても木と雑草だらけなので、
 全体像が写せません。
 こういう場合は、橋の上から写すのが
 手っ取り早い方法ですが、
 それは無理。
 
 足下がこんな具合じゃねぇ・・・
 主塔は金属製なれど、橋桁は木製です。
 板が抜けてる。
 いや、抜いてある?
 渡れないようにしてあるのですね。
 ちょっと渡ってみましょう…
 ・・・
 はい、無理ですね。
 木材が完全に腐ってます。
 体重を支えられそうにありません。
 

 木が邪魔で、立ったままじゃ
 写真が撮れないので、しゃがんでます。
 しかも橋桁に乗ってるので、
 ちょっと怖いです。
 こんな場所でも揺れるし・・・!
 さて、橋桁の床板が酷い事にィィ…
 木造建築の廃墟の床板みたいだ。
 それに波打ってるし、乗ると壊れそう。
 それなのに、残った板が
 渡れそうに見えて、悩ましい状態だ。

 

 しょうがないので、橋の全景を写そうと
 川の方に下りてみました。
 でも、撮れたのはこんな程度。
 木が邪魔で、なにがなにやら
 よくわからない写真しか撮れなかった。
 これは冬にまた行ってリベンジか?
[2010年10月現在]

 冬になったので再訪しました。
 続編へゴー


平安時代に、弘法大師がこの地を訪れた折に名付けたと云われる「名号」の地名。
名号とは仏教用語で、南無阿弥陀仏の六文字を、六字名号と言います。
この吊り橋は何の為に架けられたのか?
すぐ近くに、飯田線の柿平駅があるので、名号の集落から駅へ行く為の橋だと思われます。
柿平駅は昭和4年に鳳来寺鉄道の駅として開業しましたが、
国有化されて国鉄・飯田線となって一旦廃止されました。
昭和25年に地元の人々の請願で復活したので、この時に連絡用として架けられたのでしょう。
利用する人も少ない無人駅であり、近くに車も通れる橋もある事から
名号橋を渡る人が居なくなり、これ程まで荒れてしまったのかもしれません。
・・・本当のところはわかりませんが・・・
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