【岐阜県・高山市-宮川の吊り橋】
岐阜県高山市の宮川沿いには、かつて森林鉄道が通っており、今でもトンネルがあります。
そんな宮川に、吊り橋らしき物があったので、紅葉シーズンに行って来ました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 以前地図で隧道らしき物を見付け
 それが林鉄跡だと知って
 いつか見に行こうと思ってた所です。
 グーグルマップで見ると
 小さな橋の表記が・・・
 写真もあって、吊り橋っぽい姿が写ってる。
 雪が降る前に見に行かねば。

 国道41号線から県道98号線に入り
 途中から県道453号線と走り、
 県道が2度目に川を渡った所に
 この景色があります。
 うわ。何と言う
 すばらしき紅葉!
 それに吊り橋もい〜い雰囲気だわ。
 これは何かの施設なんだろうか?
 
 地図には「やかた文左」とあります。
 料理旅館だそうです。
 …でも、様子が変です。
 人の気配がありません。
 今年の営業はもう終わったから?
 っていうか、何年も人が入ってないようで
 雑草がびっしり生えてる…
 廃墟なんですか?
 建物も痛み始めてるし
 これ、廃墟だよねぇ???
 

 周りが黄色く色付くこの季節に、
 だ〜〜れも居ないので、
 遠慮なく見せてもらいます。
 建物の横を通って裏側にまわると
 ありました。
 小さな主塔の素朴な吊り橋です。
 安全対策なのか、
 ケーブルにクッションが巻いてある。
 旅館の橋だけあって、気配りされてます。

 
 単純にパイプを組み合わせた主塔です。
 扉が付いてますが、開け放たれてます。
 やっぱり管理を放棄されてるの?
 何枚か札が下がってますが、
 まあ、吊り橋にはよくある注意看板です。
 主塔には青いペンキの跡があるけど、
 このロケーションなら赤色でしょう?
 あ… ひょっとして
 赤は“赤字”に通じるから…なのかな。
 
 さて、渡ってみましょう。
 真ん中あたりが垂れ下がってるので
 下り坂になってます。
 しかも、濡れた落ち葉がたまってて
 滑りやすいです。
 ここは慎重に歩きます。
 それでも揺れます。
 古そうな木造橋桁なのでちょっと心配。
 

 橋の上から滑りやすい
 問題の箇所を見てみましょう。
 一応滑り止めの角材が付いてます。
 って、橋桁が歪んでる!
 どうやったらこんな所が歪むのよ?

 

 ここにも札があります。
  危険だからゆらすなよぅ…(涙)
 ってな事が書いてあります。
 た…確かに、揺らしたくなるかも?
 いやいや、揺らしちゃいけません。
 壊れますよ。

 

 渡りきりました。
 橋桁は見た目ほど痛んでなさそうで、
 問題無く渡れました。
 渡った先は森の中ですが、
 ここも「やかた文左」の
 施設の一部のようです。
 野外施設らしき建物があるけど、
 骨組みだけになってた。

 
 こっちのケーブルはむき出しです。
 現地じゃ気が付かなかったんだけど、
 後から画像を確認すると
 なんと!
 木の後ろにある岩に巻かれたワイヤに
 メインケーブルが固定されてる!
 岩アンカレージだ。
 
 こちらの主塔は階段付きです。
 なぜ階段が必要なの?
 って思ったが、
 橋桁を上に持ち上げた為に
 階段を付けたのかも。
 それにしても紅葉がきれい。
 黄色い葉っぱのおかげで
 景色全体が黄色に染まってます。
 
 河原に下りて裏側も見てみよう。
 オール木造製の橋桁です。
 真ん中に何かのパイプが通ってます。
 すごい垂れ下がってますよ。
 これでこちら側に階段が無かったら、
 下の岩に橋桁が付いちゃいますよ。
 っていうか、
 真ん中を持ち上げるスタイルにすれば、
 あんな階段など必要なかったのに。
 
 橋の横から県道を見た景色です。
 なんか、観光PRポスターにでも
 使えそうな写真だよ。
 さて、「やかた文左」が
 廃業したのかしないのか
 謎が残りましたが、
 こんな季節に営業しないなんて
 勿体ない事です。
 ★ちなみに林鉄跡隧道はこちら
[2012年11月現在]

この橋の正体は、十中八九「やかた文左」の架けた吊り橋でしょう。
「やかた文左」について調べてみたら、
廃業したという情報と、今年も食事に行ったという情報がありました。
地元では流しソーメンで有名な店だそうで、旅館としての営業はしていなくても
夏の間だけ、流しソーメンの店として営業しているのかもしれません。
道ネタ「橋梁」TOPへ…