【愛知県・名鉄三河線-“山線”廃線-4】鉄橋〜枝下駅
愛知県の真ん中を南北に横断している名鉄三河線。
豊田市の西中金駅から、吉良町の吉良吉田駅までを結んでいました。
この三河線は、途中の知立駅を境に、北を「山線」南を「海線」と言う事があります。
今回はその「山線」の廃止区間、猿投(さなげ)駅から西中金駅の間の廃線跡を見て来ました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 廃止後3年の鉄橋は、
 渡れそうな程のイイ状態でした。
 でも、渡りませんでしたけどね。
 さて、次は「枝下駅」に向います。
 “えだした”じゃなくて“しだれ”駅です。

 前回の場所から猿投駅側に少し歩くと
 路盤上に何やら出っ張りがあります。
 なに? なんだろう?
 これはバス停ですね。
 いつの間にかこんな所にバス停が出来てます。
 さなげ足助バスの「枝下平岩」停です。
 ふ〜ん、鉄道の代わりにバスが走ってるんだ。
 どれだけの本数があるんだろう?
 ―って、1時間に1本しかないよ。
 平日の朝夕に2本づつあるだけで、
 後はすべて1本だけです。
 しかもごていねいに、みんな同じ時間に。
 でもまあ、1日に1〜2本しかないよりましか…

 途中にあった踏切り跡には、
 警報機があった土台が残ってました。
 ボルトもそのまま残ってますね。
 3年も経ってるのに、
 こんなに残ってるなんて珍しい?
 珍しいと言うより、
 こんなガラクタ誰もほしがらないか。

 となりの県道は、たくさん車やバイクが通 ります。
 こんな雑草だらけの所を歩いてるのって、
 やっぱり変な人に見えたりするのかな?
 じゃあ県道を歩けってか?
 いやいや、それじゃ廃線探索にはならないよね。
 平行する道路を使うのは最後の手段です。
 でも、そのうち
 そんな事が言えなくなるのですが…

 目の前の青い橋は「猿投グリーンロード」です。
 右に行けば名古屋市方面、
 左に行けば足助方面です。
枝下駅

 猿投グリーンロードの高架橋をくぐると、
 そこは「枝下駅」跡です。
 え〜と・・・なにか変です。
 駅のホームは残ってますが、
 手前のこれは… 花壇ですか?
 なんか色々植えられてます。
 これは・・・
 駅の再利用なのか?
 

 なるほど。
 「わくわくひろば」BY 枝下町って訳ですね。
 現役時代にはなかった時計まであります。
 駅と駅前広場の再生をしているみたいです。
 三河広瀬駅の場合とは
 また違ったアプローチですね。
 ここはお花いっぱにするんだろうか?
 どうせならもっとお花で埋め尽くすぐらい
 大量に植えればいいのに。
 でも、まだ造成中なので、
 今後どんな“ひろば”になるのか、
 “わくわく”して待ってます。

 
 駅名表示も健在みたい・・・
 あ。よく見たら、現役時代と違う。
 駅名に(駅跡)って付いてる。
 これも再生された物の一つですね。
 

 廃止直後はこんな様子でした。
 なんだか投げやりな感じです。
 まさに“捨てられた”ってわけだね。
 なにもかも終わった。
 すべて夢だった。 みたいな?
 それがあんな風に復活するなんて
 まったくの予想外です。

[これのみ2004年9月現在]

現役時代の枝下駅

 現役時代もお花はいっぱいだったね。
 この日は鉄道ファンの人が
 たくさん居ました。
 もう二度と見れない景色です。

[2004年3月現在]
 
 さて、話を現在に戻して…
 ここは昔のままの状態で残ってます。
 このミラーにはもう写す列車が通らないので、
 何のために残されたんだろうか?
 でも、この木の柵は何?
 線路のところが大きく空いていて、
 まったく役に立ってナイんだけど。
 先に見える工場との境を封鎖してるのかな?
 では、廃線探索を続行するため
 ホームから線路に下りて
 この役立たずの柵をくぐります。
 
 
 ここの枝下駅でも
 貨物列車が荷物の積み降ろしをしてました。
 ここ! ちょうどここから線路が分かれていて
 ホームの西側のもう1本の線路に、
 貨車が入って行ったそうです。
 そう言えばやけに広い駅前だと思ったら、
 貨物列車の線路があったからなんだ。
 写真の右側に写ってる工場から
 荷物を運んでたのだろうか?
 線路側にあるシャッターがそれっぽい。
ボックスカルバート

 工場の南はじ辺りから水が流れていて
 ちょっとした水路になってた。
 粘土を扱ってるからなのか、
 白く濁った水だった。
 それで、水路があれば当然橋もあります。
 それもコンクリート製だ。
 鉄橋じゃないのね?
 アーチじゃなくて四角い形をした、
 ボックスカルバートってヤツです。
 
 線路脇にはこんな細い山道が通ってます。
 この道は線路を渡って、
 川岸に下りるための道のようです。
 画面の奥に矢作川の水面が見えます。
 よく考えたらこの場所って、
 大変危険だったのでは?
 だって木が邪魔で、
 接近する列車が見えないよ。
 恐る恐る顔を出して安全確認すると、
 いきなり目の前を列車が通過!!
 ・・・音がするのでわかるよね…
 列車が来るの ( ̄▽ ̄)
 
 森と森の間で、何かを栽培してるような場所が。
 低い木が斜面に植えられてます。
 ・・・なんて呑気にレポートしてるけど、
 小さな羽虫がたくさん飛んでます。
 ほら、夏になると田んぼの上とかに
 固まって飛んでる虫。あれです。
 なぜだか線路の上に
 その虫の固まりがたくさんあって、
 何度もその中を突っ切るはめになった。
 
 こういうのも見所の一つですね。
 何かの溝です。
 なにげに手の込んだ作りです。
 ケーブルでも通ってるのかしら?

 線路はここから切り通しの中を通ります。
 
 本当に山岳鉄道みたいな雰囲気。
 ごつい岩だけど、崩れてます。
 これは花崗岩ですよ。
 どうりで崩れる訳だ。
 現役時代からここは、
 崖崩れポイントだったのでしょう。

 ここからはちょっとした住宅地が見える。
 けっこう新しめの家が多いので
 ここ最近、10年以内に建てられたっぽいです。
 畑や工場のサイロなんかも見えるし、
 ほっとする景色だけど、
 反対に廃線跡は薮が酷くなって来ました。
 それに・・・虫が・・・
 
 虫がまとわりついてきて、
 うっとうしいです。
 ええ、もう顔の周りをぶんぶん飛んで
 ムキ〜〜〜〜ッ ってなりますよ!

 あ。これは、架線柱の跡だ。
 地面から50cmぐらいの所で切られて、
 トマソン物件と化してる。
 「あべさだ」ってやつです。
 さっそく撮影だ。
 ―って、虫がカメラの前を飛び回るよ。
 え〜い、じゃまだじゃまだ!
 これ以来、撮影のたびに
 虫を追い払わなくてはならなくなった。
 
 廃線跡はますます荒れてきました。
 場所によって荒れ具合に差があります。
 陽当たりが良くても、
 雑草が少ない所もあるので、
 何が理由で差が出るのだろう?

 ここらも切り通し?
 前方には、なにやら橋らしき物が…

 ( ̄△ ̄)ノシ 〜・
おおがまはし

 橋です。
 線路の上を橋が越えて行きます。
 それに黄色くて大きな物が通ってく。
 工事車両?
 どうやら舗装工事の最中のようです。
 橋の右に見えるのがそれです。
 作業員も見えます。
 いや、見られてます。
 こんな草ぼうぼうな廃線跡を歩く人って、
 おかしなヤツって思われてるんだろうか?

 ( ̄△ ̄)ノシ 〜・
 
 橋の上から見た山線の廃線跡も撮って来た。
 これは猿投駅方面を見ています。
 これから行く方向ですね。
 ちなみに橋の名前は「おおがまはし」
 昭和41年12月の架設です。
 橋自体の写真が無いのは、
 まあ、あんまり面白いアレでは無いので。
 ってゆうか、単なる撮影し忘れ。

 それとこの橋ってば、
 ちょっと広めの1車線だけど、
 ダンプが結構通るので注意が必要です。
 ここで撮影してる最中に
 ドガガ〜〜〜って通られたら・・・
 こわいっス。

 これまた山菜っぽい植物が
 まるでゲートのように立ってます。
 廃止後3年でこんな状態じゃ、
 あともう3年もすれば、
 木が生えてきそう。
 次は、またまた長い鉄橋に行きます。

 ああ、それにしても虫がウザイ・・・
 ・〜 ( ̄□ ̄)ノシ 〜・

[2007年5月現在]

今だに生活に密着している場所。鉄道の記憶を留めておこうとしている場所。
見る影も無く、荒れている場所。
ひとつの路線で、場所によってこんなにも明暗が別れるという、見本のような所でした。
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