【愛知県・名鉄三河線-“山線”廃線-2】西中金駅〜三河広瀬駅
愛知県の真ん中を南北に横断している名鉄三河線。
豊田市の西中金駅から、吉良町の吉良吉田駅までを結んでいました。
この三河線は、途中の知立駅を境に、北を「山線」南を「海線」と言う事があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 三河線の廃線跡、
 期待以上でした。
 ほんの3年前まで列車が走っていたのが
 ウソのような荒れぐあいです。
 お次はもう1つのトンネルに行きます。

 まだ地図を見てないなら→■周辺図■

 再び小さな鉄橋まで戻って来ました。
 で、いったん下の道路まで下りて
 あらためて築堤を上がります。
 鉄橋の上を歩けば
 簡単なんだけど、
 この道って、思ったより車が通ります。
 見てのとおりこんな目立つ所にあるし、
 鉄橋を歩く人がいたら
 怪しすぎです。
 
 猿投駅側からから西中金駅方面を見てます。
 先ほどのトンネルは、
 線路の先の森の木がへこんだあたりです。

 それでは向きを変えて
 廃線探索再開です。
 
 陽当たりがイイのか
 線路の中まで植物が生えてます。
 あともう3年もしたら激薮になりそうな感じ。
 今ならまだ歩きやすくて
 廃線探索におすすめかも?
 前方にトンネルが見えてきました。
 って、上しか見えないよ。
 どうやら上り坂になってるようです。
 たとえるなら、階段の下から
 見上げてる感じ?
 この写真ではちょうど
 見上げる位置にトンネルがあります。
広瀬トンネル

 目で見てもわかる程の急坂なので、
 列車がここからブレーキをかけるわけですが、
 寒い冬には、ブレーキング中に機械が凍って
 ブレーキが戻らなくなって
 列車が途中で止まってしまった事が
 あったそうな。
 昭和38年の話だそうです。
 さて、次は「広瀬トンネル」です。
 241mの長さがあります。
 こちらは普通にコンクリートのトンネル。
 壁に何かのスイッチボックスがあった。
 

 電化されてただけあって、
 中のアーチは高いです。
 路盤の左右にあるのは側溝でしょうか?
 壁はコンクリートで
 きれいに補修されてます。
 現役時代はけっして見る事が出来ない景色です。
 錆びたレールが廃線の証し。
 そのうちここもフタをされちゃうんだろうか。
 そういえば、
 名鉄の廃線でトンネルがあるのって、
 ここだけなんじゃない?

 
 反対側に出ました。
 こっちは雰囲気満点。
 とは言え、トラ柵が雰囲気ぶち壊しだけど…
 名鉄さんも、こんな所だけ
 仕事きっちりだね?
 廃線になってすぐに塞がれてたし。

 それとトンネルの横には
 すっぱりと切り取られた跡があります。
 ナイフでサクッと斬ったみたいに。
 邪魔な岩をどけたのかな?
 

 広瀬トンネルを抜けると、
 森林地帯はいったんお終い。
 しばらくは切り通しを進みます。
 ここらは花崗岩地帯らしく、
 切り通しはごつい岩だらけ。

 
 目の前に広がる田園風景。
 目の前に立ち塞がるバリケード。
 廃線跡は田んぼの中を通って行きます。
 ここはこんな感じなので
 一気に通過します。
県道355号線の踏切り

 県道と踏切りです。
 県道といえど3ケタ県道なので狭いです。
 2mって標識が立ってます。
 ここから見る限りじゃ、
 なんてことのない踏切りですが・・・
 踏切りを越えて西側に来ると、
 すぐ横にも踏切り跡があります。
 別に珍しくもないって?
 
 実は手前の踏切りは、この路線の現役時代から
 塞がれてました。
 写真の右はじの柵がそうです。
 県道の旧道?
 でもこちらの方が広いよ?
 地図を見るとこっちが県道になってる。
 じゃあ向こうが旧道?
 現地で見ても現・県道の方が旧道に見える。
 何かの理由で新しく造った道を封鎖して、
 古い道を再び県道としたのだろうか??
 謎の踏切りです。
 
 ちょっとした住宅地を過ぎて、
 ここからまた森の中に入って行きます。
 右には最後の民家があります。

 前方になにやら怪しいモノが…
 
 倒木が
 どた〜〜〜〜って倒れてます。
 これは台風のしわざでしょうか?
 こんなに盛大なのはめったに見れません。
 まさに廃線ならではですね。
 これが倒れた時って
 さぞかし大きな音がしたコトでしょう。
 恐いですね〜〜
 しかし10年もすれば、ボロボロに腐って
 ただの木片になっているでしょう。
 
 少し歩くと周りは竹林に。
 左右から竹が侵攻して来てます。
 あと4〜5年で線路跡からも
 竹の子がニョキニョキ生えて来るかも?
 タケノコって地面に頭を出す前に掘ると、
 生でもおいしく食べられるんだって。
 
 また開けた場所に出ました。
 ここは緩やかなカーブになってます。
 まあ、鉄道のカーブは
 たいてい緩やかなんですが…
 まだまだ森の中かと思ったら、
 遠くに住宅地が見えます。
 後で地図を見てみたら
 どうも県道355号線沿いの民家みたいです。
 なんだかたまらなくローカルな雰囲気。
 
 また竹林です。
 写真じゃ表現しきれてませんが、
 微妙な光と空気感が絶妙でナイスです。
 まさに若竹色の空間。
 静寂そうに見えるけど、
 風が吹くたびに
 パンッ! とか、バシンッ! なんて音が…
 おなじみの竹が割れる音ですね。
 
 右側に矢作川が見えはじめて、
 大きな切り通しを過ぎれば次の駅
 「三河広瀬駅」です。
 左の切り通しの上には「広瀬神社」があり、
 踏切りの横には地蔵堂もあります。
 その地蔵堂の前には喫茶店があるけど、
 廃線後はお客が減ったりしないのかしら?
三河広瀬駅

 さて、三河広瀬駅に到着しました。
 廃止後3年も経ってる風に見えないですね。
 なんか、1年前に来た時より
 きれいになってますけど?
 
 あらあら、本当に綺麗ね。
 菜の花がたくさん咲いてます。
 これは、今だに管理されているからですね。
 踏切りの警報機が無い以外は、
 現役時代とあまり変わりないようです。
 次はこの生まれ変わった?
 三河広瀬駅のレポートからスタートです。

[2007年5月現在]

これぞ廃線探索という風景です。
人の手を離れた建築物は、自然更新によって森へと回帰を始めていました。
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