【岐阜県・県道86号線旧道-旧井上橋】前編
岐阜県下呂市にある「馬瀬川第二ダム」。
そこのダム湖の傍らにある旧道の廃橋梁はすでに、渡れない状態になってました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 ダムが造られる時、
 元あった道は水没し、代わりに高い位置に
 新たな道を付け替えます。
 ここもそんな旧道のひとつかと思ったけど、
 どうも違うような…
 ちょっと微妙な感じ。

 微妙な橋はここに→■周辺図■

 国道256号線から県道86号線に入り、
 そのまま北上すると、
 間もなく馬瀬川第二ダムに着きます。
 その横を抜けてさらに北へ進むと
 ダム湖に架かる港橋があり、
 今回の目的地の廃橋梁はそのすぐ先です。
 県道の青いトラス橋「井上橋」を過ぎて
 60mぐらいの所に、旧道の入り口があります。
 ちょうど←ここですね。
 夏は薮に閉ざされてますが、
 冬なら楽に侵入出来ます。
 
 山道のような道が、
 湖面に向って下りて行きます。
 旧道にしてはかなり狭いです。
 それに、ほとんど自然に帰ってます。
 ここら辺りは、湖面がすぐそこにある。
 水面を覗き込んでみると、
 けっこう急斜面になっていて、
 斜面の先はすぐに見えなくなってる。
 落ちたら大変だ。
 
 なんて思ってると、
 路面が崩れて半分以上ありません。
 なんか、かじり取られたみたい。
 でも、路面の断面をよく見たら、
 アスファルトが見えます。
 舗装されてたんだ。
 廃道になって長い時間たったのか
 すっかり落ち葉に埋もれてたんだね。

 さて、ここを越えると、
 もう少し広い所に出ます。
 
 これが今回の主役、馬瀬川の廃橋梁。
 旧・井上橋です。
 水につかってます。
 現道のトラス橋との差は
 5〜6mぐらいでしょうか?

 正面奥にある、現道とダム湖の間の
 ちょっとした林が、旧道の通っている場所です。
 
 ダムが出来る前の旧道はたいてい
 完全に水中に没してるもんだけど、
 ここは何か変。
 水没が中途半端な感じがします。
 中途半端でもこれじゃあ渡れませんね。
 でも、よく見ていたら水が流れてます。
 しばらく待っていたら、
 どんどん水が引いていった。
 これはラッキー(≧▽≦)
 今の内に橋を渡っちゃえ。
 いえ、それは無理。
 すぐに元の状態に戻っちゃいます。
 
 今度は、現道の橋の上から見てみましょう。
 旧道橋の先は“ぽっかり”ありません。
 ちょうど橋台の部分がごっそりと
 流されてしまってます。
 水中にゆらめく廃道が幻想的だね。
 
 崩れた橋台の先には、
 ガードレールの跡があります。
 しかし、ここは普段から
 水没している訳では無いでしょう。
 いつも水没してたら植物が生えてる訳ないです。
 どうやら今日は、普段より水が多いようです。
 
 現道橋の南側から見るとこんな感じです。
 対岸には乙原の集落があります。
 最後に2年前に初めて行った時の
 写真を見て下さい。

[2006年3月現在]
 
 2年前の様子です。
 これが本来の旧道橋の状態。
 水面から結構な高さがあります。
 もしかしたらこの橋自体が、
 付け替えられた県道なのかもしれません。
 この旧道を南側に行くと、
 港橋の手前で現道に合流してます。
 増水時に橋が水没する事がわかって、
 新たにもっと高い位置に橋を架け直した、
 と言うのが本当のところなのでしょう。

[この写真のみ2004年3月現在]

旧道は現道と比べると、半分ぐらいの幅しか無い“険道”だった訳です。
ダム湖の増水時には、たびたび通行止になっていたのでしょう。
その度に対岸の道を迂回していた、なんて事を想像してしまいます。

後日もう一度、水の少ない時期に行って来ました。
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