【国道420号線-段戸トンネル旧道】
愛知県の奥三河の設楽町と下山村の境を、細い道で越えていた国道420号線。
新段戸トンネルの開通によって、旧道化した道は半分封鎖されています。
ちょっと前の現役時代、酷道と言ってもいい程の道の現在の姿を見て来ました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 国道420号線は現在は、
 広い新段戸トンネルを通っているけど、
 旧道は、さらに高い所にある峠を目指します。
 その峠を、短いトンネルで越えているのですが…

 周辺図はこちら→■周辺図■

 まずは、新段戸トンネルを越えて
 東側から旧道に入ってみます。

 この辺りの道は、
 ダンプですらすれ違える程の幅があります。
 しかしこの先にある、
 旧道と林道の分岐点の手前で
 道幅は急激に狭くなります。
 林道があるおかげでしょうか?
 なんだか、路面には砂利が散乱してます。
 
 

 二股に別れれる道を、左に行くのが旧道です。
 少し行くとゲートで封鎖されてます。

 この先、荒れた道が続いている事が予想されます。
 その展開は望む所なのですが、
 ひとつ気になる看板が…

 

 『熊出没注意』って書いてあります…
 熊って、ベアーの事ですね。
 「ベアー」なんて言うと、
 テディベアみたいで可愛いけど、
 漢字で「熊」って書くと恐い存在になります。
 さすがにこれは、冗談ではありませんね。

 さて、どうしよう?
 いきなり路上で出会う事もなかろうと、
 入ってみる事にします。
 では、ゲートの脇を抜けて中へ。
 

 
 思った通り、すっかり廃道化しています。
 でも、廃道としては並レベルですね。
 廃道歴はそんなに無さそうなので、
 ここから段戸トンネルまでは
 こんな感じの道が続くのでしょう。
 ちょっと調べてみたら、新段戸トンネルは
 平成13年11月開通だそうです。
 廃道歴3年?
 3年でこんなになってしまうなんて…
 ちなみに、ここの探索したのは
 2004年7月(平成16年)です。
 

■呑気にコメントしていますが、さすがに「熊」の一文字にはビビリます。ここまで100mぐらい侵入して来ましたが、その間、普段の3倍は警戒しました。それはさながら戦場の最前線で、敵兵を警戒しつつ進軍する兵士のごとくです。しかも丸腰で…
この先、旧トンネルまではけっこうな距離があるので、ここいらで撤収します。
ここに来るなら、万全の熊対策をしないと…
いや、そもそもこんな所には来ない方がいいでしょう。

 

 新段戸トンネルを西に戻って
 改めて旧道に入ります。
 こちら側は、通行止などされておらず、
 普通に車で進入できます。
 旧道上を砂が流れてるけど、
 どうやら、雨が降ると川になってしまうみたい。

 そんな事より、ここにも気になる看板が…
 「段戸トンネル通行不能」ってあります。
 通れないの?

 
 こちら側の旧道は今でも利用されていて、
 この日も、
 軽自動車が2台上から降りて来ました。
 少し荒れた道を進むと、
 石仏が4体、道端に佇んでいました。
 川も流れていて、小さな渓流になってます。
 でも、ころがっている石はみんな丸い石です。
 石が丸いのは、流れが激しい証拠です。
 大雨の時なんかは、激流になるのかも。
 
 4体のうち、1体だけ岩の上にいます。
 これがメイン?
 でも普通、仏様って3体でワンセットなのでは。
 三尊仏って言うくらいだし。
 元々別の所にあったものかもしれませんね。
 で、その三尊の前には、
 きれいな花が供えられています。
 きれいだと思ったら造花でした。
 造花かよっ!
 …ちょっと突っ込んでみたり。
 それにしても、この岩はいい味だしてます。
 斜めの割れ目と苔が特に。
 
 道はさらに登って行きます。
 カーブしている道が続きます。
 何だか林道の景色みたい。
 こういうのが、古い国道という訳ね。
 
 道端の花も可憐に咲いています。
 日当たりもよくて、健全な感じです。
 しばらく行くと…
 
 こんな所に神社があります。
 すっかり薮に埋もれていますが、
 名前を見てみると
 「臍寺」って…
 へそ寺? 寺かよっ!
 …また突っ込んでみたり。
 寺なのに鳥居、神仏習合なの?
 お堂はそんなに古くはなさそうですが、
 一体どんな仏様が、祀られているのでしょう。

 「へそ」って何?
 
 段戸トンネルの前に到着しました。
 これは振り返って見た所。
 下山村の看板があります。
 それにしても、なぜだかトンネルの所が
 広くなっています。
 一体、段戸トンネルは
 どんな姿をしているのか?
 期待しますね。わくわく。
 
 なんじゃ〜!!こりゃ〜!!
 あ、いえ…(^ω^)
 なによこれー。埋もれてるじゃない!
 どうやらトンネルの入り口は、
 あの土盛りのすぐ向こうにあるみたいです。
 なんでしょうね、これ。
 でも、なかなかきれいな形に作ってあるし、
 土止めの土嚢が整然とならんでいて
 ちょっと可愛い。
 しかも、一つ一つに番号が書いてあるし…
 何にしても「通行不能」
 ジ・エンドです。
[2004年7月現在]

新段戸トンネル開通に伴い、旧道となった、段戸トンネルへの道。
東の道は廃道に、西の道は旧道として昔日の雰囲気を今に伝えます。昔と言っても3年前ですが…
でも、トンネル前のあの土盛りはあんまりです。トンネルの坑口に土を詰める方がずっと簡単で、
使う土も少なくすむでしょうに。しかも高さが4mぐらいあって問答無用に立ち塞がっています。
反対側は一体どうなっているのでしょうか?

約半年後の2005年2月に、上の写真の反対側、未調査の廃道部分を調べて来ました。

さらに2009年には旧トンネルは大変な事になっていました。現状はいかに?…
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