【国道420号線-段戸トンネル廃道】
愛知県の奥三河の設楽町と下山村の境を、細い道で越えていた国道420号線。
前回は少ししか見て来れなかった廃道部分を、あらためて探索して来ました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 国道420号線旧道の設楽町側の
 廃道になった道を見て来ました。
 下山村側と同じく
 土で埋められているのか?
 約半年後に再びチャレンジします。
 ちなちに下山村は現在は豊田市と合併して
 豊田市となってます。
 今回の周辺図はこちら→■廃道周辺図■

 只今は2月です。
 曇りがちの寒〜い日です。
 前回に比べ、寒々しい景色です。
 だからこそ、安心して探索が出来るけど。
 寒い冬の時期は、「奴ら」は穴の中で
 おねんねしてます。

 さあ、トンネルまで張り切って
 行ってみよ〜。
 
 前回はここまで来ました。
 ここより先は未知の領域です( ̄▽ ̄)

 目の前には荒涼たる景色が広がってます。
 道のりは長いです。
 
 途中には大きな切り通 しがあったり、
 何か建物があった様な広場があったりします。
 道の状態は全体的にこんな感じ。
 たいして荒れてなくて、
 実に歩きやすい廃道です。
 廃物件にしては面白みに欠けるかもしれませんが、
 けっこう距離が長いので
 いやと言う程、廃道を味わえます。
 ここまで来ると、現道の車の音も聞こえず
 寂しくなって来ました。
 
 これは倒木を片付けた物でしょうか?
 管理されているみたい。
 写真を撮る時にこう言う物を入れると
 画面が引き締まって見えます。
 まあ、きれいではありませんが。

 あまり変化の無い風景の連続なので
 そろそろ飽きてきました( ̄▽ ̄)

 な〜んて思ってたら…
 
 どっか〜ん
 崖が崩れてます。
 これよこれ♪
 廃道はこうじゃなくちゃ。
 吹き付けられたコンクリートを破って
 土砂が雪崩れ落ちてます。
 路面に広く流れ出ているところを見ると
 崩れてから少し時間が経っているようです。
 

 うわー
 これじゃあ、絶対車じゃ通れません。
 オフロードバイクかMTBなら通れそう。
 ガードレールがカーブしてるけど、
 これは土砂によって押し出されたからです。
 左側の斜面に向かって流れた土砂が
 ガードレールの足元をすくった様になっていて、
 支柱ごと抜けちゃってます。
 って事は、この崩落は一気に崩壊したのですね。
 あな恐ろしや…
 向こうには何本もの木が倒れてます。

 
 「路肩注意」って看板が…
 確かに注意は必要ですね。
 でもこの看板って、崩れてから立てられた?
 ガードレールの内側に立っているのが怪しい。
 今のところ、この崩落現場は、
 安定しているようなので大丈夫そうですが、
 大雨が降った直後とかは再び崩れて来そうです。
 しかし、これ以上崩れるとさらに別の危険が…
 この崖の上には高圧線が通っていて、
 それを支える鉄塔がこの真上に見えます。
 つまり、崖の崩落が続けば
 鉄塔の倒壊も起る可能性がある訳です。
 路肩に注意している場合じゃありませんね。
 
 崩れた土砂の上にこんな岩がありました。
 岩の表面がタマネギの皮のように剥がれてます。
 こう言うのを「たまねぎ状構造」
 又は「オニオンストラクチャー」と言います。
 これは岩石が風化することにより出来ます。
 ここら一帯は花崗岩が広く分布していて、
 領家帯花崗岩と言われる物です。
 しかも、かなり風化が進んでます。
 写真の岩なんかは硬い物なので、
 まだ原形を留めてますけど、
 大部分は完全に砂になってます。
 ここの土砂も花崗岩の成れの果てみたいです。
 やはり花崗岩地帯は崩れやすいのですね。
 
 崩落は約50mぐらいで終わってました。
 それからはまた、歩きやすい道が続きます。
 なんて歩いてると
 道端にバイクが捨ててありました。
 これはスズキのRG50ガンマ! 84年モデルかな?
 当時はRZ・AR・MBXと、50ccスポーツバイクは
 にぎやかでした。
 これはきれいなままなのでレストア出来そうです。
 「枝打実施箇所」と言う看板が下がってますけど、
 日付けを見ると昭和となってます。
 17年以上放置されているって事?
 実はこの裏には「ゴミすてるな」みたいな事が
 書いてあります。古い看板の流用かも?
 廃車後17年とは見えませんよね。
 
 道端にたたずむキロポスト。
 これは三角柱タイプです。
 「18」という数字は18kmの事ですね。
 距離的には足助からの距離数らしいです。
 ここに来るまでに
 「19」のキロポストもありました。
 でも残念な事に「おにぎり」はありません。
 旧道になった時に、
 まっさきに取りさられたのかな?
 残しておいてよ〜
 って言うのが正直な感想。
 
 ゲートの所から30分あまり歩いて来ました。
 トンネルはまだかと思っていると
 いきなりセンターラインが現れ、
 道幅が広くなりました。
 これは!
 トンネルが目前にせまった証拠。
 やって来ました旧トンネル。
 さあ!
 「段戸トンネル」の姿やいかに?
 
 ―って塞がってるよっっ!(´Д`)
 実に丁寧な仕事をしてあります。
 下側をパネルで仕切っておいて、
 土が流失しない様になってます。
 反対側の「物量作戦」よりましですね。
 扁額はまだ残ってます。
 しかも、スロープのおかげで
 すぐ近くまで行けそうです。
 なんて思って登ってみようとしたけど、
 坂が急なのと、芝生のために
 登れません(´Д`)
 アイゼンが必要?
 
 段戸トンネルの坑門が見れないので、
 今来た道をトンネル側から見てみます。
 あらためて見るとけっこうな急カーブ。
 矢印看板やカーブミラーが必要な上、
 対向車との正面衝突を回避するために
 2車線にしなければならない位、
 危険な場所だったみたい。

 これにて、段戸トンネル旧廃道の探索は完了。

[2005年2月現在]

新段戸トンネルによって廃棄された段戸トンネル。
豊田市側の土砂による封鎖に比べ、設楽町側は丁寧に施工されていました。
こちら側は廃道とは言いながら、送電線の点検や、釣り人などが利用しているのか、
崩落した所を除いて全体的にきれいな状態でした。逆に言えば廃道らしさは少ないと言えます。
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