【国道361号線旧道-折橋隧道】
長野県の開田村と木曽福島町との境にある折橋隧道。それと、隧道に至るまでの道も旧道になっています。
スキー場の側を通っているため、東側は道幅もあり快適ですが、西側はすごい事に…
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 地形図を見ていて見付けた旧道。
 トンネルもあって、なかなかよさげです。
 しかし、ロードマップには
 そのトンネルの姿はありません。
 標高1,000m以上の高地にある旧道。
 はたしてトンネルの現状はいかに?

 周辺図はこちら→■周辺図■

 国道361号線の新地蔵トンネルの手前で右折
 すぐにスキー場の看板があります。
 「ドキドキアイランド・きそふくしまスキー場」
 可愛いリスのキャラクターがお出迎え。
 可愛くってドキドキ?
 スキーには季節外れなので、実に静かです。
 さすがにレジャー施設がそばにあるだけに、
 広くてきれいな道になってます。
 いくぶん旧道らしさが薄らいでます。
 旧道と言えば、この道の左側の延長線上にも
 旧道の道筋が残っています。
 そこは今、駐車場になっています。
 

 けっこう急な坂を上がって来ました。
 道の隣には、きそふくしまスキー場の
 ファミリーコースのゲレンデがあります。
 子供連れも安心ですね。
 上級者コースはこの上にあります。

 さて、この辺りもまだ路面の状態は良いです。
 遠くに木曽の山々が見えて、
 実に気分爽快。

 

 ヘアピンカーブを曲がり、
 スキー場から離れると、
 いよいよ道も細くなって来ました。
 細くなって、そのまま消えてしまいました。

 道はどこっ??
 突然旧道は無くなり、何かの施設があります。
 ついそこまでは、広くてきれいな道があったのに
 なんか騙されたみたいです。

 トンネルどこっ??
 右往左往して探した結果…

 
 道が消えた先の広場だった薮こそが、
 どうやらトンネルに至る道だったようです。
 土が盛ってあり、土手の様な所から
 トンネル方向を見ても
 それらしき物は見えません。
 これはあの、
 国道420号線旧道の段戸トンネルと同じで、
 埋められてしまったようです。
 途中まで期待させておいて、そりゃあんまりよ…
 でもこれって、ロードマップにあった通りです。
 廃道でさえ、いかにも通行可能みたいに
 載っているのに、ちょっと感心。
 ちなみに段戸トンネルはこんな様子
 

 無い道は通れないので、反対側に廻ってみます。
 西側の旧道への分岐点は、
 新地蔵トンネルから、離れた所にあります。
 しかし、正確な位置がわからないので
 とりあえず、バス停がある三叉路を北に曲がり、
 ブルーベリー農園の横を進みます。
 観光地なのか、車がけっこう停まっています。
 ここから見ると、トンネルのある峠は
 右端の山が低くなっている所です。
 国道沿いは、高原の雰囲気満点です。
 白樺林が点在していて素敵です。
 何か、ふた昔前の少女まんがの世界って感じ。

 

 徐々に山の中に入って行きます。
 ここからが旧道本番。
 すぐに森の中に入って行き、
 道も荒れ始めます。
 でも気を付けて下さい。
 こんな道でも、車は通ります。
 すれ違いには苦労しそうです。

 
 これこれ。
 やっぱ旧道はこうでなくちゃ!
 森の中の渓流と古い橋。
 実に良い風景です。
 奥入瀬渓流ほどの見事さは無くても、
 心安らぐ所です。
 この辺りは、まだ余裕で走れます。
 
 でも、道の様子は何だか怪しくない?
 ほんとにこんな道が国道だったの?
 毎度の事ながら奥が深いです。

 すでに標高1,000m以上の所を通っています。
 東側に比べたら、勾配は穏やかです。
 その代わり距離は長いですね。
 
 林道へ分岐しています。
 右のダートがそれですが、
 あんまり幅は変わらないみたい。
 木製の立て札があります。
 「末川国有林」だそうです。

 まだトンネルには着きません。
 でも、まだ道は続いています。

 それに進むにつれて、鬱蒼として来ます。
 廃道の予感。
 
 もうダメ、許して…(≧ω≦)
 道の真ん中に草!
 路肩の植物も路上を侵食しています。
 アスファルトも所々はがれてます。
 進むにつれてこの状態は、
 さらに悪化していきます。
 これって廃道ですか?
 廃道ですよね?
 この先、道が続いているのか分りません。
 引き返すか否か。
 でもまだ行けそうなので、
 もうちょっと進んでみます。
 
 再び林道との分かれ道を左に曲がると…
 トンネルとうちゃく〜!
 これが廃トンネルの坑門の姿です。
 扁額には「折橋隧道 開田口」とあります。
 トンネルじゃなく、隧道です。
 それにしてもすごい。
 古代の遺跡もかくやという雰囲気です。
 これが目の前に現われたインパクトは、
 そりゃあ強烈ですよ。
 もうダメかと思っていて、いきなりコレ。
 予備知識なしで行ったので、
 効果ばつぐんです。
 やられました。
 

 それで、この白いのは何?
 近付いてみたら…
 何とガードレールじゃありませんか。
 御丁寧にきっちり並べて、
 すっかり塞いじゃっています。
 奇妙な光景です。
 コンクリートじゃなくてガードレール。
 しかも、下はブロックで押さえてます。
 きっとこの向こうには、
 静寂な闇が続いているのでしょう。
 残念ながら私達は見る事が出来ません。
 隧道の前も、緑の絨毯に覆われています。

 
 名残惜しいですが、
 隧道が封鎖されている以上、旧道の旅はここまで。
 帰る前に分岐林道を見てみましょう。
 この林道も廃道じゃなく、
 ふもとまで通じています。
 とてもそんな風には見えませんね。
 何か看板が立ってるけど、
 どんな事が書いてあるのでしょうか?
 「暴走族追放宣言の村」ですって。
 今や見る人もいない看板ですが、
 この風景の中では浮いていますね。
[2004年8月現在]

地形図には、はっきりと「折橋トンネル」の姿が描かれています。
隧道じゃなくてトンネルと書いてあります。地形図って案外いいかげんかも。
しかし実際は、東側の坑門は埋められ、西側は封鎖されて緑の中にあります。
珍しくロードマップの方が正しかった事例でした。(地形図は古い情報を元にしているためですね)
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