【岐阜県・県道63号線-火打坂旧道】前編
岐阜県上之保村と郡上市の境に、火打坂を通る旧道があります。
現道は火打坂トンネルで、あっという間に通り過ぎてしまいますが、旧道は複雑な道筋で峠を越えます。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 県道63号線は今や快適な道です。
 しかしそのために旧道と化した道が
 沢山あります。
 ここはその中でも
 峠越えをしている、期待できそうな道です。
 何の期待かって?
 むろん廃道寸前の旧道の姿ですよ。
 地図も見てね→■周辺図■

 この旧道は南側からはわかりにくいので、
 火打坂トンネルを通って
 北側から旧道を探します。
 ここかな?と思う所を入ってみます。
 上り坂になっていて、
 このまま峠まで一直線に行けそうです。
 いや、道は曲がってるけどね…
 2車線みたいに見えますが、
 1車線ちょっとの幅しかないです。
 
 しかもすぐに狭くなるし。

 路肩にお墓がありますが、
 なぜだかそこを過ぎた所が狭くなってます。
 何か信仰上の理由でもあるんでしょうか?
 それともあの崖を崩すと呪われるとか?
 そんなわけないって。
 でも路側帯が不自然な位、斜めに引かれてる。
 この道、村はずれの山の中に
 強引に道を通した様にも見えます。
 
 路肩注意な所を過ぎると
 また広くなりました。
 でもこれは何?
 路上に何だか長細い板の様な物が…
 え? まさか鉄板ですかこれ!!
 危な〜い って
 そんなわけ無いですよね。
 踏んでみたら、思った通りゴムでした。
 それにしても正体不明。
 コンクリートの擁壁の繋ぎ目から
 アスファルトの様な物がはみ出しているのは
 よく見掛けるけど、これはゴムです。
 とりあえず先に進んでみます。
 
 カーブを曲がった先に矢印の標識があります。
 どう見ても直線なのになぜこんな所にあるの?
 しかしその向こうにはガードレールが…
 よく見れば道が分かれています。
 こんな所に廃道がありました。
 県道の旧々道って事になりますね。
 これは行ってみない手はありません。
 ちょっと侵入してみましょう♪
 

【廃道-1】

 ここからは、ちょっとの間廃道レポに。
 背景の色がこの色の時は「廃道レポート」って
 気が付いた?
 さっそく入ってみましょう。
 旧々道だけあって入り口から
 すでにすごい荒れようです。

 
 こんな所にも仏様がいました。
 街道ではお馴染みの馬頭観音と
 お地蔵様でしょうか?
 奥のものは塞の神かもしれません。
 昔からここにあったものじゃなくて、
 旧道敷設の際に、
 ここに移されたのかも。
 でも何で馬頭観音にまでよだれ掛けしてんの?
 位置的によだれ掛けと言うよりエプロンね。
 ここの仏様、放置されているっぽいです。
 お花くらいあげてください。
 
 律儀に通 行止されてますが、
 こんな所に道があるなんて、
 誰も気が付かないでしょう。
 ガードレールの内側にも木が生えてます。
 廃道歴は一体何年、
 いや何十年なんでしょう?
 
 思った程ボロボロじゃないですね。
 アスファルトもまだしっかり残ってます。
 それに明るいので、
 廃道探索と言うより、散策と言う雰囲気です。
 道幅は旧道とあまり変わらないようです。
 石垣のおかげで、崖崩れはないようです。
 
 廃道はすぐに終わってしまいました。
 何だか、もの足りません。
 廃道に覆い被さっている枝をくぐれば、
 新しい道に出ます。
 でも旧道。
 しかも荒れ出している旧道です。
 トンネルを通っている現道が
 あまりに快適なために、
 旧道は誰も通らず、
 忘れられた存在になってしまってます。
 
 廃道から出て来ても廃道みたいな旧道なので、
 何だかすごい寂しげな感じです。
 なまじきれいなだけに、
 なおのこと侘びしさが増します。

 廃道の延長線上には広場があります。
 どうやらこれも旧々道のようです。
 
 旧道の退避場所として
 使われていたんでしょうか?
 古い道筋にそって草が点々と生えてますね。
 新しく造った道との間にアスファルトを敷いて
 広場みたいになってますが、
 旧道上を流れた雨水が模様となって残ってます。
 こう言うのって旧道らしい。
 
 旧々道をぐるりと廻って来ました。
 それじゃこれから峠の方に…
 って、こんな所にも廃道があるじゃない!
 この写真じゃ、ちょっとわかりずらいけど、
 電柱が立っている所から
 廃道が延びてます。
 この旧道は当りのようですね♪

 では再び廃道探索にまいりましょう。
 

【廃道-2】

 奥まった所にガードレールがありました。
 こちらも荒れ放題になってます。
 さて、ガードレールを跨いで…
 っていうか、このガードレール、
 やけに高いんですけど。
 高さが1m以上あるので跨げません。
 くぐって行っちゃいます。

 
 すっかり山道と化してますね。
 アスファルトはすでに見えません。
 落ち葉と草に埋もれてます。
 これぞ廃道。
 この先には廃道につき物の
 あんな物や、こんな物がありました。
 楽しみですね♪

 次は後編です。

旧道の中に旧道があるなかなかに美味しいネタです。
火打坂トンネルが出来たおかげで、車や人が通らなくなったのか、旧道はすっかり寂れています。
今は廃道になるのを待つばかりなんでしょうか。旧道に立つとそこはかとない寂寥感が漂っています。
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