【国道418号線廃道-笠置ダム〜町道分岐区間】第2回
岐阜県で一番有名な酷道。国道418号線の丸山ダムと笠置(かさぎ)ダムの間の不通区間です。
すでに廃道と化していますが、今だに国道指定されている、とんでもない道です。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 ついに行って来ました
 国道418号線の不通区間。
 最初は順調に走る事が出来ました。
 しかし、落石や倒木、薮が次から次と現れ
 徐々に廃道としての正体を見せ始めます。

 地図はこちら→■周辺図■

 相変わらず落石があります。
 一体これでいくつめ?
 こんな風にまとまって崩れている分には
 まだ通りやすいけど、
 やっかいなのが路面にばらばらと落ちている
 5〜10cmぐらいの落石です。
 うかつに踏むとハンドルを取られて
 転びそうになります。
 それと、この辺りで岩盤の種類が変わります。
 笠置ダムの周辺では、
 白っぽい「濃飛流紋岩」が見られましたが、
 この落石は黒い色の岩石です。
 写真じゃ光が反射して白く写ってますが…
 
 春先だというのにすごい薮。
 夏はどんなにとんでも無い事になるんでしょう。
 想像すると恐いです。
 でも、人が通れるだけのスペースが
 開いている様に見えますけど…
 物好きな人が通ってる?
 むろん自分もその物好きの一人です。
 まだ少ないとはいえ、
 けっこう草が絡み付いてきます。
 
 草にまみれた酷道。
 草だらけでよくわからいけど、
 ガードレールがいつの間にか
 無くなってます。
 ―ってあるじゃない。
 いえ、これは小さな橋みたいです。
 ガードレールの欄干。
 山からの小さな流れが川に注いでます。
 
 めっちゃ草にまみれた酷道。
 っていうか、
 薮しか写ってませんね。
 どうやらこの辺りが
 最大の薮ポイントみたいです。
 どこが路面か路肩かまったくわかりません。
 左側に倒れようものなら、
 20〜30m下の木曽川にダイブです。
 死んじゃいます。

 たまに倒木がありますが、
 マウンテンバイクに乗ったままでも
 通過出来ます。
 シングルトラックが続いているのが
 うっすらと見えますね。
 椿の花が印象的です。
 ちょっと見辛いですが…
 
 何か白い物があると思ったら
 国定公園をしめす杭でした。
 「飛騨木曽川国定公園 特別地域 岐阜県」
 ってあります。
 ここから西側の地域が国定公園の
 範囲みたいですが、
 この廃道の様子を見ると
 ここが公園の中だというのが信じられません。
 八百津町にある丸山ダムによって、
 純粋な自然の景観じゃ無くなっているけど、
 それでも国定公園なのは
 特別な地域だからなの?

 思い出した様に橋があらわれます。
 今迄の橋は地形図には載って無い物で、
 4〜5mぐらいの小さな橋です。
 こういう小さな橋は「ラーメン橋」と言う
 コンクリート製の物なのでしょう。
 
 うわ〜…
 泥泥泥…
 2日前に雨が降ったんだけど、
 ぬかるんでます。
 しかもバイクが通って大きな轍が出来てます。
 ぐちゃぐちゃで
 もう、どうしようって感じ。
 タイヤ取られてずる〜り
 って危ないよ!
 でも、どこからこんなに沢山の
 泥は来たのでしょう?
 
 カーブの所が少し広くなっていました。
 見晴しもいいのでひと休みといきましょう。
 しかし、まだまだ路面は草だらけ。
 残念ながら座って休む事は出来ません。
 ここも夏になったら酷い事になりそうな予感。
 
 3つめの橋です。
 そう言えば、もう少し大きな橋があるはずだけど、
 まだ出てきませんね。
 それにしても小さい。
 やっぱりここも2m幅なんでしょうか。
 すごーい♪
 ここって国道なんだ(^▽^)ノ♪
 ―って無駄に明るく言っても
 ボロい酷道なのは変わりません。

 その傍らで木曽川は美しい緑の水を湛えてます。
 ダム湖なので水の流れはゆっくり。
 ここはすごい場所だ、って言うけど、
 実に静か〜な景色ですね。
 むしろ癒される?

 ダム湖の水面があの位置と言う事は、
 丸山ダムが出来る前の道の位置は
 もっと下にあったはずです。
 その昔、ここを通っていた「黒瀬街道」の時代は
 木曽川の美しい渓流の風景だったのでしょう。
 当時は「猫の目道」と言われる
 断崖絶壁の細い道が通っていたそうです。
 細い道なのは昔からって訳ですね。
 
 今度の落石は大きな岩が崩れて来てます。
 さっきより色の黒さがよくわかります。
 「砂岩」って物らしいです。
 「濃飛流紋岩」とは生まれも成分も違い、
 スレートの様に割れやすい岩です。
 この2つの岩盤が接している部分は、
 接触変成帯と呼ばれる場所で、
 高温の流紋岩によって変成作用を受けた物を
 「ホルンフェルス」と言います。

 でも大昔はこの東側に大量の溶岩が
 流れて来ていたと思うと
 ちょっと恐いですね。
 
 道は今迄と違い、ダム湖を離れ
 山の方へ向かって行きます。
 これはもしかして橋が近いのか?
 古い道は川を渡る時に、下流側の
 谷が狭くなっている場所に橋を掛けます。
 これはもう間違いなさそうです。

 ここらは薮に悩まされる事はありませんが、
 そこらじゅうに散らばっている石が邪魔です。
 踏むとコケそうになります。
 
 やっぱりありました。第1の橋。
 いい味出してますね。
 幅も広くて3mぐらいありそうです。
 残念ながら親柱の銘板は無くなってます。
 なんて言う名前だったのでしょう?

 え?これが第1の橋と言うのは変?
 今迄の小さな橋はカウントしてません。
 っていうか予想外?
 ひとまずここを目標にして来たけど、
 けっこう遠く感じました。

 欄干は赤い色。じゃなくて錆の色です。
 自然の真只中にある人工物は、
 自然に反する物でありながら、
 妙な調和を見せるのは、
 鉄やコンクリートが元は地球の一部だったから?
 しかしこの橋の上に立つと、
 自然の中で、ここだけが人に与えられた
 退避場所の様にも感じます。
 橋から下の渓流を見ると
 かなりの高さがあるのがわかります。
 大体この辺りで半分ぐらい来ました。
 次は第2の橋を目指して行きます。
[2005年4月現在]

思った通り、廃道レベルがアップしてまいりました。
次は、第2の橋までの道のりをレポートします。有名な例の岩もありました。
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