【旧飯田線-第2藤沢隧道・不動隧道】
飯田線は豊橋駅から辰野駅まで、都市部と山間部を縫うように走る長大ローカル線です。
そんな飯田線には、軌道の付け替えによって出来た、廃線があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 飯田線の鶯巣駅と平岡駅の間にある
 旧線のトンネル群。
 以前ここに来た時は
 見に行けなかった「不動隧道」。
 今回はばっちり見て来ました!
 では、いってみよ〜〜( ̄▽ ̄)〜♪

 まずは地図で位置を確認→■周辺図■

 これは「精心滝」がある
 国道418号線の旧道部分から見た
 今回の目的地「不動隧道」の出口です。
 前回はここから見上げるだけだったけど、
 今日はあそこまで行ってみます。

 さて、どこから登ろう?
 鉄橋? 鉄橋はムリ。
 こちらからはルートが無いですね。
不動隧道

 でも、どこかに行ける場所があるはず。
 ・・・あるはず・・・だけど
 え〜〜と、どこかな?
 あ! こんな所に細い道が!
 ちょいちょいと上がって来ると
 出ました、飯田線旧線跡に。
 レールがそのまんま残ってます。
 見下ろすと国道があんな下の方に・・・
 さっきの鉄橋から
 100mぐらいしか離れてないのに、
 もうこんなに高低差が広がってる。
 
 さあ、これが待望の「不動隧道」です。
 この「不動」の由来は、
 「浄心滝」に不動明王が祀られてるのが
 隧道の名の由来みたいです。
 違うかもしれませんが・・・
 この滝は古くから信仰されていたそうですが、
 今でもきれいに整備されてて
 真新しい仏像も建立されてました。
 そういえば地図には「精心滝」とあったけど、
  「浄心滝」が正しい名前だそうです。
 読み方は一緒なんだけどね。
 
 隧道自体は普通のコンクリート造りです。
 あ。何か文字が書いてある。
 「不動」
 隧道名がこんな所にあった。
 でも、書いてあるこの場所って
 隧道の内側なんですけど・・・
 

 ポータル付近は汚れていても、
 中に入ると新品同様。
 今にも列車が走って来そうな感じ。
 まあ実際には
 二度と列車は走らないのだけどね。

 
 ここは短いのですぐに終わり。
 フェンスでがっちり塞がれてます。
 ・・・低いけど。
 

 先程下から見上げていた場所です。
 その先には「精進沢橋梁」があり、
 さらに奥には「天龍農林業公社」の建物が見える。
 鉄橋の所にはレールがありません。
 手前で途切れていて
 なんか、微妙に左にずれてる…
 右側の保線用通路は今でも渡れそうだけど、
 乗ると“バキッ”て壊れるかも?
 落ちたらそのまま地面にダイブなので、
 渡っちゃダメよ。

 
 では今度は南側にある
 「第2藤沢隧道」にまいりましょう。
 これは不動隧道の入口です。
 「不動」の文字は左の壁にあります。

 ここを真直ぐ行くと
 「鶯巣駅」に辿り着きます。
 まあ、途中にある鉄橋が渡れればだけどね。
 
 やっぱりレールがあるのはいいねぇ( ̄▽ ̄)
 架線柱らしきコンクリートの柱が
 倒れてたけど、
 わざと倒したものなんだろうか?
 みんな根元でボッキリ折れていたし。
 
 見えて来ました「第2藤沢隧道」。
 ここも短いので、
 向う側が見えてる。

 それにしても、廃線後20年以上経つのに
 こんなにきれいなのはおかしいね。
 倒木も脇に片付けられてるし、
 林業関係で使われてるんだろうか?
 歩きやすくなってます。
 でも・・・薮が漕げないのは
 ちょっと寂しい?
第2藤沢隧道

 これが、初めての「第2藤沢隧道」です。
 右側に立ってるのは
 「鉄道防備林」の標識です。
 その隣の立て札には「東海旅客鉄道株式会社」
 とあります。
 なにかと思ったらこれ、JR東海の事ですね。
 
 この隧道はレールで補強されてます。
 よく見掛ける光景です。
 あれ? でも飯田線の廃隧道じゃ
 初めて見た気が・・・
 まあいいか。

 左下になんか札が下がってる。
 
 「待避禁止」ですって。
 どこに待避しちゃいけないっての?
 この補強のレールの間だろうか?
 いや、出口がすぐそこにあるのに?
 でも面白いので、
 1枚撮っておこう。
 真上の写真も撮ってみようと
 上を見上げたら・・・
 
 あうっ…( ̄△ ̄)
 ひ…ひび割れがぁ!
 天井いっぱいにジグザグの割れ目が入ってます。
 表面が剥がれたというより、
 かなり深くまで割れてますよ。
 え? このために補強がしてあるの?
 しかも後から気が付いたんだけど、
 右はじに黒い棒のような物が付いてます。
 割れ目をまたぐように付いてるので、
 これで割れ目の動きを調べてたのかも。
 いわゆるセンサーですね。
 
 崖崩れなんかが多いので
 線路が付け替えられたらしいけど、
 さっきのひび割れを見ると納得。

 こっちも普通ですね。
 漏水はあれど、壊れてる所はありません。
 
 ここも短いのですぐ終わり。
 結局今日はライトの出番がなかったね。

 ここからでも次の隧道が見えます。
 あれが「第1藤沢隧道」です。
 
 第2藤沢隧道を西側から見たところ。
 やっぱり普通ですね。

 ああ、そういえば、
 こっちの天井にもなんかいっぱい
 何かの装置がくっついてた。
 これもコンクリートの状態を
 調べるセンサーみたいです。
 実はこの隧道ってマジでやばいですか?
 
 銘板が“おじぎ”しちゃってます。
 落石に突っ込まれたのでしょうか?

 文字が見辛かったけど、
 加工したら見やすくなった。
 “ずい道”と平仮名だけど、
 どうせ見る人なんてそんなに居ないんだから
 漢字で“隧道”でもよかったのに。ねぇ…?
藤沢橋梁

 隧道を抜けた先にはまた鉄橋があります。
 「藤沢橋梁」
 遠くから見ると、
 普通に地面があるように見えてたけど、
 実際は結構長いプレートガーター橋です。
 例によって橋の上のレールは
 取り外されてます。
 
 脇に付いてる保守用の通路は
 コンクリートの床板で頑丈そうです。
 枕木は朽ちてボロボロ。
 ここから見下ろすと、
 下を通ってる国道までかなりの高さがあります。
 20mぐらいだろうか?
 下から伸びて来た木が
 橋の横から顔を出してるけど、
 よく見ると斬ってある。
 この鉄橋は今でも管理されてるのかな?
 まあ、林業関係者が使ってそうな感じですが…
 
 さらに鉄橋の先にはもうひとつの隧道が…
 これは「第1藤沢隧道」です。
 こちらはフェンスで塞がれてます。
 なんでもこの第一藤沢隧道も、
 中がヤバイ状態になってるそうですが、
 さて、どんな風になってるのやら?

 それはまた別のレポートで→■第1藤沢隧道■

[2008年3月現在]

薮に埋もれ、木が生えていたり倒れていたりしてそうな雰囲気でしたが、
予想外にきれいな旧線跡でした。
国道脇の所に“枝打ち”作業についての看板があったので、鉄道防備林の管理の為に
路盤も整備されているのでしょう。
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