【国道151号線廃隧道-本郷隧道】
愛知県東栄町の南には、現役の本郷トンネルに寄り添うように、大正時代の廃隧道があります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 やっと行ってきました、
 本郷隧道。
 なんとなく行きそびれていたけど、
 佐久間ダムの帰りに
 ついでに寄って来ました。

 それと廃隧道の周りがよくわかる
 地図も見てね→■周辺図■


 ついでか〜い、ってつっこまれそう。
 こっちの方はあんまり行かないんですよ。

 まあ、そんな話は置いといて・・
 まずは南側から見てみよう。
 右の道が現道です。
 その先に本郷トンネルが口を開けてます。
 竹割型と言われるタイプの坑門です。
 旧道は現道と直角に交わるように
 付け替えられてますね。
 今は開けた印象があるけど、
 昔はもっと山道な感じだったんでしょう。
 

 現道と違って、旧道はさみしい雰囲気。
 実際、ほとんど車は通りません。
 ほとんど、と言うのは、
 たまに通る車があるからです。
 隧道前から、左側に道が続いて行きます。
 その先に集落でもあるのでしょうか?

 そういえば、現道トンネルの横に
 旧道のキロポストが残っていた。

 
 あ!
 道路の横に標識っぽい看板発見!
 「注意トンネル内路面凍結の為
 スリップ注意
 注意看板なら、〈!〉にすればいいのに。
 このあたりは道も凍るほどの
 寒冷地帯なのでしょうか?
 
 これが本郷隧道です。
 コンクリート造りのようだけど、
 大正時代の物なので、これがオリジナルなの?
 う〜ん…微妙。
 坑門の上の方には、見辛いけど扁額があります。
 漢字で「本郷隧道」

 さて、取りあえず中を見てみましょう。
 と言っても閉鎖されてるけど…
 
 間違って車が突っ込まないように、
 小さな車止めと反射板があります。
 それに、これはゴミ箱?
 っていうか、分別回収のための回収箱みたい。
 「ペットボトル指定収集場所」だそうです。
 それにしても、何てきれいなんでしょ。
 廃隧道とは思えぬ光景です。
 整理整頓が行き届いてます。
 
 入れないので、フェンスの間から
 隧道内部を撮影しました。
 あ! 石が積んである!
 外はコンクリートなのに、中は石積みですか?
 それに、もうひとつ気になる事が…
 壁のコンクリートが剥がれた所から、
 何やら赤っぽい物が見えるんですよ。
 何かしらね?
 顔を近付けて、よ〜く見てみると…
 
 レンガだ!!
 え?何で煉瓦があるの?
 でも、周りの壁を見回してみると、
 見まごう事無き、煉瓦積みの壁。
 何と。ここは煉瓦の隧道だったのです。
 正確には、煉瓦と石の隧道です。
 どうやら後世になって、
 コンクリートで補修されたようです。

 ちなみにこれは、真上を写した物です。
 コンクリが剥がれてる。
 うす〜く塗ったな。
 
 反対側、つまり北側に廻って来ました。
 こちらは2つの坑門が仲良く並んでますね。
 新旧共演。
 新しいトンネルは旧隧道より
 ひと回りぐらい大きいだけみたいです。
 逆に言えば、古い隧道は当時の物としては、
 けっこう大きなサイズだったんですね。
 先見の明ってやつですか?
 
 こちらはオリジナルの姿を保っていて、
 石積みのポータルが残ってます。
 これぞ大正の隧道。
 それだけに、フェンスが残念です。
 邪魔、ですね。
 でも、中を荒らされる事を考えたら
 これも、やむなしかもしれません。
 
 上を見上げればなんとも古い扁額です。
 こちらはひらがなで、
 「ほんがうずいだう」
 大正十年一二月 とあります。
 扁額が漢字とひらがなで書いてあるのって、
 愛知県ではよくある事でしょうか?
 与良木隧道もそうでしたしね。
 
 北側から見た隧道内部です。
 こちらの方が、煉瓦の様子がよくわかる。
 きれいに残ってます。
 白っぽく見えるのはコンクリなの?
 それとも「白化現象」と言われるもの?
 煉瓦の建造物を見るといつも思うのですが、
 これでいったい何十万個の煉瓦が
 使われてるんでしょうか?
 それとここで写真を撮ろうとしたら、
 なぜだかデジカメの調子が悪くなった。
 電磁波の影響かもです。
 いや、よくわからないけど…
[2005年9月現在]

煉瓦の表面の白い物が「白化現象」なら、この隧道も寿命がきたと言う訳でしょう。
封鎖の理由は、危険だからなのか?保存の為なのか?
どちらにしても、このままの姿を後世に残せるのは、意義がある事です。
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