【国道306号線廃道】後編
滋賀県東部から三重県を走る国道306号線の滋賀県側に存在する廃道です。
1車線の狭い道幅とがけ崩れの危険に常にさらされ、峻険の地に通されたまさに酷道でした。
現在は佐目トンネルにより快適に通り抜けられます。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 廃道好きなら一度は行ってみたい所です。
 簡単にアクセスでき、
 歩いて見て回るにはちょうどいい距離で、
 適度な荒れぐあいと
 適度な危険度で、廃道テイスト満点です。
 だからと言って油断をすると
 確実に逝ける所でもあるので、
 注意が必要なのは言うまでもありません。


 ここらで後ろを振り返ってみた。
 左側に河原が見えます。
 この川は地元の人達とかが
 遊びに来るスポットなのか、
 この日も何人か見かけました。
 この廃道はそういう人によって
 今でも利用されているみたいです。
 
 落石と落ち葉に埋もれた路面 に
 白い花が咲いています。
 よく見ると真ん中あたりは
 人が通るのか
 植物がはえてなくて、道になっています。
 
 落石の少ない所には
 アスファルトがまだ見えます。
 ミラー落ちちゃってます。
 
 河原におりる事が出来る場所がありました。
 川に来る人はここから河原に行くみたい。
 そういえばなにか看板が…
 「なだれ注意!」
 頭上の危険は落石だけではないようです。
 でも何で河原の方を向いているの?
 

 しばらく行くとすごい穴が。
 道幅の半分ぐらい陥没してます。
 陥没と言うより
 流失と言った方がいいかも…
 道の下のコンクリートの壁も
 大きな穴が開いています。
 ここがこの廃道で一番の難所です。
 ゆえに、一番の見どころであるとも…
 しかもまだこんな所があります。

 

 前方に工場らしき建物があります。
 廃道もそろそろ終わりに近付いてきました。

■川をまたいでいる橋のような物は、山の中をトンネルで貫いてずっと西の方に向かっています。ここの南側には石灰岩の鉱山があり、掘り出した石灰を運ぶための施設かもしれません。今は稼動していないようですが。

 
 鉱山関連の建物のようです。
 ベルトコンベアらしき物もあります。
 でもボロボロで、動かしたらすぐに
 ぶっ壊れてしまいそうです。
 これは廃虚でしょうか?
 廃色濃厚です。
 しかしこの手の施設は一見廃虚に見えて
 実は現役という事があるので
 注意が必要です。
 (なんの注意?)
 
 ここには静寂しかありません。
 目の前の工場から聞こえるはずの
 騒音はありません。
 見るモノと聞くモノのギャップ。
 後ろの山もこの反対側はごっそり削られていて
 ここから見える山は
 書き割りの様にもはや見かけだけです。

 なんだか、すべてが捨てられた風景ね。
 そう考えると、ちょっとわびしいかも。
 
 こんなでっかい岩が落ちてます。
 山の斜面を転がって来たみたいです。
 その時に居合わせなくてよかったです。
 (当たったら死んじゃうしね)
 
 橋があります。
 この橋を渡って右の山道を登って行くと
 先ほどの鉱山の採掘現場に出ます。
 関係者以外立ち入り禁止です。
 
 橋の手前で廃道は終わりです。
 現道との合流はまだこの先なのですが、
 そのあいだの道は、鉱山に出入りする車のために
 現役で使われているようです。
 しかしここからの風景は荒涼としてます。
 まさに終極、エピローグって所でしょうか。

[2004年4月現在]

起承転結のある道とでも言いましょうか、なかなか変化のある廃道です。
車が通れなくなった今でも人が行き交う道です。
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