【国道306号線廃道】前編
滋賀県東部から三重県を走る国道306号線の滋賀県側に存在する廃道です。
1車線の狭い道幅とがけ崩れの危険に常にさらされ、峻険の地に通されたまさに酷道でした。
現在は佐目トンネルにより快適に通り抜けられます。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 廃道好きなら一度は行ってみたい所です。
 簡単にアクセスでき、
 歩いて見て回るにはちょうどいい距離で、
 適度な荒れぐあいと
 適度な危険度で、廃道テイスト満点です。
 だからと言って油断をすると
 確実に逝ける所でもあるので、
 注意が必要なのは言うまでもありません。


 ここは現道の佐目トンネルの西側にある
 廃道の入り口です。
 「道」のトップページの写真と同じ所です。
 路面は草だらけで廃道な雰囲気満点ですが、
 これくらいならありがちな感じです。
 でもこの先の廃道ぶりは
 こんなもんじゃありません。
 プロローグって所でしょうか。
 ちなみに、
 ここの廃道には車で来ても大丈夫。
 廃道の東西どちらの入り口にも
 車が2〜3台停められるスペースがあります。
 でもどうせなら西側からの方が楽しめます。
 その理由はこの先を見ればわかります。
 
 落ち葉がつもって林道のよう。
 しばらく日陰を進んでいきます。
 ここより500メートル先
 通行止めとなっています。

 この廃道の周辺図も
 あわせて見てもらうと
 周りの様子もよくわかるかも→■周辺図■
 
 ガードレールなんて気の利いた物なんて
 ここにはないですね。
 この先にはありますが
 たぶん、ここにこそ必要なんじゃないかと…
 等間隔に並んだブロックじゃ
 車はガードできないよね…
 写真じゃたいした高さに見えないけど
 廃道沿いの峡谷までは、
 50メートルぐらいあります。
 のぞいてみると
 超ーたけー(ちょっとおおげさ)
 
 落石注意の看板が…
 「特に降雨時の通行に気をつけてください
 夜間の通行は極力さけてください」
 それでも通るなら自己責任でってこと?
 こんな看板が必要な道ってどんなんでしょ
 

 視界が開けてきました。
 まだ道の状態は大丈夫なようです。
 国道だったのでカーブミラーが
 そこかしこに設置されています。
 道の状態にかかわらず
 まだ充分使えるようです。

 

 いきなり崩れてます。
 でも通行止めの原因はこれじゃありません。
 崩れてきているのは土より石です。
 この辺の地質は石灰岩で出来ていて
 崩れやすいようです。

 
 何だか公園っぽいものがあります。
 この酷道には分不相応なりっぱさですが、
 水辺空間整備事業の一環として、
 平成5年に地域の活性化をはかるために
 建設されたものです。
 と言う事は、少なくとも平成5年までは
 ここは通れたと言う事ですね。
 しかし今となっては、
 税金のむだ使いとしか言い様のない光景です。
 
 道沿いには黄色い花がいっぱい咲いています。
 荒廃した人工物と、
 植物の生命力。
 この小さな花達が人の造りし物を
 飲み込んでいってしまいます。
 ここにあるのは
 ささやかな、文明の終末の風景です。
 
 車止めの柵が現れました。
 入り口から500メートルの所でしょうか?
 廃道じゃなくても
 こんな柵があるのは異様な感じですね。
 ずっと下りだったので、
 峡谷がすぐ下にまで近付いて来ました。
 ここからさらに、荒廃度は加速していきます。
 
 一面落石だらけ。
 アスファルトもぼろぼろです。
 長い時間をかけて少しづつ石が落ちてきたみたい。
 歩きずらくなってきます。

 さて、あなたはこの先に行きたいですか?
 この先は、落石危険地帯です。
 石だの岩だのが、
 あなたの頭の上に落ちてくるかもしれません。
 実際にこの場所に行く場合、
 あなたは、自分自身や家族・友人等に対して
 責任が生じます。
 廃道の楽しみは危険と隣り合わせってことです。
 
 こんなふうに岩がむき出しになっています。
 コンクリートで補強すらしてありません。
 たぶん硬い岩なので大丈夫と思ったんでしょう。
 しかし岩の表面は風化が進み、
 いつはがれ落ちてきてもおかしくない状態です。
 ってゆうか、もう落ちてます。
 
 標識も落ちてます。
 落石のせいでしょうか?
 折れ曲がっています。
 国道の難所ぶりを保証する警戒標識が
 たくさんありました。
 この先にはさらに大変な事が…

味のある廃道から危険な廃道へと変わってきました。この先には何があるのでしょう。

途中にあった公園に蛇の塚と言うものがあるそうですが、ネットで興味深い情報を見付けました。
それによると、20年ほど前に暴力団が大量のキングコブラを輸入し、
その積荷の中に拳銃を隠していたそうです。いわゆる密輸入ですね。
拳銃を積荷から取り出す時に、邪魔な蛇を殺して川に捨てたそうですが、
生きていた蛇を近くの村人が見付け、コブラだと分かって大騒ぎになった。
同時期に暴力団に捜査が入り、コブラと拳銃密輸の関係が明らかになった。
と言うのが蛇の塚を作った理由だとあったのですが、真偽の程は定かではありません。
しかし、この近くの廃道に、それを裏付けるような物があったのです。
道端に立っている標識に、たくさんの“穴”があいているのです。
まるで、拳銃の試し撃ちをしたかのような・・・
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