【岐阜県・県道255号線-大須廃道】後編
岐阜県の本巣市を走る県道です。この県道自体はよくある山あいの道です。
北上して行くと上大須ダムやNEOキャンピングパークがあります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 ロードマップには描かれているのに
 地形図からは抹消された県道の旧道。
 それだけでも、ここがすでに
 廃道になっているのがわかりますね。
 現役時代の空中写真にすら写って無い程の
 ほそ〜い旧道の現状やいかに?

 それでは後半のレポートをどうぞ。


 こちらが大須トンネルの北側の入り口。
 ちょっとこじんまりした風景だけど、
 右側を流れる根尾東谷川は
 ここで一気に川幅が広がって広々とします。
 釣りをやっている人もいます。
 のんびりした風景ね〜。

 では、廃道の方に行ってみましょう。
 
 やはりここにもありました。
 ガードレールと看板。
 それともう一つ。
 右側から水が出てます。
 廃道の中から水を引いているみたいです。
 何かの名水なんでしょうか?
 水を汲みに来る人もいるみたいです。
 それにしても、道を封鎖した後に
 水を汲みに来る人のために、
 ここまで水を引いて来てくれるなんて、
 親切ですね。
 
 入り口からすぐにこんな状態に…
 でも、何だかいい雰囲気です。
 ハイキング気分満点って感じ?

 ってゆうか、昔ここを車が走ってたって
 信じられます?
 幅は、1車線なんとかあるみたいです。
 でも崖が道の上にせり出していて、
 しかも岩が今にも落ちそうになってます。
 「頭上注意」です。
 
 こういう所は県道だった頃の名残りがあります。
 どうやら、
 この辺までは人が入ってくるようです。
 薮に埋もれていると言っても
 けっこう広い踏み跡がついてますし。
 

 おお、こんな所にお不動さんが。
 石造りの不動明王像があります。
 小さい方は弘法大師のようです。
 と言う事は、真言宗かしら。
 地元の人達の信仰に守られているようです。

 それで、右下に写っているペットボトルは何?
 まさか猫よけかしらね?
 そんな訳ないか
 何だかこの辺は「水」に関係が深そうです。

 

 まるで観光地みたいな渓流です。
 コンクリートの法面や石垣があるのって
 ちょっと違和感がありますね。
 でも、廃マニアにとっては
 この自然の中に残された遺構こそ
 一番、萌えるネタですね。

 もしかして、コンクリートの所って、
 一度崩れたんじゃないの?
 この辺の岩って何だかもろそうですし。

 

 ここにもありました。
 道幅いっぱいの落石。
 こうして見てても、風景に同化して
 あまり違和感がありませんけど、
 これって完全に道を塞いでますよ。
 人が通るにも一苦労します。
 崖っぷちのわずかな幅しか通れません。
 こういった落石が、廃道化の原因でしょうか?

 
 落石のある所から、山側を見てみた。
 写真の真ん中あたりの崖がすっぱり削れていて、
 しかも割れ目がまだ新しめに見えます。
 水の流れが小さな滝を作っているけど、
 この水が岩の割れ目にしみ込んで
 どんどん風化が進んじゃって
 ある日突然崩れた―。そんな感じ?

 でも真面目な話、周りの崖も
 岩が激しく剥離していて、
 いつ崩れてきてもおかしくないです。
 
 こんな所にも
 わずかにアスファルトが残っています。
 でもその下の四角いブロックは何?
 謎の構造物ですね。

 左側に見える黒いパイプは、
 廃道の入り口まで水を引いて行くための物です。

 そう言えば、この前の川瀬廃道の所にも
 同じパイプがあったっけ。
 あれも、水を引いて来るための物かも。
 
 さて、この先にも道は続きますが、
 薮化が激しく進行中です。
 それでもまだ踏み跡が奥に続いています。
 釣り人が通っているのでしょうか?

 でもまあ、これ以上進んでも
 大して変化がなさそうなので、
 ここらで終わりとします。

[2004年7月現在]

ここの廃道は南側よりも北側の方が、生活感と言うか地域との係わりが感じられて、
本来の「道」の姿を垣間見せてくれます。

「弘法大師像」について調べてみました。この廃道の西側にある根尾村には、弘法大師空海の伝承があります。
【空海が根尾村を訪れた際、痩せた土地にはじゃがいもを作れと教えた。その結果 、この土地独特の味の良いいもを作り出す事ができた。誰ともなく「弘法いも」と呼ぶようになり、根尾の名物となった。】
そんな事から、この地方では弘法大師を信仰するようになったのでしょう。
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