【岐阜県・県道255号線-大須廃道】前編
岐阜県の本巣市を走る県道です。この県道自体はよくある山あいの道です。
北上して行くと上大須ダムやNEOキャンピングパークがあります。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 ロードマップには描かれているのに
 地形図からは抹消された県道の旧道。
 それだけでも、ここがすでに
 廃道になっているのがわかりますね。
 現役時代の空中写真にすら写って無い程の
 ほそ〜い旧道の現状やいかに?

 この廃道の全体図はこちら。
 別窓で開くよ→■周辺図■


 県道255号線を北上してきて
 最後のトンネルになる「大須トンネル」です。
 例によってトンネル脇には旧道があります。
 すっかり荒れてしまって、
 ここから先に道があるようには見えませんね。

 しかも、写真じゃ廃道の入り口の
 影の部分がより暗く写っているので、
 ちょっと無気味な感じです…
 
 ガードレールのガードを越えて
 現道側を見た所。
 ここからは忘れられた道です。
 何か目に見えない壁があるかのように
 ガードを境にして雰囲気が変わっています。
 

 廃道に入ってすぐに、こんな具合ですよ。
 まだアスファルトが見えていますが、
 もうただの山道の様相です。
 森の中の電柱の存在が、
 かつてあった道の姿を
偲ばせます。

 

 ホントにここって車道だったの?
 今や狭い踏み跡だけが続いています。
 しかも渓流沿いの崖っぷちにです。
 つまずきでもしたら、
 川の流れにドボンです。
 でも、木が生えているので
 そんなに恐くありませんね。

 

 廃道のオプション、落石です。
 この辺は石灰岩を中心とした地質なので
 白っぽい岩ばかりです。
 今迄の道の景色はただの森の景色ですが
 東側には標高900m程の山があって、
 小さいながら滝の流れる谷が点在します。
 それは景勝地と言っていい程の
 素晴らしい風景です。
 旧道が廃道化して、
 さらに進入が禁止された今となっては、
 人の目に触れなくなって
 なんかもったいないですね。

 
 落石は道幅いっぱいに広がってます。
 こんな所にアスファルトの残骸が…
 石のおかげで、草が生えなくて
 残ったのでしょうか?
 
 この先は、まだずっと薮が続いてます。
 さらに植生は激しくなります。
 ここで戻って、現道を通って
 反対側へ行く事にします。
 
 で、これが谷間を流れる
 滝の滝壷です。
 けっこう小さな物です。

■滝壷の右側に石灰岩の露頭がありますが、その表面には節理が表れています。節理とは岩に一定方向に入る割れ目のことですが、これは柱状節理ほどきれいな形ではなく、不規則な形をしています。
でも、こういった地形は容易に崖崩れや落盤を起こし、道路などに深刻なダメージを与えます。特に岐阜県には広い範囲に花崗岩の岩盤があり、国道や県道の廃道化の原因にもなっています。花崗岩は構造上風化しやすく、
節理面 にそって簡単に割れてしまうからです。

旧道はすっかり薮に埋もれていました。ここの廃道は山側にけっこういい風景がありました。
次は大須トンネルを通って、北側からのレポートです。
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