【岐阜県・県道75号線-線形改良廃道群】
かつての越中東街道は、国道だった時期もありました。
その後一般県道に格下げされましたが、近年改良工事を受け、現在は主要地方道に昇格しています。
改良された道には、昔の険道の跡が残ってました。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 神原峠に眠る神原隧道を見に行く途中に
 小さな廃道を見付けました。
 お察しの通り小ネタですよ。
 あ、それと最後の方には
 動物の死体画像があります。
 そういうの苦手な人は見ないでね。
 (そんなにグロくはないけど)
 地図も見てね→■周辺図■

 見慣れた景色ですね。
 左側にボロボロの道が分かれてます。
 この県道が平成8年に改良されたそうなので、
 廃道歴9年あまりでしょうか?
 いい感じに廃な雰囲気になってます。
 それじゃちょっと行って来ます。
 
 チェーンでもって封鎖されてます。
 道自体を撤去するより、
 この方が早くて安上がりだからだね。
 それで、普通ならこの廃道は県道75号線の
 廃道になるんだけど、
 ここは県道472号線になります。
 実はこの県道、昔は国道41号線でした。
 国道が別の道に移ったために県道に降格、
 県道472号線になりました。
 その後平成時代になり新トンネルが開通し、
 県道も改良されて主要地方道に昇格、
 県道75号線となったのです。
 
 だから改良前のこの部分は、
 県道472号線なのです。
 ちょっとややこしいですね。

 山の中で狭い1車線じゃ
 国道というより酷道よね。
 3ケタ県道に降格も納得です。
 それでも元国道なだけあって、
 しっかりした造りの道です。

 あっ!
 と言うまに終わり。
 通行止めの手前のスペースがきれいなのは、
 ここに車を停める人がいるからでしょう。
 ちなみに横の橋は「こさか橋」です。

 では、次にまいりましょう。
 先程の廃道から少し行くと
 どこかで見たような景色が…
 っていうか、さっきの橋の所とそっくり。
 しかも橋の親柱のデザインまで同じ。
 違うと言えば矢印看板ぐらいかな?

 ここもチェーンによる封鎖ですが、
 完全封鎖じゃないのは、
 林業関係で作業をする人や車が
 入って来るからなのかな?
 
 なんとも寒々しい景色です。
 がさがさと落ち葉を踏んで行くと、
 ちょっとした廃道探索気分です。
 でも油断してると、
 枯れた植物から出てる、鋭いとげにやられます。
 ここらの山には多いのだろうか?
 バラのとげなんかより長い、
 2cmぐらいあるとげがあちこちにあります。
 厚着していてよかった♪
 
 で、もう終わり。
 よく見ると正面にも県道のかけらがあった。
 こっちは退避場のようになってます。
 でも矢印看板が「こっちじゃないよ」と
 誘導してる。
 車に停まってほしくないのか?
 
 今来た道を振り返って見た。
 う〜ん。短い。
 まあ小ネタだしね。
 それにこの県道、国道じゃなくなってからは、
 寂れていたそうだけど、
 さっきから沢山の車が通りますよ。
 通る車がけっこうスピードを出してるので、
 県道上での撮影には気を使います。
 3番目の廃道はすぐ近くです。
 
 やっぱり同じ景色。
 橋のデザインも同じ。
 とはいえ、わざわざ違うデザインの橋を
 造る程の事もないよね。
 では、さくっと探索します。
 早く廃隧道・神原隧道に行きたいしね。
 
 ここは山の中に入ってくような雰囲気です。
 幾分それっぽい景色です。
 
 目の前の山の斜面には材木が転がってます。
 これは林業でこの道が使われてるって事?
 でも、そうは見えないよね、
 この雑草だらけじゃ…

 薮という程じゃないけど、
 ちょっと歩き辛いです。
 まあ、そういう所が廃道らしくていいけど。
 なんて考えながら歩いてたら、
 落ち葉とは違う物が落ちていた。
 よく見たら何と
 動物の毛です。
 
 ・・・熊?
 いや、色が違います。
 白っぽくてこれは…
 狐? それとも狸?
 あ! 足が落ちている。
 それは白骨化した鹿の足です。
 ちゃんとひづめが付いてます。
  うわぁ…気持ち悪ぅ…
 これはカモシカのようです。
 胴体は無くて、なぜか足だけ落ちてます。
 「カモシカのような足」って言うけど、
 こんな足はやだなぁ…

 最後の方ですごい…じゃなくて
 酷い物を見た。
 たぶん廃道上で死んだカモシカが
 長い間放置されていたんでしょう。
 この廃道は使われてるかもって思ったけど、
 あんなモノがあるって事は、
 少なくとも1年以上は人が入ってないのでしょう。
 でも、よく考えたら、こんな県道のそばに
 野生のカモシカが来るって事は
 やはり、山に食べ物が少ないって事かしら?

[2005年11月現在]

道の歴史を知らなければ、何でも無い県道に何でも無い廃道に見えますが、
古くは越中東街道として飛騨の交通の一翼を担って来ました。
一旦は寂れたものの、新トンネル「神原トンネル」が開通してからは、
再び昔日の活気を取り戻しつつあります。
ここは小さな廃道ですが、そんな歴史を見て来た道でもあります。
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