【岐阜県・山県市-円原の吊り橋】
「日本一の伏流水」という円原川に架かる、小さな吊り橋。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
 「日本一の伏流水」ってナニ?
 よく分からないけど、
 なんか、よさげな橋があるみたいなので
 ちょっと行って来ました。

 山県市を通る国道418号線から
 県道200号線に入り
 「鮎見の橋」を通り過ぎて、
 円原川が合流する所から
 細い道を上流に向かいます。
 あ。「日本一の伏流水」だ。
 
伏流水自体は500m先だそうです。
 で、今回の橋は看板の手前にあります。

 
 日本一などと言うだけあって、
 川の流れはとても綺麗。
 その上に架かる橋は…
 おお〜っと、良いじゃないですか!
 ちょっと見、吊り橋に見えないけど、
 ちゃんと吊られてます。
 
 手すりのワイヤの為の部品に見える、
 これが主塔ですよ。
 手すりと思ったワイヤこそ、
 メインケーブルです。
 主塔低すぎです。
 2mありません。
 主塔の間にチェーンが張ってあり、
 下に通行禁止看板が置いてあった。
 
 「危険 この橋は通行を禁止します」
 って書いてあるけど、
 踏み跡が主塔を迂回してる。
 看板、役に立ってませんね。
 脇から楽に通れます。
 メインケーブルは斜めの部材の上を通り
 地面に刺さってます。
 雑草でよく分かりませんが、
 この下にはコンクリートの
 ブロックがあるのでしょう。
 
 では、渡ってみましょう。
 特に危ない感じはありませんねぇ。
 とは言え、ゆっくり渡りましょう。
 

 床板は鉄板で丈夫そうです。
 問題ありません。
 メインケーブルも錆びてるけど
 これも問題ありません。
 手すりは・・・
 問題あった!
 支柱が折れて外れてる。

 外れてるのはこれ1つだけど、
 錆びて折れそうなのが、他にもあるかも?

 
 と言うぐあいに、
 無茶な渡り方をしない限り
 問題無く渡れます。
 こっちにも、例の看板がある。
 道は山の中に続いてるように見えますが
 この先には民家が数軒あるようです。
 橋の横には、
 コテージらしき建物があります。
 

 さて、あらためて主塔を見てみましょう。
 三角のてっぺんにあるこれは、
 「サドル」といわれる部品です。
 これはローラーになってる。
 ケーブルが外れないように
 上も鉄板で押さえてあります。
 背景に見えるのが
 さっき言ったコテージ?です。

 
 対岸から見るとこんな感じ。
 向こう側と同じですね。
 では、次は橋の下に行ってみよう。
 
 川と道路の間には
 垂直に近い擁壁があって
 降りる事ができません。
 って思ったら、橋台の横に
 河原に降りる道があった。
 道と言うか、釣り人が通った跡ですね。
 滑り落ちそうな坂を降りたら、
 素晴らしい景色が。
 これはイイ!
 
 橋桁を下から見てみれば、
 なんと単純な作りでしょう。

 鉄骨を組んで補強もしてありません。
 しかも、橋桁を吊ってる
 ハンガーケーブルを数えたら
 片方に5本しかなかった!
 この長さで5本って…
 
 最後に2枚目の写真の反対側から。
 どっから見ても絵になる橋ですね。
 
 橋のレポートはお終いですが、
 
「日本一の伏流水」が気になります。
 ちょっと上流に行ってみましょう。
 円原川をさかのぼって来ると
 いつの間にか川の水が無くなってる。
 伏流水って、枯れ沢ってコト?
 よく分からないので調べてみたら
 伏流水とは川の水が地面に染み込んで
 地下を流れてる川の事ですって。
 
 成る程、ちょっと上流に行った所に
 川の流れがあります。
 ここで水が地下に消えるみたいです。
 川の流れが段々細くなり
 最後は水たまりになってました。
 それが何百メートルか後に
 再び流れが復活して清流になるなんて
 本当に不思議な事です。

[2014年5月現在]

今までに見た事の無い、コンパクトな吊り橋です。
集落かコテージに渡る為の吊り橋でしょうか?
円原川の周辺は石灰岩で出来ており、伏流水は石灰岩体の隙き間を通る事で濾過され、
再び地上に出て来た清浄な流れは、素晴らしい渓流の景色をつくっています。
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