【国道41号線旧道-茂住隧道】もずみずいどう 岐阜県の北端にある神岡は鉱山の街です。そこを通る国道に旧隧道を発見! 青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント |
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神岡に行って来ました。 鉱山廃墟の聖地として有名な場所ですが 神岡鉄道の廃線跡がある場所としても ちょっとは知られた所です。 で、そんな所で見付けた廃隧道。 こ・こんなトコロに廃隧道! |
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8月の暑い日に 神岡の国道を走っていると、 ロックシェード手前の斜面に 怪しい影がチラリと見えました。 あら? 隧道かな? まさかね…そんな都合良く 廃隧道なんかあるわけないよね… いや。いやいや! 廃隧道あった!! |
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ロックシェードの左側に 隠れるように・・・ って、丸見えだったけど。 こんな本格的な廃隧道がありました。 薮を掻き分けて近づいてみたら… 水没してる! この時はどこまで水没してるのか 中の様子がわからず撤収。 帰ってから調べてみると、 かの「山いが」にレポートがありました。 残念。先越されてたわけね・・・ |
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まあ、おかげで色々わかったので |
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浅い水たまりを越えて 振り返って外を撮影。 現役隧道じゃ有り得ない景色です。 あるとしたら災害時ぐらいか? |
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路面は未舗装なのかな? ダートになっております。 おおっと! これはナニ? コードがだらんとぶら下がってます。 照明器具かな? それに前方が何か広くなって・・・ |
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隧道の中が広がってます。 狭くなるのはありがちだけど、 広くなるのは珍しい… いや、前にもこういうの見ましたね。 そうか、ダムか。 ダムの近くにある隧道には、 中でトラックなんかがすれ違うために 広くなってる部分がありました。 この隧道の横にもダムがあります。 ダムの建設の時に隧道が出来たそうなので 間違いないでしょう。 |
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周りの壁が大変な事になってる。 戦後に出来た隧道なのに、 この荒廃ぶりはどういうコト? ひびだらけですよ。 それになんか茶色い・・・ 鉄分なんでしょうか? それとも他の金属なのかな? |
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隧道はまだまだ続きます。 272mの長さなのに 前に光が見えないのは、 隧道が塞がってるからですね。 この辺りは特に何もないけど、 途中に残っていた照明があった。 こんなに本格的な隧道なのに 蛍光灯だった。 |
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で、さっきからビチャビチャと 水が落ちる音がしてるけど、 原因はこれ。 天井から水漏れしてます。 これのおかげで水没してたのです。 さっきまで気が付かなかったけど、 花崗岩の欠片が沢山落ちてた。 実は神岡に鉱山があるのは この花崗岩のおかげだったりする。 |
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何事も無く閉塞点に到着。 コンクリでガッチリ塞いであります。 この向こうは現道の法面です。 壁の穴は空気穴なのか、 表に繋がっています。 ライトを消すと光が見えます。 で、天井から延びるパイプは何だろう? 水抜きのため? 右の壁には謎の「建設省」の文字が… |
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空気穴を近くから見ると 人が入れそうな程大きい。 しかも、やけに丁寧に作ってある。 これ、けっこう重要な施設なのかも? この穴から外を走る 車の音が聞こえます。 逆にここで大きな声を出したら 外に聞こえるだろうか? |
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上からポタポタ水漏れしてるけど、 下を見ると茶色いしみが・・・ 白っぽいのはカルシウムだね。 コンクリ鍾乳石と言うアレです。 茶色いのは鉄分? 近くで見るとクリームみたいで おいしそう。 |
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先程の「空気穴」を外から見てみようと ロックシェードの中を歩いて来ました。 車がすぐ横を通って けっこうヒヤヒヤです。 あ、あった。これですね。 鉄格子で塞がれてますが、 錆びてて簡単に壊れそう… っていうか、すでに壊れてたし… [2009年10月現在] |
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■ 「茂住隧道」のすぐ横には、新猪谷ダムがあります。 1961年、昭和36年に着工され、1963年に完成した、重力式コンクリートダムです。 ダムの着工された年と隧道の竣工年が同じなので、ダム建設に関係した物なのでしょう。 内部で広くなっているのも、建設車両のすれ違えを考えたのかも? とは言え、現在の交通事情には対応出来ないので、新たに広い道路を造ったようです。 ● 神岡には飛騨片麻岩に花崗岩質マグマが貫入し、マグマの中の金属と片麻岩中の石灰岩が反応し 閃亜鉛鉱や方鉛鉱といった鉱物が形成される、スカルン型鉱床と呼ばれる鉱床があります。 神岡に大規模な鉱山があったのも、この花崗岩のおかげとも言えましょう。 その神岡鉱山も「イタイイタイ病」という公害病の原因になったりして、悪い印象もあるのですが、 今はニュートリノ観測装置「スーパーカミオカンデ」で有名になっています。 ■ |
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