【国道257号線-木の実峠旧道】後編
岐阜県岩村町と上矢作町の間の木の実峠は、中世・昭和・平成と3つの時代の道が存在しています。
現在は広いトンネルにより難無く峠を越えていきます。
昭和6年に開通したトンネルはその役目を終え、今では廃道同然になっていました。
木ノ実峠と表記される事もありますが、ここでは木の実峠で統一します。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 
阿木川ダムからさらに南に下った所に
木の実峠があります。
今では快適に通り抜けられますが、
少し前まではけっこう細い道で
なかなか大変な所だったみたい。
旧道になって16年あまりたったけど
はたして今ではどんな事になっているのか?
さっそく現道から旧道に入ってみましょう。

 ついに来ました。
 これが木の実隧道です。
 さっきの川の水はトンネルの中から出て来ます。
 それってまずいんじゃないかしら?
 それに道の上は土がいっぱいあります。
 まるで未舗装路のようです。
 トンネルの入り口の周りもなんだか
 森にかえりつつあるみたい。

 ここだけ見たらりっぱな廃道・廃隧道です。
 でも、あくまで旧道です。
 
 通り抜けて上矢作町側に出た所。
 このトンネルは照明がなくてちょっと無気味。
 でもそんな事より大変なものが…
 

 壁くずれてます。
 しかもこんなのが2〜3カ所も…
 さっきの川の水もこんな
 壁のはがれた所から洩れ出したのでしょうか?
 でもわざわざ戻って確認する気もおきませんね。

 壁にはあちこちに落書きがあります。
 それだけでも廃な雰囲気です。

 

 こちら側の道も、土がたまってでこぼこです。
 知らずにスピード出してきたら
 バイクならコケてしまいそう。
 この隧道に来る人は気を付けましょう。

 
 高さは3.2mまで。
 そんな大きな車は新しいトンネル使うって。

■今まで見てきて、トンネルに詳しい人は気が付いたかもしれませんが、この隧道には扁額があたりません。でもちゃんとあります。しかし、あまりに小さすぎてなんて書いてあるのかよくわかりませんが…

※今さらながらですが

 隧道(ずいどう)
→トンネルの古い言い方
 
扁額(へんがく)→トンネルの名前が書かれた額のこと。だいたい出入り口の上にかかげてある。
 
 右に林道が分岐しています。
 ここら辺は比較的きれいな路面です。
 でもすぐに道は、
 伸び放題の草や木に侵食され放題になります。
 つまり荒れ放題です。
 そんな所を数百メートル行くと
 間もなく人里に出て来ます。
 
 生活感のある場所にほっと一息。
 今越えて来た木の実峠は左の電柱の
 左側あたりにあります。
 これは振り返って撮影しています。

 正面には打ち捨てられたショベルカーが…
 色あせた標識が
 この先の道の状態を暗示しています。
 
 ここで現道の国道257号線に合流。
 前に見えるトンネルは新木の実トンネルです。
 ちなみに中世の木の実峠(木ノ実峠)は
 新木の実トンネルの左ななめ上あたりです。

車が通らなくなって16年ぐらい過ぎたでしょうか。
その間に旧道は開店休業どころか、廃業同然になっていました。
阿木川湖周辺の旧道と違い、すでに道としての利用価値がなくなった旧道は
この先どうなっていくのでしょうか?
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