【国道19号線-内津峠旧道】
愛知県と岐阜県を結ぶ国道19号線の、春日井市と多治見市の間にある内津峠(うつつとうげ)。
1970年に内津トンネルが開通するまでは、車は今より高い位置にある峠道を往来していた。
現在もすたれる事なく利用されている旧道です。
青字…ラピスのコメント ■黒字…作者のコメント
 

 1994年に完成したバイパスにより
 
上下線が別々のトンネルで峠を越えて行く現在でも
 変わらず車が通ります。
 その昔はけっこうな難所だったそうな。
 トンネル建設は明治時代からの悲願でした。
 今でも当時の様子をうかがう事が出来ます。
 まずはこちらの地図を開いて見てね■周辺図■


 左下に見えるのが現・国道19号線の下り側。
 バイパスが開通する前の旧・国道19号線は
 陸橋でもって現道の上を渡って行きます。
 で、ここからがちょっとややこしいです。
 現道は古いトンネルをそのまま使っているので
 旧道は現道とそのままつながっているけど、
 さらに陸橋で 旧道同士もつなげています。
 本来の旧道部分は陸橋とは反対側に曲がって行き
 さらに左カーブで一気に下って
 陸橋の下のあたりに出て来ます。

 でも青い看板にはその道を行く事を
 あまり勧めていませんね。
 では振り返って峠の方を見てみましょう。

 

 ここが内津峠です。
 ちょうど山と山が切れている所がそこ。
 そんなに難所の峠には見えないけど
 昔は大変だったのかしら?
 ここらあたりが昔の風情を残しているみたい。

■旧道は峠を切り通しで越えていきます。
この旧道部分と今まで現道だった道をつなげたのは、峠の手前の右に行く道のためのようです。三の倉町を通り陶の町・市之倉へと抜ける道で、それなりに通行量がありバスも走っています。

 
 これが悲願の内津トンネルです。
 しかし何だか短いような…
 あ、でも走りやすいですよ。

 でもトンネルが計画されてから
 完成まで80年以上の時間を必要としたにしては
 ちょっとこじんまりのような…

 現在はきれいになっちゃって、
 当時の雰囲気は無いですね。
 
 峠を越えて岐阜県側に出ました。
 白い看板がお出迎えしてくれます。
 もうこれだけでも旧道の雰囲気満点ね。
 
 道ばたには古い街道にはよくある
 馬頭観音があります。
 馬頭観音は馬の守り神であり、
 道中の安全を祈願して建てられたのでしょう。

 この写真じゃわかりずらいけど、
 この観音様、顔がかなり恐いです。
 観音と言うよりは明王って顔です。
 明治27年に建立されました。
 
 ここからは多治見の山々が見渡せます。
 それにしても現道とはかなり
 高低差がありますね。
 これをまたヘアピンカーブで
 一気に高度を下げます。

 歩道はここで分かれて、
 歩道橋で反対側に行ってしまいます。
 あれ?歩道ってあった?
 こんな所、人が歩いていたら危なそう。
 
 通常よりも大きな標識が
 この道の難所ぶりを表してます。
 そりゃあ車もぶつかりますよ。
 (ガードレールがへこんでるし…)
 
 上の場所から左に曲がって
 さらに大きく右にカーブしています。
 思わず気持ちよ〜く
 コーナリングしちゃいそうですが、
 あっ危ない!砂が落ちてます。
 しかもマンホールが絶妙な位置に…
 スピードはほどほどにね。
 

 小さな沢をわたって
 もう一回右にカーブしてます。
 ここでは現道時代、よく渋滞してたそうです。
 こんな急カーブなので、
 通る車が手前で減速するのが原因ですね。

 
手前の道は分岐している林道。

 
 現・国道19号線に合流。
 現道は交通量が多いので注意が必要です。
 トラックがスピード出して走っているので
 ホントに危ないですよ。
 そんなに急いで何処へ行くってことですね。

 それにしても、ここから見ると
 何だか山の中に、行きっぱなしになりそうです。

[2004年1月現在]
 
 実は、旧道が現道に繋がる所は、
 上で紹介した所だけじゃなく
 かつてもう一カ所ありました。
 旧道の途中からショートカットする様な感じで
 現道に繋がっていたはずで、
 昔の記憶を頼りに探してみたことろ
 ここがその道のようです。
 なんか思ったより狭そう。
 車1台がやっとの幅です。
 使われなくなってから一体何年たつのか
 この道、途中から深い薮になっていて、
 旧道まで行く事は出来ませんでした。
[2004年11月現在]

江戸時代より人や物資の往来が活発で、地元の経済を支えて来た下街道。
それが国道19号線の原形になりました。
今でこそ鋪装されていますが、昔は冬に道が凍結すれば人や馬が転落するなどの被害がでたそうです。
トンネル開通はまさに悲願だったでしょうね。
現在はバイパスも出来、増大した交通量にも対応していますが、
結果ただの通過点になってしまい、昔のように人が行き交う峠道ではなくなってしまいました。
建立された馬頭観音だけが、昔の人達の思いを今に伝えます。
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